そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

今年ほど右に傾いた年はない

2015-12-31 | 安倍晋三
2015年が暮れようとしている。今年ほど国家が右傾化した年はないだろう。戦前でも数年かけて軍部や財閥が跋扈して、政治に介入して国家を動かした。政治家にも骨のあるのがいて、敢然と立ち向かったものである。ある時から、国会は大政翼賛会となって反対意見者を抑え込んで単色化するのであるが、それとて10年以上はかかっている。
ところが今年は一挙に右傾化し、軍事国家への持ちを歩き始めた。昨年7月の集団的自衛権行使容認の閣議決定に始まる、安全保障関連法案(戦争法)の、要点は答えることをしないほぼ無審議ともいえるような審議内容で、強行採決をしてしまった。
何よりも、憲法専門家・法律家・学者の95%が違憲であると判断しているにもかかわらず、与党内からは何の疑義もなくすんなりと法案が成立したことは、失望以外の何物でもない。立憲主義を排したないようは、自民党が公明党を折伏する形の密室協議でほぼ内容は決まった。実質これらの法案が審議され、検討されたのはこの与党協議だけである。国民不在であり国会議員すら誰も口を出すことができなかった。
いったん法律が通れば、日本国民は一斉にこれに倣うことになる。北海道の美瑛町で社会福祉協議会が、この法案に疑義を表明すると、さっそく地元の自民党が理事者たちを辞任させている。このような動きが日本中で起きている。法案反対や九条の会に対して、会場提供を拒否する自治体が噴出している。まるでNHK会長のように、国が右と言えば左と言えませんというのである。

もっと恐ろしいことも起きている。日本は武器輸出は実質禁止していた。国立大学では武器生産にかかわる研究も、平和憲法の下では取り組むことさえやっていなかった。ところが、武器を防衛整備品と言い換えて、防衛装備庁なる武器製造の奨励・開発・輸出を一元化する、死の商人の部署を作った。これは戦前の軍需省である。戦闘をするばかりが戦争ではない。武器を売り込む死の商人たちは、やがては戦争そのものを期待するようになり火をつけて回ることになる。産軍共同体はやがて国家を動かすことになる。すでに動かしてはいるが。

原発再稼働は虚言に覆われた報告と姿勢で着々と進められている。もうすでに川内・大洲・高浜と動き始めている。再稼働を受け入れない知事には補助金の削減がお仕置きとなっている。再稼働反対の新潟県知事は減額された交付金を示されている。
これは細川・小泉首相経験者の発言が正しい。自民党以外はほぼすべて脱原発を表明している。自民党内も疑念を持つ者が多い。首相の判断だけであるというのであるが、安倍晋三はこれに応じない。

TPPに至っては公約違反である。”大筋”合意なんてどの国の発言にもない。日本が最も譲歩することで決まったといえないのであるが、すでに対策だけを検討している。公約違反は誰も口にしない。
マイナンバー制度も不安だらけの発足である。
金をばらまく外遊する外交であるが、イスラム国の補足者をおめおめと死に追いやったのは、アメリカ追従しかない安倍晋三のが言う音痴である。
来年度予算も、消費増税を見送っておきながら、防衛予算だけは破格の扱いである。何よりも、地元があらゆる場面で反対を表明している、辺野古新基地の建設を推し進める硬直した姿勢である。民主主義も平和もこの国から追いやった安倍晋三は、公明党のご機嫌取りと、従来の発言を保護にしてまで韓国との国交を持ちなおそうとしているのは、ただ選挙に勝つためだけのものである。その先に改憲をにらんでいるのである。きわめて乱暴な極右翼政権はとどまらない。
「良いお年をお迎えください」なんてことはいそうもない時代である。


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