仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

仁左衛門賞 / 2014年

2014年12月31日 | 映画サークル
年末恒例の"仁左衛門賞"。
この賞は、"ましけ映画サークル"で1年間に取り上げた映画の中から一番面白かったと思われる作品に対して贈られる賞で、あくまでも仁左衛門の独断で決定するものである。
そして、本年はナント、10回目にもなるのが驚きだ。
(^_^)
さて、2014(平成26)年の例会で取り上げられた映画作品は、
【1月/守○企画】『推理作家ポー 最期の5日間(原題The Raven)』(2012年/ジェームズ・マクティーグ監督/アメリカ)
【2月/忠○企画】『サンタが殺しにやってくる(原題Christmas Evil)』(1980年/ルイス・ジャクソン監督)
【3月/中止】
【4月/仁左衛門企画】『スモール・アパートメント/ワケアリ物件の隣人たち(原題Small Apartments)』(2012年/ジョナス・アカーランド監督/アメリカ)
【5月/小○企画】『ハングオーバー!消えた花ムコと史上最悪の二日酔い(原題The Hangover)』(2009年/トッド・フィリップス監督/アメリカ)
【6月/長○企画】『少年メリケンサック』(2009年/宮藤官九郎監督)
【7月/守○企画】『ザ・イースト(原題The East)』(2013年/ザル・バトマングリッジ監督/アメリカ)
【8月/忠○企画】『狼男(原題The Wolf Man)』(1941年/ジョージ・ワグナー監督/アメリカ)
【9月/仁左衛門企画】『サンキュー・スモーキング(原題Thank You for Smoking)』(2005年/ジェイソン・ライトマン監督/アメリカ)
【10月/小○企画】『アイアンマン3(原題Iron Man 3)』(2013年/シェーン・ブラック監督/アメリカ)
【11月/長○企画】『真夜中の弥次さん喜多さん』(2005年/宮藤官九郎監督)
【12月/守○企画】『ジャッキー・コーガン(原題Killing Them Softly)』(2012年/アンドリュー・ドミニク監督/アメリカ)
といった11作品。
これらの中から第1次選考を行うとすると、『スモール・アパートメント / ワケアリ物件の隣人たち(原題Small Apartments)』、『ハングオーバー!消えた花ムコと史上最悪の二日酔い(原題The Hangover)』、『少年メリケンサック』の3作品が候補作品といったところか。
そして、その候補作の中から栄えある【ましけ映画サークル・仁左衛門賞/2014年】に選ばれたのは、【4月/仁左衛門企画】の『スモール・アパートメント/ワケアリ物件の隣人たち(原題Small Apartments)』(2012年/ジョナス・アカーランド監督/アメリカ)。
おめでとう!!ジョナス・アカーランド監督!!記念すべき第10回目の仁左衛門賞・灰色のモアイ像はあなたに進呈しよう!!
これからも何ともいえない雰囲気のコメディ映画を沢山作っていただきたいものである。
ちなみに、過去の仁左衛門賞受賞作は、
第1回【2005年】『デイ・アフター・トゥモロー(原題The Day After Tomorrow)』(2004年/ローランド・エメリッヒ監督/アメリカ)=守○企画(初)、
第2回【2006年】『ショーシャンクの空に(原題The Shawshank Redemption)』(1994年/フランク・ダラボン監督/アメリカ)=守○企画(2回目)、
第3回【2007年】『トム・ヤム・クン!(原題Tom-Yum-Goong)』(2005年/プラッチャヤ・ピンゲーオ監督/タイ)=小○企画(初)、
第4回【2008年】『地獄のモーテル(原題Motel Hell)』(1980年/ケヴィン・コナー監督/アメリカ)=忠○企画(初)、
第5回【2009年】『アイアンマン(原題Iron Man)』(2008年/ジョン・ファヴロー監督/アメリカ)=長○見企画(初)、
第6回【2010年】『画家と庭師とカンパーニュ(原題Dialogue avec mon jardinier)』(2007年/ジャン・ベッケル監督/フランス)=小○企画(2回目)、
第7回【2011年】『クモ男の復讐(原題『EARTH VS. THE SPIDER)』(2001年/スコット・ジール監督/アメリカ)=忠○企画(2回目)、
第8回【2012年】『リミット(原題Buried)』(2010年/ロドリゴ・コルテス監督/スペイン)=忠○企画(3回目)、
第9回【2013年】『ロンドンゾンビ紀行(原題Cockneys vs Zombies)』(2012年/マティアス・ハーネー監督/イギリス)=忠○企画(4回目)、
といった映画作品で、第10回目にしてようやく仁左衛門企画の作品が受賞作となったのだった。
来たる2015(平成27)年も、楽しいエンターテインメント作品を"ましけ映画サークル"例会で企画したいものである。
(^_^)

