二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

そうじゃないのかなあ(ポエムNO.3-18)

2019年10月25日 | 俳句・短歌・詩集
最後の一線を越えてしまったな
もう元へは戻れないだろう。
雲を衝く あんなに高い空の上に住んで
いいことが何かあるんだろうか?

恐るべき高層マンション
わたしは老朽化したときの修理や建替えを考え
地震 台風その他の災害を心配し
犯罪の標的となることを憂慮する。

だって 足が宙に浮いた生活をするわけだ。
鳥もいないし昆虫もいない 非人間的な人工空間。
電力の安定供給を前提にしている
毀れやすい 明日を

よくもまあ 受け入れる人たちがいるものだ。
空のプライベートビーチって
よろこんでばかりもいられまい。
エレベーターが動かなくなったら

・・・と思うとそれだけで足がすくむ。
地価が高いからヤケになっているんだ
そうとしか考えようがない。
昭和のじいさまはあきれ返っている。

あんな途方もないタワーマンション
ニワトリだっていやがるだろう。
新宿 池袋 渋谷・・・ 大都会に何があるっていうの?
いなか暮しをすればいいのに。

隣りにだれがいるか知りもしないで
押し合いへしあい足の引っぱりあい
地表に下りることができず
密閉されたコンテナの中で干からびて死ぬ。

そうじゃないの?
そうじゃないのですかと
ぼくはひそか(だれにもいいはしないが)にあきれ返っている。
そうじゃないの?

そうじゃないのかなあ。

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