そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

もんじゅの二の舞になる、リニアー新幹線

2016-08-10 | アベノミクス
選挙が終わると早速、安倍晋三経済対策の事業規模を28兆円超とする方針を表明したが、財界など選挙協力してもらったことへの返礼である。そして、改憲隠しでもある。言葉としては、大型の対策でアベノミクスを再加速すると述べている。格差を広げ、見せかけの株価操作の猫だまし経済対策であることが鮮明になっているアベノミクスであるが、墓穴をさらに大きくするというのである。
安倍の大ボラ吹きで一時的に株価は上がったが、円高になりリバウンドもあって結局市場は反応しなかったといえる。
ところで、28兆円であるが丸々緊急に吐き出すのではない。多年度にまたがったり従来の事業を前倒ししたりとするのであって、緊急と呼ぶのはおこがましいのである。緊急に行うのはリニア―新幹線投資くらいである。
そのリニア新幹線事業の前倒を、未来への投資と意気込んでいる。リニアー新幹線は2045年の開業(東京ー名古屋)の予定であったが、それをどれだけ前倒しするのかわからないが、このリニアー新幹線は事業そのものが大きな問題を抱えている。

安倍晋三が未来への投資というが、相変わらず土建業者への膨大な投資に終わることになる。リニア新幹線の東京ー名古屋間は、86%がトンネルの中である。闇の中を疾走することになり、子供たちや鉄道オタクがその姿に感動しても、ほとんど走っているところを見ることがない。誘致に走った自治体が、わずか2秒ほどしか姿を見ることがないと嘆いていた。
東京ー名古屋間が1時間もなく、単なる移動手段でしかない。何より問題なのは、日本列島を分断する中学生でも知っているフォッサ・マグナの断層をぶち抜く危険である。地質学者かあは、ウラン鉱床の存在の危険性の指摘もある。特に南アルプスを打ち抜くのであるが、破砕帯の存在や地下水脈の確認は掘削しながらという、深くて確認など事前にできない。長大なトンネルの危険性に比べて、事前の確認が極めて杜撰である。
磁気で車体を浮かせるのであるから、電気を食うとまで言われるほど電力が必要になる。原発二基がが必要ともいわれている。一席当たりの電力が現在の新幹線では29kh/時間であるのに対して、リニア新幹線は90~100kh/時間ということである。実に三倍以上の電力が必要という、なんと不経済なことであるか。更にラッシュ時に上下で5列車走れば、320万kwつまり原子力発電所3基分の電力が必要になる。
更にこの種の事業は、計画時の予算を平気で2倍3倍、時には5倍にも膨れ上がるのである。9兆円の事業はすでに、今回の緊急対策で3兆円ほど前倒しして増額されることになる。
更に最も懸念されるのは事故である。殆どトンネル内を走る時速550キロで走行する運転手のいない列車が、地震に遭遇したらどうなるか全く見当がつかない。航空機事故に匹敵する事故による危険性がある。特に南アルプスのトンネルは、50キロを超えるが脱出などできるわけない。
リニアー鉄道の計画を世界各国は断念している。早い以外は何のとりえもない、金食い虫だからである。理屈で政府を解きほぐして、実際には空論になっている、核の再利用をしたプルサーマル計画の象徴のもんじゅが完全に破たんしているが、リニアー新幹線も全く同じ理由で、国が赤字の尻拭いに税金の投入をやり続けることになる、極めて厄介なお不良債権になる。

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2 コメント

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リニアには乗らない (志村建世)
2016-08-10 23:06:07
パイプでゴミを送るダストシュートに近いような気がします。人間の「乗り物」と言えるのかどうか、早く出来ようが、私は乗りません。
恐怖の乗り物 (ぷーさん)
2016-08-11 07:10:38
昔、病院に勤めていたころのカルテを運ぶシューターを思い出しました。
故障ばかりしていましたが、あくまで物だから良いのであって人間はやめとくべきですね。

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