仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

SPY / スパイ

2017年07月22日 | ムービー
『SPY/スパイ(原題Spy)』(2015年/ポール・フェイグ監督/アメリカ)を見た。
物語は、「CIAの分析官スーザン・クーパー(メリッサ・マッカーシー)は、バージニア州ラングレーにあるオフィスから、ブルガリアのヴァルナで任務遂行中のエージェント、ブラッドリー・ファイン(ジュード・ロウ) をサポートしていた。ファインはスーツケース型核爆弾の隠し場所を知る唯一の男、ティホミル・ボヤノフ(ラード・ラウィ)を追い詰めていたのだが、くしゃみをしたはずみに銃の引金を引いてしまい、間違ってボヤノフを射殺してしまった。CIAはボヤノフの娘レイナ(ローズ・バーン) が爆弾の隠し場所を知っている可能性があるとし、ファインを彼女の家へ向かわせたが、潜入がバレたファインはレイナにより射殺されてしまう。さらにレイナは、リック・フォード(ジェイソン・ステイサム)等、CIAのエージェントの身元を知っていると発言したことから、その存在を知られていないスーザンがエージェントになり、テロリストとの連絡役、セルジオ・デ・ルーカ(ボビー・カナヴェイル)を監視する任務に就くと申し出るのだった。リックは反対したが、上司エレイン・クロッカー次官(アリソン・ジャニー) はそれを許可。スーザンは変装してパリへと向かうのだが・・・」という内容。
オフィスにいる分析官は、エージェントが目にセットしているコンタクトレンズ型ビデオカメラが映し出した映像をリアルタイムで把握できるし、人工衛星の熱感知カメラによる映像で広い範囲の人の動きも把握できる。
さらに、エージェントとはマイクとイヤホンで会話も出来、危険な時にはドローンからのミサイル攻撃で敵の駆逐も可能という、最新技術を投入した何とも素晴らしいサポート体制なのだが、それに対して、CIAのオフィスは天井裏に沢山のコウモリが住み着くようなお粗末さ。
どうにもギャップが大きい。
初めて現場に出るスーザンは、キャロル・ジェンキンズというIDを支給されるのだが、自分で考えた名前を使ってもらえなかったことから、どうにもそれが気に入らないらしい。
同僚のナンシー・B・アーティングストール(ミランダ・ハート)と、「私ならアンバー・バレンタインという偽名にするわ」「何?アダルト女優みたい」という会話をする場面があるが、この時の会話によると、スパイが使う偽名にはペットの名前と昔の住所を使うという基本があるようだ。
(^_^)
スーザンは、自分のパートナーだったファインを殺したレイナの命を助けることになってしまう。
彼女が死んでしまえば、核爆弾の在処は永遠の謎になってしまうからなのだが、スパイとは何ともつらい稼業だ。
何度も正体がバレそうになる場面があったりと、コメディの割にはとてもハラハラさせてくれる面白い作品だった。

クローサー

2015年06月05日 | ムービー
『クローサー(原題Closer)』(2004年/マイク・ニコルズ監督/アメリカ)を見た。
物語は、「ロンドン。新聞社で死亡記事欄を担当している編集者のダン(ジュード・ロウ)は小説家志望。ある日の通勤途中、信号待ちで一人の女性と出会ったのだが、目の前でタクシーにはねられたその女性を病院まで連れて行く。ニューヨークからの旅行者だというので、治療後はロンドンの街を案内して歩いたのだが、立ち寄った公園でアリス(ナタリー・ポートマン)と名乗ったその彼女といつしか一緒に暮らすことになった。そして、その1年半後、アリスをモデルにした小説を出版することになったダンは、撮影スタジオで出会ったフォトグラファーのアンナ(ジュリア・ロバーツ)に一目惚れする。しかし、ダンはチャットでのいたずらで、医師のラリー(クライヴ・オーウェン)とアンナを引き合わせ・・・」という内容。
退屈な仕事を続けていたダンの人生がアリスとの出会いによって動き出し、上り調子の時にアンナと出会い、退屈を覚えてきた時にラリーの人生と関わることになる。
うまく立ち回っているかのようにも見えたダンだったが、他人の人生を手玉に取るかのような行動はやがて自分に返ってくるようだ。
何ともマヌケな登場の仕方でアンナと知り合ったラリーはダンの一番の被害者だったかもしれないが、最終的には彼が一番の勝者になったのかもしれない。
この物語のキーワードは、開始早々にアリスがダンに向かって使った"ストレンジャー"という言葉だったが、見終わってみると、それはダンではなくアリスのほうだったように思えた。
調べてみると、これは"世界中でヒットした舞台劇の映画化"なのだそうだが、最初はダンの物語と思いきや、最終的に美味しいところはアリスがすっかりかっさらっている。
(^_^)
原作者(パトリック・マーバー)がこの映画の脚本も担当しているらしいのだが、台詞やそれぞれの設定が充分に練られているということなのか、これはなかなかに面白い物語だった。

