二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

驚嘆すべき執念の一冊 ~吉村昭「赤い人」を読む

2021年12月01日 | 吉村昭
■吉村昭「赤い人」講談社文庫(1984年刊) ※原本は1977年筑摩書房 変てこなタイトルだなあと思いながら、書店の棚を前にして数ページ読みはじめたら止まらなくなり、結局買って帰った。 赤い人というのは囚人のこと。朱色の獄衣を着せられているため、作者がそう呼ぶことにしたのだろう。 こういう著作を秀作といっていいのかどうか、迷わざるをえないが、充実した、緻密な小説である。 小説というより、味わい . . . 本文を読む
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