箕面の森の小さなできごと&四季の風景 *みのおハイキングガイド 

明治の森・箕面国定公園の散策日誌から
みのおの山々を歩き始めて三千余回、季節の小さな風景を綴ってます 頑爺<肇&K>

勝尾寺 まだでっか?

2020-09-30 | *編集・秋/9月

勝尾寺 まだでっか?

 今日は箕面・外院から旧参道を上り、勝尾寺山門前から

自然5号路に入りました・・・

お寺のゴ~ンという鐘の音を聞きながら松林を通り、気持ちのいい

散策路をゆっくりと歩きます・・・

 

  コツン・・・ うん ? 

急に頭の帽子の上に何か落ちてきました・・・ 

足元を見るとドングリです・・・

手にとって見ると青いドングリが、カワイイ帽子をかぶっていて、

まるで小さな赤ちゃんのようで初々しい姿を見せています・・・

早速ポケットに収納しました・・・ 

ドングリの命は地面に落ちたままだと乾燥に弱い為に1~2週間と

聞きましたから、今日帰ったら早速、庭に埋めてやりましょう・・・

今までそうやって春になると可愛い新芽が顔を出すのを楽しみに

してきました・・・

それから2~3年して大きくなったら、また森に持っていって、

日当たり良い場所に植えてやるのです・・・ 

もう何本も巣立っていきましたよ。

 

シバグリの小さな青いイガが落ちていて、中を見るとクリは無く、

早くも動物の食事に供されたようでした・・・

暑い暑いといいながらも、箕面の森も急に秋の装いを始めたよう

ですね・・・

そんな森の変化を楽しみながら、やがて坂道を下ってきました。 

右下の谷には「八天杉増長天の石蔵」 なる古墳があると言う所。 

  (私はまだその谷下へ下りたことはないのですが・・・) 

この辺かな?  と、覗いて見ているときでした・・・

 

下のほうから フ~フ~ フ~ と言いながら10数人の団体さんが

上がってきました・・・

 

  「こんにちわ!」

    「うん?  ああ~」

 「こんにちわ・・・」

     「  ・・・  ・・・  ハ~ 」

 

おかしいな?  

皆さん会社帰りのような格好で、男性は黒い革靴にネクタイ姿、

この暑いのに背広を片手に持っている人もいます。 

女性もハンドバックを片手にビジネスシューズです・・・ 

何か 研修会の帰り・・・? といったような印象です。

それにしても、ろくに挨拶の返事もなく、感じの悪い人たちです・・・

リュックを担ぎ、山歩きの格好をしている私のほうが、なぜか逆に

場違いの錯覚をしてしまいそうです・・・ 

 

    「 勝尾寺 まだでっか・・・」 

 

一番最後を上ってきたフ-フ-顔のメタボおじさん(失礼!)から

声がかかりました・・・

私は少し考えてから・・・ 

   「そうですね!  これからしばらく上り坂が続きますが、

    その先は比較的平坦で気持ちのいい道ですよ・・・ 

      突き当たったら左のほうへ、そしたら石段があり、約2-300段

    下ったら勝尾寺の正門前にでますが・・・ 

    約3-40分ぐらいでしょうか・・・」

私はおじさんの歩き方から、少し余裕を持って時間を言いました・・・

 

    「 エッ  ウッソ!  ほんまでっか? 

      そんなん かなわんな・・・ 

      リーダーはすぐそこや! 言うんでついてきたんやがな! 

      それに、この道行くと勝尾寺の裏側に出て、

      入場料 タダになるいいまんねん・・・ 

      みんなでチャーターバスわざわざ降りてついてきた

      のにな・・・

      しんど!  もうあかんわ・・・」

 

そう言いいながらも、一人後ろに取り残されてあわてて

 よっこらしょ! と、渋々追いかけていきました。

 

 (勝尾寺の裏山に出る道は、実はこの道ではなく自然4号路から

  ですから、そのリーダーはどうやら右と左の入る道を間違えた

  ようです・・・)

私は自然5号路を下り、府道にでると、すぐ前の自然4号路に入り、

勝尾寺から東海自然歩道方面に向かいましたが、気になって仕方が

ありませんでした。

 

どこからお見えになった方々か分かりませんが、せっかく箕面の森

散策を楽しまれるのに、いい思い出を残して欲しいと思ったから

です・・・

追いかけて行ってでも、道が違う事を言うべきだったのか・・・?