ホリデイ

2010年11月13日 | ムービー
『ホリデイ(原題The Holiday)』(2006年/ナンシー・マイヤーズ監督/アメリカ)を見た。
物語は、「クリスマス休暇直前。ロンドンの出版社に勤めているアイリス(ケイト・ウィンスレット)は、片思いの相手・同僚ジャスパー(ルーファス・シーウェル)の結婚を祝うコラムを書かされることになる。最も悲劇的な形で失恋した彼女の元に"ホーム・エクスチェンジ"のサイトで彼女の家を見たアマンダ(キャメロン・ディアス)から、"2週間、お互いの家とクルマを交換しないか?"との連絡が入る。アマンダはロサンゼルスに住み、ハリウッド映画の予告編を製作している会社の経営者。同棲している恋人の浮気に傷つき落ち込んでいた。見ず知らずのアメリカ人からいきなりの提案を受けたアイリスは・・・」という内容。
アイリスが住んでいる"ローズヒルコテージ"は、イギリス・サリー州のシェールという小さな村にあるのだが、温暖なロサンゼルスで何不自由なく暮らしているアマンダが、そんな不自由な所に2日といられるわけがない。
少し冷静になれば充分に予測可能な事柄なのだが、元々猪突猛進型のアマンダの想像力は、失恋で大きなダメージを受けていたのだろう。
マイルズ(ジャック・ブラック)が、「サンタアナという季節風が吹くと何かが起きる」と言った後、そのロサンゼルスばかりかシェールでも事態が大きく動き出すのだが、ジュード・ロウ(グラハム役)とルーファス・シーウェルの顔の見分けがつかなかった仁左衛門は、しばらく「???」な感じで見ていたのだった。
(^_^;)
現役時代は映画の脚本家だったアーサー(イーライ・ウォラック)とすぐに友達になれるアイリスは好感度が高いキャラクターで、ケイト・ウィンスレットは役に恵まれている女優さんだと思う。
子役達も良い演技をしていたし、クリスマスが題材のひとつになっているだけあって、心暖まる大人の物語だった。

リプリー

2006年09月22日 | ムービー
『リプリー(原題The Talented Mr. Ripley)』(1999年/アンソニー・ミンゲラ監督/アメリカ)を見た。
この原作は、『太陽がいっぱい』(1960年/ルネ・クレマン監督/フランス・イタリア)と同じく『The Talented Mr. Ripley』(1955年/パトリシア・ハイスミス著)という小説だが、アンソニー・ミンゲラ監督は、「この映画はリメイク作品ではない」と言っていたようだ。
確かに、映画の原題も小説と同じ『The Talented Mr Ripley』というようだから、『太陽がいっぱい』とは違って、原作に近い映画を作ろうとしていたのだろう。
しかしながら、主役のトム・リプリー(マット・デイモン)をはじめとする登場人物や、基本的な設定などは変えようもないので、どうしても『太陽がいっぱい』を知っている人はそれと比較して、「ここはあっちのほうがいいなぁ」「あれはそういうことだったのか」などと思ってしまうのではないか。
ディッキー・グリーンリーフ(ジュード・ロウ)の友人フレディ・マイルズ(フィリップ・シーモア・ホフマン)が太っちょキャラになってしまうのも、何しろ原作が一緒なのだから仕方がないし、同じところは変えようがない。
「リメイク作ではない」とはいえ、『太陽がいっぱい』を見ている人にとってはそれの補完的作品でしかなかったというのが正直なところではないか。
見始めて気がついたのだが、結末は忘れていたものの、この映画を見るのは2回目だった。
(^_^;)
初めて見た時は、『太陽がいっぱい』を見たことがなかったし、それが原作を同じくする映画だとも知らなかったので、純粋に楽しめたのだろう。
「もっと面白い映画のはずだった」と感じたのは、最近になって『太陽がいっぱい』を見てしまったからだろうか。
やはり、どうしても比較してしまうようだ。