真夜中の弥次さん喜多さん

2014年11月17日 | 映画サークル
ましけ映画サークル11月例会(2014年11月11日)は、長○企画の『真夜中の弥次さん喜多さん』(2005年/宮藤官九郎監督)だった。
物語は、「江戸時代。栃面屋弥次郎兵衛(弥次さん/長瀬智也)にはお初(小池栄子)という妻がいるのだが、食客喜多八(喜多さん/中村七之助)という彼氏もいた。弥次さんはドラッグに依存し過ぎて現実世界から乖離している最愛の恋人・喜多さんを何とかしたい一心で、男2人のお伊勢参りの旅を決断する。その"てめぇ探しの旅"に出発した2人を、"笑の宿"、"喜の宿"、"歌の宿"、"王の宿"といった摩訶不思議な宿場が待ち受けていた・・・」という内容。
同題の漫画作品を映画化したのことだが、話を辿れば、江戸時代の滑稽本『東海道中膝栗毛』(十返舎一九/作)が元ネタで、それを現代風にアレンジしたのが本作なのだろう。
喜多さんが金髪だったり、舗装路面の東海道を弥次さんが運転するバイクで疾走したり、役人の行列に現れる幻覚がお昼休みのOLだったりと、最初から無茶苦茶な設定や展開が続き、どうにも入り込めない。
また、阿部サダヲ(金々役)の演技がどうにも好きになれないので、約120分という時間は結構苦痛に感じたのだった。
(-_-;)
本編終了後、これがどう宣伝されていたのかが気になって、3通りの予告編を見てみたのだが、"青春ロードムービー"と謳われたその予告編は「これは是非とも見たいぞ!!」と思わせるような素晴らしい出来栄えだった。
しかし、公開時に映画館でそれなりの料金を払って本作を見た後に「だまされたー!!」と暴れたくなった人も多かったのではないかと思う。
(^。^)
いろいろ調べてみると、「最近の映画って、恋愛映画です、と言われて見に行くと本当に恋愛映画だったりしますよね。それがまぁ、あたり前なんですけど、かならずしもそうじゃない映画があってもいいかなぁって思うところもあるんです」という宮藤官九郎監督のコメントが見つかったりして、「あぁ、これは確信犯だったんだな・・・」と思った。
文化庁の支援を受けているということらしかったが、いいのかね、こんなので・・・。
(^_^;)

少年メリケンサック

2014年07月10日 | 映画サークル
ましけ映画サークル6月例会(2014年6月10日)は、昨年から何となく参加していた長○氏の初企画『少年メリケンサック』(2009年/宮藤官九郎監督)だった。
物語は、「栗田かんな(宮崎あおい)は、臨時社員ながら新人バンド発掘担当として某レコード会社で働いていた。ある日、インターネットの動画サイトで"少年メリケンサック"という4人組パンクバンドを発見し、早速契約せよという時田英世(ユースケ・サンタマリア)社長の肝いりで、意気揚々と出掛けたのだが、連絡された場所にいたのは昼間から焼酎を浴びるように飲んでくだを巻く作並秋夫(佐藤浩市)という落ちぶれた五十がらみの男だった。かんなが見つけた動画はなんと25年前の解散ライブのものだったのだ。しかし、すでに立ち上げたオフィシャルサイトは大人気になってしまっていて・・・」という内容。
インターネット上の情報というのは、日付が入っていなければいつの物なのかマッタク分からないということもありがちで、「実は25年前だった」というのも実際にありそうな話で面白い。
それなりのビデオカメラさえ持っていれば、今は誰でもハイビジョン撮影が出来る世の中だから、もしかしたら100年後のリアル社会で2014年に撮影された映像がマッタク違和感無しに見られているかもしれないなぁ等と思いながら見ていた。
(^_^)
パンクロックという音楽が理解出来ずにいたかんなが、バンドのツアーに帯同しているうちに同棲中の恋人・マサル(勝地涼)が歌う曲をいつの間にかつまらなく感じていって、自分自身がすっかりパンクのような思考になっていくのも面白い。
人の趣味嗜好というものはどんどん変わって行くものなのだ。
(^。^)
バンドの他のメンバー、作並春夫(秋夫の弟/木村祐一)、清水(ジミー/田口トモロヲ)、岡本(ヤング/三宅弘城)も解散ライブのビデオとはすっかり変わり果てた姿になっていたが、25年の時間とはそういうものなのだろう。
移動中の車内の様子が一番面白いのは、パーソナルエリアを確保できない空間に居続けると本音がどんどんと飛び出してくるという人間の本質を、監督・脚本がしっかり押さえているからなのかもしれない。
なかなか面白かった。