しかし、挨拶もろくにしないような偉そうな? 自信たっぷりの感じの

リーダーでしたから、聞く耳を持ったかどうか・・・?

それに、人から聞かれないことに、余計なお節介はしないほうが

いいのでは・・・ と?

いずれにせよ勝尾寺へは出ることが出来るのですから・・・ 

但し、タダの裏山からでなく、入場料の必要な正面に出るだけの違い

ですが・・・ 

 

それにしても今頃、あのリーダーはどんな弁解をしているので

しょうか?

それに、あのドンベイのメタボ男性は (またも失礼!) 

無事ついたでしょうか? 

汗ビッショリの姿を想像するだけでも、お気の毒です・・・ 

 

しかし、そんな事を考えながら気もそぞろで、黙々と歩いていると、

私の心には何も森の印象が残っていませんでした・・・

今日、私はどこを歩き、どこの散策を楽しんできたのでしょうか・・・?

景色も風情も、こんなに印象の浅い森の散策もまれでした・・・

不思議なものですね・・・ 

  「勝尾寺 まだでっか・・・」 

この一言の方が、印象深い一日でした。 

’13 9・30

 

 


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秋の高山・風情!

2020-09-30 | *編集・秋/9月

秋の高山・風情!

 今日は明ケ田尾山(619.9m)の山頂で昼食にしました。

ここは箕面市と豊能町・高山との境界線上にあり、山頂の一角だけが

樹木を伐採しているので、そこだけが森の中でぽっかりと穴があいた

ように見えます。

真っ青な空に所々に綿雲が漂い、穏やかな秋空です。

 

途中で二人連れの同年輩の女性に出会いました・・・

挨拶を交わしただけですが、二人とも笑顔で、生き生きとした表情が

印象的でした。

友と親しみ、山歩きを楽しみ、お喋りに花を咲かせながら、

季節の自然を愛でる・・・  

そんなお二人の自然体が心に残りました。

 

今、中高年のハイキングブームとかですが、先日のTV中継では

何百人と列を作り、前の人のお尻ばかり見ながら登っている姿を

放映していました・・・

これでは心斎橋の地下鉄階段と同じだ・・・! と、一人つぶやいた

ものです。(笑)

そんなに沢山とでなく、数人の気の合う仲間や友人と、気ままに

ゆったりペースで,道草などしながら山を歩き、森の散策を楽しむのも

いいものです・・・

 

私など、頑固で、意地っ張りで、ワガママで、自己中心的なので、

もっぱら一人歩きが合っています・・・(笑)

何しろ自然が相手だと素直に、謙虚にならざるをえず、人智を超えた

不思議な体験などを通して、山や森や自然界に畏敬の念をいだく

ようになると、少しは人間的に丸みを帯びてくるように思うのですが、

人間界に下りてくるとすぐに元に戻ってしまいます。 (笑)

 

近くで何台かのバイク音が?  まさか?  聞き違いかな?

それとも下の府道から風に乗って聞えてきたのかな・・・?

しかし、それは高山へ向う山道に出た時に分かりました。

この細いV字谷は山水が少し流れ、小岩が多いので歩きにくい

山道ですが、その谷間にくっきりとバイクタイヤの跡が残っていた

のです・・・

最近は、山を自転車(マウンテンバイク)で走り回る趣味の人も多く

いてよく出会いますが、爆音のエンジン音とガソリンの匂いを撒き

散らして走るオフロードバイクは、森の中ではいただけません・・・

私は生理的に苦手なので、一人文句を言いながら山を下りました。

 

小高い丘の上にあるキリシタン大名・高山右近の生誕地石碑の前に

つき、その横のモミジの木の下で一休みにしました。

汗をかきながら下ってきたので、木蔭の風が涼しく心地のいいこと・・・

思わず大の字になって寝転がってしまいました・・・ (笑)

真っ青な空に浮かぶ フワ フワ の白い雲を目で追っかけていると、

いつしかウトウトと眠たくなってきました・・・ いい気持ち!

