電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

田舎の法事の慣例

2014年05月04日 20時11分40秒 | 季節と行事
これまで準備をしてきた法事が、ようやく終わりました。娘夫婦と孫たちが前夜から泊まっており、朝から賑やかにしているところへ、お客さんたちが次々に訪れます。ご挨拶をしているうちに10時半となり、卒塔婆を持って住職が到着します。お茶をお出しして袈裟に着替えたところで、住職の読経が始まり、それぞれ焼香を行います。

次に、自宅から寺に場所を移し、本堂で読経・焼香を行います。ここでは、参列者も一緒にお経を唱えます。次に位牌堂に進み、位牌壇の前で焼香を行います。さらに墓地に移動して、住職の読経の中、各人が墓石の前に線香を手向けます。参列者が次々に手を合わせている間、施主は一族の墓に線香を手向け、戻る頃に法要が終わりとなります。

その後、予約している割烹に移動、施主が挨拶を行います。そこでは、
(1) 法要への参列の御礼
(2) 供養していただいた仏(故人)の紹介
(3) 施主及び家族の近況
(4) 参列者のご健勝を祈念
などを述べて、住職に献杯の発声を願うというのが主な形式です。

そして、地酒や季節の味のご馳走をいただきながらしばし歓談、施主は参列者に感謝を述べながら飲み物を注いで回ります。一時間ほどで住職は帰りますので、お布施と卒塔婆料、お車代などをおあげします。住職が帰った後も、しばらくはなごやかに歓談、頃合いを見て御一同様にお礼を申し述べ、自宅へと案内します。自宅では、内輪の人たちがお茶で休憩し、お土産を持たせることになりますが、それぞれ迎えの車を待ったり、電車の時刻に合わせて帰って行きます。



このような形で、法要及び会食をまとめて、田舎では「法事」と呼びならわしております。七回忌を過ぎれば、十三回忌や十七回忌は家族のみで行い、大きな区切りとなる三十三回忌には、亡父の弟妹ならびにその配偶者が参列することはかなわないことでしょう。それぞれに再会を喜びながら、今回が最後だろうと言っておりました。実際、80歳を超えた年齢からも体調からも、おそらくそのとおりだろうと思いますし、そういう私自身が26年後に生きていられるかどうかも不確実なのですから、先のことを思いわずらっても仕方がないでしょう。文字どおり、今日の糧に感謝し、明日の幸いを祈るばかりです。

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