仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

曲がれ! スプーン

2018年04月25日 | ムービー
『曲がれ! スプーン』(2009年/本広克行監督)を見た。
物語は、「湾岸テレビの超常現象バラエティー"あすなろサイキック"のAD・桜井米(よね/長澤まさみ)は、視聴者からの情報を頼りに超常現象やエスパーを探し出す企画"ADさんの全国フシギ行脚"の担当を任された。厳しい担当ディレクター(甲本雅裕)の指示で日本全国を旅して回るものの、インチキ情報に振り回されてばかりなのだった。そして、クリスマスイブの日。"カフェ de 念力"という店で神田(細男/岩井秀人)という男と待ち合わせをしたよねだったが、そこでは、本物のエスパー達によるパーティーが開かれていて・・・」という内容。
超常現象バラエティー番組の司会をしている男を演じているのは、ユースケ・サンタマリア
誰よりも胡散臭く見える最高の配役だ。
(^。^)
パーティーに集まってきたエスパー達は全員ではないけれども、意外と能力が高いし、実生活の中で活用しているようなのがいい。
透視能力を使って、餡が尻尾までぎっしり詰まっているたい焼きを買ったりするのは少しばかりショボいような気もするけれども、まぁ、許される範囲ではないだろうか。
(^_^;)
河岡(諏訪雅)のテレキネシスは本格的だ。
自らの意思で何でも動かせる。
ただ、制御不能になることもあるらしく、何メートルも飛ばされてしまって、すっかり首が曲がってしまった工場長(松重豊)は何だか可哀想だ。
マスターの早乙女(志賀廣太郎)はまだまだ修行中の身らしかったが、彼の長年の夢のおかげで、救われた人もいるのだから、どんな小さな夢でも世の中に何らかの影響を与えることがあるのかもしれないなぁと面白く思ったのだった。

カラスの親指

2017年09月04日 | ムービー
『カラスの親指』(2012年/伊藤匡史監督)を見た。
物語は、「競馬場。馬券を買い終わった入川鉄巳(テツ/村上ショージ)は、券売機を前にして立ちすくむスーツ姿の男(タケ/阿部寛)が気になって声を掛けた。男は"競馬は初めてなのでどうしていいのか分からない"という。競馬関係者は馬券を購入してはいけないので獣医の自分が頼まれて代わりに買ってあげているという入川は、自分が関係者から聞いているという裏情報をその男に教え、教えられた通りに買ったその馬券は見事に的中したのだった。その一部始終を近くで見ていた別の男(ユースケ・サンタマリア)は、"あの男はコーチ屋だ。あんたはこれから金をむしり取られるぞ。大変なことになる前に俺がその馬券を買い取ってやるよ"と言う。どうせ競馬の素人だろうからと騙して安く40数万円で買いたたく。その馬券は400万円ほどになるはずだったが、いざ換金しようとして、それが偽造馬券だと知る。なんとそれはタケとテツ2人による手の込んだ詐欺だったのだ。それぞれ辛い過去を持っているタケとテツは詐欺師として生きていて、半年ほど前に知り合って以後はチームを組んでいたのだが・・・」という内容。
その2人が借りた一軒家に河合やひろ(石原さとみ)と河合まひろ(能年玲奈)の姉妹と、やひろの彼氏・石屋貫太郎(小柳友)が転がり込んできて、まるで家族のような共同生活が始まるのが面白い。
赤の他人の集まりとはいえ、ひとつの部屋に集まってくつろいでいる場面や、食事の場面など、結構楽しそうにしているように描かれているのだが、それはきっと、それまで彼等にとって決して叶うことがなかった"団らん"というものを、例え疑似体験とはいえ味わうことができたということなのだろう。
姉のやひろはどうにも頼りがいのない女性に見えたが、妹のまひろは料理が得意で随分としっかりしている女のコのようだった。
スリを生業としているだなんて、若いのに彼女も訳ありな人生を背負って生きているようで切ない展開だ。
芸人・村上ショージの演技はお世辞にも上手だとは言えないのだが、劇中映し出されるあの笑顔がすべての不備をチャラにしているように思える。
(^_^;)
本編160分という長さには驚いたものの、飽きることなく見られた面白い作品だった。

少年メリケンサック

2014年07月10日 | 映画サークル
ましけ映画サークル6月例会(2014年6月10日)は、昨年から何となく参加していた長○氏の初企画『少年メリケンサック』(2009年/宮藤官九郎監督)だった。
物語は、「栗田かんな(宮崎あおい)は、臨時社員ながら新人バンド発掘担当として某レコード会社で働いていた。ある日、インターネットの動画サイトで"少年メリケンサック"という4人組パンクバンドを発見し、早速契約せよという時田英世(ユースケ・サンタマリア)社長の肝いりで、意気揚々と出掛けたのだが、連絡された場所にいたのは昼間から焼酎を浴びるように飲んでくだを巻く作並秋夫(佐藤浩市)という落ちぶれた五十がらみの男だった。かんなが見つけた動画はなんと25年前の解散ライブのものだったのだ。しかし、すでに立ち上げたオフィシャルサイトは大人気になってしまっていて・・・」という内容。
インターネット上の情報というのは、日付が入っていなければいつの物なのかマッタク分からないということもありがちで、「実は25年前だった」というのも実際にありそうな話で面白い。
それなりのビデオカメラさえ持っていれば、今は誰でもハイビジョン撮影が出来る世の中だから、もしかしたら100年後のリアル社会で2014年に撮影された映像がマッタク違和感無しに見られているかもしれないなぁ等と思いながら見ていた。
(^_^)
パンクロックという音楽が理解出来ずにいたかんなが、バンドのツアーに帯同しているうちに同棲中の恋人・マサル(勝地涼)が歌う曲をいつの間にかつまらなく感じていって、自分自身がすっかりパンクのような思考になっていくのも面白い。
人の趣味嗜好というものはどんどん変わって行くものなのだ。
(^。^)
バンドの他のメンバー、作並春夫(秋夫の弟/木村祐一)、清水(ジミー/田口トモロヲ)、岡本(ヤング/三宅弘城)も解散ライブのビデオとはすっかり変わり果てた姿になっていたが、25年の時間とはそういうものなのだろう。
移動中の車内の様子が一番面白いのは、パーソナルエリアを確保できない空間に居続けると本音がどんどんと飛び出してくるという人間の本質を、監督・脚本がしっかり押さえているからなのかもしれない。
なかなか面白かった。