 

賑やかなヒヨドリの鳴声に我に返って起き上がると、畑の横にコスモス

が色とりどりに咲き乱れています・・・

その前にはカンナ、ケイトウ、ホウセンカ、オシロイバナ、サルビア

などが咲いています。

畑にはナス、キューリ、トマト、かぼちゃ、オクラ、ピーマンなどが実を

つけています。

昔ながらの独特の農家の家屋を見ていると、本当に懐かしい田舎を

思い出します。

軒下にはタマネギが束ねてぶら下がり、漬物にするのか大根を干して

いる所もあります・・・ いい風情です。

 

この地は都市近郊の過疎地とかで、人口は数百人で年寄りが多く、

店舗も一軒としてなく、バスも一日2本ぐらいでは、村を構成していく

のは難しいのかな・・・?

しかし、車で20~30分も走れば箕面や千里の都市に出られる事を

思えば、住む環境にはいいと思うのですが・・・?

 

人影の見えない村落に、一台のライトバンが入ってきた・・・

見ていると、助手席からカバンを抱えた女性が出てきては、点在する

家屋を一軒一軒回っている・・・

介護などの見回りの人にも見えず、何か御用聞きかセールスかの

様子です・・・?

でも、留守の家が多いのか、すぐに立ち去っていきました。

箕面の隣村であっても、この環境の違いには驚きますが、

私などはワク ワク するような夢空間に映ります!? (笑)

過疎地の不便さはあっても、この豊かな自然は変えがたいものが

あると思います。

 

ゆっくりと腰をあげて鎮守の森のある棚田へ向います・・・

すると途中で ビックリ!

昔の高札場のある裏山から一匹のキツネがでてきて、私を見ると、

また山へ戻っていきました・・・

私は化かされないように、ホッペを少しつねってみましたが・・・(笑)

 

やがて稲田に出ると、これも ビックリ!

もう稲刈りが終わっている田、今まさに家族総出で刈り取っている田が

あり、昨日見ていた箕面・新稲や外院の稲はまだ青々としていた

ので、その早い収穫作業には驚きです。

紅色鮮やかな畦道の彼岸花が、郷愁を誘います・・・

もう柿の実が黄色く色づいているし、農家の横にあるクリノキには

イガがはじけ、大粒の栗が顔をのぞかせています。

そんな木の根元に 白い彼岸花 を見つけてこれも ビックリ!

珍しい白い彼岸花を先日TVでみて、いつか見てみたいと思っていた

ので、こんなに早く地元で見つけられてラッキーです。

 

山手の小道から、急に二人の女性ハイカーが下りてきました・・・

見ると、昼前に出会った方々で、手に草花を束ねています。

・  こんにちわ!  あれ?  この先に道がありましたっけ?

  *  こんにちわ! 先ほどもお会いしましたわね・・・

      ええ、この先に何かあるかしら・・・? と、登ってみたものの

      途中で道が途切れていましたわ!

      それにクマでもでそうな雰囲気で、怖くなって戻ってきま

      したの・・・ ハハハハ

 

そういえば、昨日のこと・・・

同じ地名で、岐阜県高山の乗鞍スカイラインの畳平パーキングに

クマが現れて、9人が重軽傷を負ったニュースがあったばかりです。

この高山周辺でのクマ情報はありませんが、やはり緊張します。

 

山裾にはキリン草、えのころ草、リンドウ、黄色いオミナエシ、

オヒシバ、タテノ花、野菊、センブリ、じゅず玉、などの野草が・・・

それに紅葉したドウダンツツジ、ハゼ、サクラ、ヌルデ、ウルシなどが

彩りを添え、ススキが白い穂を傾けています。

 

秋の風情を存分に楽しんだ、高山の村落でした。

 09-9-20 (完)

 

      

 


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団塊世代の夫婦型・・・箕面の森の中では!? 

