ニュージーランド移住記録:日記「さいらん日和」

2004年に香港からニュージーランドに移住した西蘭(さいらん)一家。子育て終了、仕事もリタイア。好きに生きる記録です。

ラロトンガ行:潰えた夢

2016-06-19 | 旅行
ラロトンガで出くわした、ただただ不気味な未完の大型ホテル
楽園に忽然と現れた失楽園



完全にお化け屋敷でした。


さすがに気になって検索してみると

あっさり経緯がわかりました


ここは完成していれば

シェラトン・ホテルになるはずでした
ホテル建設の話は30年前にさかのぼります。



1987年にイタリアからクック諸島政府に、超高級ホテル開発の話が持ちかけられました。


総工費は5,200万ドルと見積もられ、クック政府は海外からの投資を募るものの失敗し、自らが5,200万ドルの保証人となって、イタリアの銀行から融資を受け、イタリア政府が開発のお膳立てをし、イタリアの開発業者が着工しました。


ホテルは豪華なプールやゴルフ場を完備した全室スイートの200室からなる、ラロ初の五星ホテルとなるはずで、マネジメント会社としてシェラトンと契約を結びました。



南太平洋ではとんとプレゼンスのないイタリア尽くしがなんとも
不自然で不気味
しかも、1987年は10月にブラックマンデーのあった年
ニューヨーク株式市場が過去最大規模の暴落となり、香港市場は休場
する非常事態で、弱冠25歳だった私ですら肝を冷やしました。


この手の浮いた話は大暴落の前にまとまっていたはずですから
調印してシャンシャンシャンとなった後に地獄の釜が口を開けた? 


とまれ、話を続けましょう



着工後、大半の資金の行方がわからなくなり、開発業者が破たん 別のイタリア業者が工事を引き継いだもののマフィア関与疑惑が持ち上がり、イタリア政府が手を引きました。イタリア人の工事責任者はバヌアツで殺害され(理由は家庭内の内輪もめとされている)、残ったのは8割までできた未完のホテルとクック政府の膨大な借金でした。


政府の負債は1億2,200万ドルにまで膨れ上がり(算出時期不明)、納税者は今でも返済を続けているそうです


地元ではゴーストタウン、Gタウンと呼ばれているようでした。



完成させる資金も取り壊す資金もないまま、野ざらしのままで

早30年近く


しかし、話はこれにとどまらず、100年前にさかのぼるのでした。
(※これでも旅行記なのか


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