惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

まだある

2016-07-06 20:44:36 | ことば

 昨日、書いた『集英社国語辞典』(第1版)の歌詞例文。気になるので、またちょっと見てみました。

 やはり助詞で、「だけ」の項目。
 「限定する意を表す」の例文に――

海鳴りだけを聞いている (「津軽海峡冬景色」)
一目だけでも会いたいの (「雨に咲く花」)
夢に流れていくだけね (「新宿ブルース」)

 やってますねぇ。「雨に咲く花」は昨日も登場しました。
 最後の「新宿ブルース」は難しかった。「恋にせつなく降る雨も~」というのが歌いだしで、なかなか渋い選曲です。
 例文を作った(?)人は演歌ファンなんでしょうね。ほかにもいっぱいある。

 〈ナンクロメイト〉8月号発売中。担当の新刊紹介欄で次の3冊を取り上げています――

  • クリスチャン・キーザーズ 『共感脳 ミラーニューロンの発見と人間本性理解の転換』 (立木教夫+望月文明訳、麗澤大学出版会)
  • ウィリアム・サローヤン 『僕の名はアラム』 (柴田元幸訳、新潮文庫)
  • ウェルズ恵子 『アメリカを歌で知る』 (祥伝社新書)

 今年前半は何冊もの優れたノンフィクションと出会いましたが、内容的には『共感脳』がいちばん。ヒトという生き物の理解が大きく変わります。
 『僕の名はアラム』は、これまで『我が名はアラム』という邦題で親しまれてきた名作の「村上柴田翻訳堂」版。大好きな1冊が嬉しい新訳となりました。