2020-09-29 | *編集・秋/9月

団塊世代の夫婦型・・・箕面の森の中では!?

 今日は趣向を変えて、私が箕面の森の中でお出会いする自分と同年配

方々、団塊の世代のご夫婦を何気なく観察した結果を、勝手に分類

してみたできごとをお話してみましょう。

 

* 私見ですから参考にもなら無いと思いますがね・・・ (笑)

 

 ・ (亭主関白型)

 

森の中でご主人がさっさとマイペースで前を歩き、後ろ100mも離れて

奥さんがフーフー言いながら付いていっている姿を見かけます。  

たまにお見受けします・・・

奥さんはもう二度とご主人の山歩きなんかには付いて来ないだろうな? 

思いながら見ていました。

 

また、森のベンチでご夫婦でおにぎりを食べていても家の延長でしょう

か・・・? 

お茶! つけもん! タオル! あれ! これ!  と、家と同じで奥さん

みんな指図している旦那さんも見ました。

奥さんも山まで来て おいお茶! ばかりでは気が休まりませんね。

(このような亭主関白タイプのご夫婦は全体の10%ぐらいかな?)

 

・ (仲良し感覚型)

 

お二人とも山、森、植物、鳥、昆虫や森の動物達など自然が大好き・・と

趣味を等しくするご夫婦・・・ いいですね!

感覚や感性が似ていて共感ができるご夫婦・・・。

服装のイメージがよく似ていて雰囲気が合っている方たち・・・!

適当に距離感があると思えば、気軽に手もつなぎ、お二人とも自然体で

自然を満喫されている方々。

(こんな仲良し感覚の方は、中高年では全体の30%ぐらいかな?)

 

・ (奥さん上位型)

 

どうも長い間の結婚生活にいろいろあって奥さんに主導権が移って

しまったような感じのご夫婦。

家庭と同じような力関係が山や森の中でも出ている感じです・・・

概して奥さんの方が元気で声が大きいのが共通していますね。

(全体の40%・・・ 最近は多く目にします)

 

 

・(その他)

 

上記のジャンルに入らないご夫婦。

(20%位ですね・・・

さまざまの方がおられますから分類はいつかその内 ?) 

 

今日は一つその ・ 奥さん上位型 の中でも強烈な? 目撃談をご紹介

ましょう。

 

箕面・外院の帝釈寺から勝尾寺への道のりは、昔の旧参道の山道を

通りいくつかの山越えをしなければなりません。

私が旧参道とウツギ池の西先と合流するあたりの見晴らしのいい

第三ベンチで休憩をしている時でした。

一組の私と同年輩位のご夫婦が上がってこられて隣のベンチに座られ

ました。

 

「 貴方ね・・・ 早いのよ・・・ 少し私に合わせて歩きなさいよ・・・ 

足は短いのにこんな時は早いんだから・・・ 

ほんとにもう・・・ せっかちなんだから・・・

貴方がいい所だと言うので付いて来たけど・・・ 私ならもっといいコース

を選ぶわよ・・・こんな所!

 

それ何みてんのよ?  スミレ?  そんな足元ばっかり見てないで・・・

ホラ!  あの山腹に何か咲いてるわよ・・・ 双眼鏡で見てみて・・・ 

山桜? 

ほらきれいじゃない・・・ 先を見なさいよ先を! 

仕事でも先を見ないで、足元ばかり見てるから失敗ばかりするのよ・・・

 

ノロマでしょ・・・ 不器用だし・・・ 小さい事ばっかりに気を取られてね・・・

私のようにいつも先を見ないのよね・・・ 

仕事も一緒!  あなた見てるとほんとにもう嫌になるわよ・・・

 

貴方! 何よその服・・・ 

よく見たらそんなの着てきたの・・・ 知らなかったわ・・・

センス ゼロね・・・

私と一緒に歩く時は服も少しは私に合わせてよね・・・ 

ダラダラしないのよ!

