そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

懸命に

2015-11-24 | 農業と食
左のグラフをクリックして大きくしてみてください。日本農業が真綿で絞められるように、ゆっくりとしかし確実に減少傾向にある。これはカロリーではなく生産金額である。
この30年間で、11兆7千億円であった農業生産額は、8兆5千億円へとほぼ30%減少している。コメは3兆9千億から1兆8千億円へと半分以下になっている。この間の人口はほとんど変化はない。コメ価格は半額に落ちてきたといって良い。
富裕の指標にもなる畜産製品は、3兆3千億円から2兆7千億に減少している。この間に畜産製品伸びは著しいものがある。価格がかなり差Gはってきたのである。これらはいずれも農家の努力なのである。
この間のカロリーベースの食料自給率は、55%から40%と減少しているが、生産価格の減少ほどではない。果実と野菜の生産価格はほとんど変化がない。
日本の家畜は大量の穀物を食べている、と本ブログでも書いた。穀物が重要なのは主食になるほどカロリー価が高い食べ物としての意味もあるが、貯蔵がきくというところにある。遠くへ運べるばかりではなく、販売時期を操作できるのである。勿論、その時には食料としてではなく、経済効果が上がる商品としてののみが大きくなる。それを左右するのが備蓄量である。備蓄量が、かなり生産量も人口も増えているのに、備蓄量はやや減少にある。相対的には減少しているのである。
穀物がやがて、世界戦略として主流になるのではないかと思っている。
日本の農業事情は、多分二つの要因で一気に崩壊する危険にある。一つは農の原理を無視した無造作な大型化である。もう一つが高齢化である。高齢化は均等に振興しない。地方ほど早く高齢化が深刻になる。農村はそのまま消滅することに名かも知れない。
日本農業を守ってこなかった日本がほどなく直面する、食糧問題が農村の崩壊と共に顕在化することになる。


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