仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

クローサー

2015年06月05日 | ムービー
『クローサー(原題Closer)』(2004年/マイク・ニコルズ監督/アメリカ)を見た。
物語は、「ロンドン。新聞社で死亡記事欄を担当している編集者のダン(ジュード・ロウ)は小説家志望。ある日の通勤途中、信号待ちで一人の女性と出会ったのだが、目の前でタクシーにはねられたその女性を病院まで連れて行く。ニューヨークからの旅行者だというので、治療後はロンドンの街を案内して歩いたのだが、立ち寄った公園でアリス(ナタリー・ポートマン)と名乗ったその彼女といつしか一緒に暮らすことになった。そして、その1年半後、アリスをモデルにした小説を出版することになったダンは、撮影スタジオで出会ったフォトグラファーのアンナ(ジュリア・ロバーツ)に一目惚れする。しかし、ダンはチャットでのいたずらで、医師のラリー(クライヴ・オーウェン)とアンナを引き合わせ・・・」という内容。
退屈な仕事を続けていたダンの人生がアリスとの出会いによって動き出し、上り調子の時にアンナと出会い、退屈を覚えてきた時にラリーの人生と関わることになる。
うまく立ち回っているかのようにも見えたダンだったが、他人の人生を手玉に取るかのような行動はやがて自分に返ってくるようだ。
何ともマヌケな登場の仕方でアンナと知り合ったラリーはダンの一番の被害者だったかもしれないが、最終的には彼が一番の勝者になったのかもしれない。
この物語のキーワードは、開始早々にアリスがダンに向かって使った"ストレンジャー"という言葉だったが、見終わってみると、それはダンではなくアリスのほうだったように思えた。
調べてみると、これは"世界中でヒットした舞台劇の映画化"なのだそうだが、最初はダンの物語と思いきや、最終的に美味しいところはアリスがすっかりかっさらっている。
(^_^)
原作者(パトリック・マーバー)がこの映画の脚本も担当しているらしいのだが、台詞やそれぞれの設定が充分に練られているということなのか、これはなかなかに面白い物語だった。