 

なに?  もうパン食べたの・・・ なんでも私に合わせなさいよ・・・

早すぎるのよ・・・ 夜もそうだけど (小さな声で・・)  クスクス・・・(笑)

 

お茶 頂戴!  (旦那さんが飲んでいたペットボトルを渡すと・・)

貴方の飲んだ後で嫌だわね・・・ 不潔!  やあ汚い!  

後で口の中を消毒しなくちゃ!  まあいいわ!  

(みんな飲んでしまった・・)

 

ほら! あの木の上よ・・・見えない?   

しっかりしなさいよ・・・見えるでしょ! 

鳥・・・トリよ!  あれ何のトリ?  スズメじゃないみたいよ・・・  ?

いつも一人で山歩いてて・・・そんな事も分からないの? 

私を連れてくるならもっと勉強しなさいよね・・・

 

さあもう立つわよ・・・ いつまでも座っているとお尻に根が生えますよ・・・

次はどっち?   私が先に歩くわ・・・! 」

 

 

この間 10分足らず・・・

私はいつの間にか帽子を山道に投げつけていましたが・・・

  

 

「川柳」 に こんなのがありましたよ。

 

・  気が付けば 釣った魚に 養われ      (実感ですね!)

・  三権は 分立どころか 妻のもの      (そのとおり?)

・  気が付けば 手綱に化けた 赤い糸    (ポチですね!)

 

・  妻の字が 毒に見えたら 倦怠期      (なるほどね!)

・  耐えてきた そう言う妻に 耐えてきた   (そうなんですか!)

・  ハズバンド ハズを取ったら ただのヒモ   (嫌ですね!)

 

・  赤い糸 やがて夫婦は コードレス      (糸なしですか?)

・  三つ指を ついた家内の 夢をみた 」    (夢ですね・・!)

・  お互いが 無期懲役と あきらめる 」   (うん のつきですね!) 

 

そして今日のきわめつけは・・・

・  ついてこい 今ではオレが ついていく    (ちょっと・・!)

 07-9・28(完)


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森の癒しは私だけ・・・?

2020-09-28 | *編集・秋/9月

森の癒しは私だけ・・・?  今日は滝道の瀧安寺東から化石谷を上り、望海展望台から才が原林道に 

出て才が原池で一休み・・・谷山谷を回り二十二曲がりを下って箕面・白島に

 

出る予定のコースです。

 


私は一週間に1回から2回位の森の散策ですから、時には待ち遠しくて

その日は飛んでいく時もあれば、何となくストレスいっぱいで嫌々ながらも 

義務感のように出かけて行く時もあり・・・その日の朝の気分でまちまちです。

 


今日までに私が箕面の森を歩いた回数はまだ500回足らずですが・・・

 

(私の知っている方は40年で箕面の森の散策に4000回以上とか・・・

 

すごいですね!)

 

 

 

私が森から帰路に着く時はいつも毎回感じる事があります・・・

 

 

 

 「ああ! 今日もよかったな・・・ いい一日だったな!」 と、いつもそう思う

 

ことです。

 

 

 

厳しい冬も、暑い夏も、どしゃ降りの豪雨に見舞われても、お猿さんに

 

おしっこをかけられても・・・(笑)  

 

一度として山や森に裏切られた思いはありません・・・

 

いつも心癒されて晴れ晴れとした満足感で家路につくのです。

 

 

 

 

 

会社を持ち、仕事人間から引退して隠居生活に入ったとたんにうつ状態に

 

陥った私は、近くの箕面の山歩きをすすめれ、渋々気の進まないままに

 

一人森に入っていったのが7年前の事でした。

 

初めての日の感激と衝撃は今でも忘れられません・・・

 

まるで別世界に入ったようで、まさに私のパラダイムの大転換の時でした。

 

 

 

それ以来、無趣味だった私に 「箕面の森の散策」 が初めての趣味といえる

 

ものになったのでした。

 

 

 

 

 

今日は久しぶりに二十二曲がりを下っていると最近作られたのかな・・・?