冷静と情熱のあいだ

2010年08月06日 | ムービー
『冷静と情熱のあいだ』(2001年/中江功監督)を見た。
物語は、「イタリアのフィレンツェで絵画の修復士をしている阿形順正(竹野内豊)は、友人の崇(ユースケ・サンタマリア)から、かつての恋人・あおい(ケリー・チャン)の所在を耳にし、修復作業中の作品をそのままにミラノまで会いに出掛けた。再開後、誘われるままあおいとマーヴ(マイケル・ウォン)の家に足を踏み入れた順正だったが・・・」という内容。
ローマ帝国時代からの都市とあって町並みは古く、細い道が入り組んでいるフィレンツェだが、屋根の色や壁の色など建物という建物の色合いがほぼ統一されているので、遠目にはとても綺麗に見える。
近くで見ると、きっとボロボロなんだろうが。
(^_^;)
再会を果たした順正とあおいの関係は、物語が進むにつれて明らかになっていく。
2人の出会いや過去のエピソードを回顧する場面が多く用いられているものの、解りにくいということは無く、時間軸通りに物語が展開するよりはよほど感動的に描かれていて良い。
原作は、平成11(1999)年に出版された同名小説が原作とのことだが、おそらく当時の"純愛もの"の先駆けとなった作品なのだろう。
しかし、"冷静と情熱のあいだ"で葛藤する大人の物語なので、青臭いということはなく、なかなかに面白いのだった。

キサラギ

2009年09月09日 | ムービー
『キサラギ』(2007年/佐藤祐市監督)を見た。
物語は、「アイドルタレント如月ミキ(酒井香奈子)の突然の死から1年。インターネット上のファンサイトで知り合った家元(小栗旬)、安男(塚地武雅)、スネーク(小出恵介)、オダ・ユージ(ユースケ・サンタマリア)、いちご娘(香川照之)の5人が家元の仕切りで初めて一堂に会した。思い出話に浸って彼女を懐かしむのが当初の目的だったが、熱烈なファンを自認する彼らゆえ、"本当にあれは自殺だったのか!?"と、話題は予期せぬ方向へと進んでいくのだった」という内容。
回想シーン以外の場面転換がほとんど無い密室劇であり、登場人物も少ないことから、演技者の技量の差がより大きく伝わってきた。
ただ、ユースケ・サンタマリアは演技力云々よりカツゼツの悪さが際立っているので、それ以前の問題ではあるのだが・・・。
(-_-;)
スポーツの世界では、"ファインプレーが目立つ選手は真の素晴らしい選手では無い"ということらしいが、そういう意味からすると、可も無く不可も無く見える香川照之という俳優の素晴らしさが際立っていた作品ということになる。
また、安男役の塚地武雅も良かった。
元々はお笑いタレントだが、個性的なキャラクターを持っているし、充分俳優として活躍していけるのではないだろうか。
さて、このオフ会を仕切った家元の背景について、他の登場人物と比べるとさほど詳しく描かれていなく、一言二言で片付けられていたような気がした。
編集の段階で尺が足りなくなったのか、「自分だけ身内じゃないのか・・・」という彼の落胆を際だたせるため敢えて使わなかったのか。
家元の職場ロッカーの内部が映し出された場面が(ほんの一瞬)見えたことから、多少気になったのだった。

UDON

2009年02月28日 | ムービー
『UDON』(2006年/本広克行監督)を見た。
物語は、「うどん屋の息子・松井香助(ユースケ・サンタマリア)は、"ここにはうどんしかない!!夢がない!!"と故郷を後にしたが、志半ばにしてアメリカから戻って来た。友人・鈴木庄介(トータス松本)の紹介でタウン誌の仕事にありつき、数日前に偶然出会った宮川恭子(小西真奈美)とも同僚として再会する。発行部数の増加をめざして"うどん食べ歩きコラム"を始める香助達だったが・・・」という内容。
134分と上映時間が長く、何もかも詰め込みすぎ。
イベント終了後の会場ステージで、香助と庄介がウルフルズの「バンザイ~好きでよかった」を歌うあたりの場面はなかなか良かったのだが、その後がまた長い。
エピソードが多すぎて、まるでテレビの連続ドラマを3話くらい連続で見ているような感じだ。
さすがフジテレビ制作といったところか。
それとも、"実家が四国のうどん屋で、兄が後を継いでいる"という本広監督のエピソードを聞いたような気もするので、監督の思い入れがたくさん詰まっているということか。