日本の真実

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理研、ヒトES細胞の大量培養に成功

2007-06-12 00:52:58 | Weblog
先月27日、理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの研究チームは、人体の様々な組織や臓器を形成する能力のあるヒト胚性幹細胞(ES細胞)を、従来の100倍以上の効率で大量に培養出来る技術を開発したことを発表しました。27日付の米科学誌「ネイチャー・バイオテクノロジー」(電子版)に論文が掲載されました。
マウスのES細胞は一つずつにばらしてそれぞれ植え継ぐことで、大量に培養出来ますが、ヒトのES細胞は弱く、一つずつにばらすと細胞のほとんどが死んでしまう為、大量に確保するのが困難で、研究の大きな障害となっておりました。
研究チームの笹井芳樹グループディレクターらは、ES細胞内に細胞死を引き起こす酵素を発見し、この酵素の働きを阻害する薬剤を加えて培養すると、ES細胞はほとんど死なず、1個の細胞からの細胞塊(コロニー)形成率が約30倍になりました。
この方法を使って大量培養した場合、計算上1ヶ月で1万倍以上に細胞数を増やすことが可能ということです。従来の方法では1ヶ月で100倍程度だったので、100倍以上の効率化となります。この薬剤は血管拡張剤として既に使用されているもので、再生医療に使用しても安全性の問題は少ないと考えられるということです。
また、この培養方法を応用して、ヒトES細胞から大脳皮質や大脳基底核の細胞を大量に作り出すことにも世界で初めて成功しました。アルツハイマー病など大脳の病気の治療薬開発につながる成果だそうです。
我が国は再生医療分野では世界をリードしていますが、また大きな成果を上げましたね。特に社会問題となりつつあるアルツハイマー病の治療に対して大きな前進が期待出来そうです。更なる研究の進展を願っています。

http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20070528p201.htm
http://www.sankei.co.jp/culture/kagaku/070528/kgk070528000.htm
http://www.asahi.com/science/update/0527/OSK200705270023.html

(信)