 

コナラの丸太二本を横にした手作りで素朴なベンチがありました。

 

前方の樹木が少しカットされて視界が開け、その先には箕面船場、新御堂筋

 

、箕面副都心の萱野地区などが遠望できます。

 

 

 

私はここに座りながら長い間 森の中で浸り、至福のひとときを過ごしました。

 

暑い中にも時折 心地よい秋の涼風が吹き、季節の移り目を実感します。

 

9月の下旬というのにまだミンミンゼミが鳴いています・・・

 

ツクツクボウシもよく鳴いています。

 

目の前の梢にはシジュウガラ・ウグイスかメジロか? ヒヨドリや名前を知ら

 

ない小鳥達が、次々と飛んできます。

 

 

 

目を閉じて耳を澄ますと風の音と共に擦れ合う葉々のささやき・・・

 

微笑んで包み込むような森の温かさ、小鳥やセミの晩夏の森のコンサートも

 

聞こえます。

 

深呼吸をして両手を広げると新鮮な森の空気で胸はいっぱいになり、心の

 

モヤモヤも全て吐き出して再び新しい血が体中をめぐるようです。

 

 

 

私はたまに森を歩いて疲れると大きな木の幹に両手を当てます。

 

ゆっくりと息を全て吐き出した後、根元からゆっくりと木の先端に顔を上げ

 

ながら息を吸い込んでいきます・・・

 

すると大きな樹木の枝葉、小枝から中枝そして幹を通してその木全体の

 

精気がゆっくりと私の両手を通じて私の体全体に満たされ、みなぎってくる

 

のが分かるのです・・・

 

足の指先にまでじ~んとしてしみわたり、疲れがす~と取れますから不思議

 

です。

 

一度、そんな状態でうっとりしていると、後ろを別のハイカーの方が通り過ぎ、

 

首を傾げられた事もありますからなるべく人けの無い時をお勧めしますが・・・

 

(笑)

 

 

 

 

 

こうして森の中で心癒されて、いつも気分よく過ごしているのは私だけなんで

 

しょうか・・・?

 

 

 

 

 

余談ですが、下記は新聞記事から少し目に付いた事柄です。

 

 

 

 (本当に森を歩いて心が癒されるのですか・・・?)

 

 

 

林野庁がプレス発表した内容から、設備的なことですが関連記事が

 

読売新聞に掲載されていました。

 

 

 

 

 

「 林野庁は、森林浴によって健康増進やリハビリに効果が期待できる山林を

 

「森林保養地」 に指定する事を決めた。

 

森林浴の効果を医学的に分析した上で、森林セラピスト(森林療法士)の

 

資格を設け、リハビリの指針となる 「森林療法メニュー」 を作成する。

 

同庁は今年3月、民間企業や医療関係者らによる 「森林セラピー研究会」 

 

を発足させ、千葉、長野両県で実験を行った。

 

結果は分析中だが、森林を歩いた後は、ストレスホルモンの濃度が下がる

 

などの効果が見られた。

 

今後は、森林浴効果の実証を重ねながら、健康増進やリハビリに適した

 

森林を増やしていく・・・・・」

 

 

 

 

 

また、読売新聞(7月4日朝刊)の第一面下の(編集手帳)では・・・

 

 

 

「 古代ギリシャの医聖ヒポクラテスは、人間と自然の調和を重視していた。

 

体内の営みと自然とのバランスが崩れた時、病気になると考えた。

 

そうであるならば、生活に追われて疲れた現代人が病気になったときには、

 

自然に身を任せるのが一番の ”治療” と言う事になる。

 

 

 

身近な自然の代表と言える森林を、治療に生かそうというグループが誕生した。

 

林野庁、民間企業や医師らで構成する 「森林セラピー研究会」だ。

 

研究会の最大のねらいは森林の癒しや機能の解明である。

 

森林浴がストレス解消になどに効果があることは知られているが、具体的に

 

どのような影響を人体に与えるのか実は翌分かっていない。

 

これが科学的に明らかにされれば精神障害や痴呆などに新療法が生まれる

 

可能性がある。

 

研究会は今後、さまざまな実験を重ね、森の神秘に挑む計画だ。国有林に

 

新しいタイプの「セラピーロード」を造る計画も進めている。・・・・

 

セラピーロードは、現代人の乾いた心を潤してくれるに違いない・・・」 との事。

 

 

 

 

 

話し変って・・・

 

外院方面へ向かう箕面の勝尾寺の山門前の長い石段の中腹に、はじめて

 

聞く言葉が載った看板がありました。 

 

森林浴の案内と共にドイツの 「クナイプ療法」 と言う聞きなれない言葉で

 

した。

 

 

 

早速、調べてみるとそれは歴史のある自然療法でしたので一端を載せて

 

みましょうか・・・

 

 

 

 

 

「 ドイツには100年前から森林散策を用いる 「クナイプ療法」 があり、

 

医師がさらに高度な研修を受け 「クナイプ療法医」 として指導していて、

 

国の保険適用ができているそうですよ。

 

 

 

森林散策の取り入れによる運動療法の疾患例はいろいろあり・・・

 

 

 

例えば 神経症、ノイローゼ、不眠症、便秘、肥満、動脈低血圧症、

 

緊張低下症、血液循環系の疾患、自律神経失調症、末梢神経循環不全、

 

器質性の脈管昨日障害、乾癬・・・などに効果的。

 

 

 

ドイツでは森林散策が心身疾患療法の一環として機能している事を公的に

 

認知されているようです。」 ・・・

 

 

 

 

 

森の散策は私だけでなくその心身に及ぼす効果はどうやら認知されている

 

ようですね。

 

 

 

 

 

さて!  私は腰をあげてまた歩き始めました。

 

二十二曲がりの山道は雨が降るととたんに急流の谷川になるような感じで、

 

岩が削られV字型となった道や荒れた山道もあり足元から目が離せません。

 

ゆっくりゆっくりと下りてくるとやがて医王岩に出ました。

 

そして薬師寺が見えると大宮寺池などの横を歩いて白島へ到着です。

 

ここから西へ、被昇天学院の前を経て、箕面の駅へ戻ったのでした。

 

 

 

今日もゆっくり、のんびりと楽しみ 心癒された良い一日になりました・・・ 

 

足は痛くとも、心は大満足です!

 

 

 

 

 

07-9・24 (完)




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一歩違うと別世界・・・!

2020-09-27 | *編集・秋/9月

一歩違うと別世界・・・!

 瀧道の落合橋からしばらく大瀧の方へ歩いていくと、右手前方に赤い

「つるしま橋」が見えてきます・・・ 

真緑あざやかな樹木の間から赤い橋が良く目に付きます。

 

今日は朝から30℃を超えて暑く、涼を求めて久しぶりに私の好きな

ビューポイントへ向かうことにしました。

つるしま橋の袂にはWCがあり、その横から川原に下ります。


大きな岩がゴロゴロしていて、水量があるときは渓流の岩しぶきが

上がり、そんなダイナミックな光景が好きな私はしばし見とれて

しまいますが、今日は雨が少ないのか穏やかな流れです。

つい先週までは、この岩場で夏休みの子供たちが裸になって

サワガニやカワムツを探したり、川トンボを追いかけたりして賑やか

に川遊びを楽しんでいた所なのに、今日は全く一人もいないので、

否応なしに季節の変化を感じてしまいます。

 

私はここから山裾をたどりながら大瀧方面へ大きく蛇行している川に

沿って岩場を上ります・・・ すべりやすく危ないので慎重に足場を選び

ます。

そして大きな岩場を越えると、もうそこは先ほどの所からは隠れて

しまって、一人シ~ンとした別世界に入った感覚に陥ります。

そこから前方を見ると、川の中央の岩場に高さ20m以上もする

ケヤキの大木が枝を広げて堂々と聳え立っていて圧倒されます。

右側は急な崖、左側の上方には瀧道が通っていますが樹木が生い

茂り、人の姿は見えないので、一瞬深い渓谷に入ってきたような

感じがするのです。

不思議なもので、一歩違う所に入ってきただけで山や森の景観が全く

違う様相です。

 

7年程前、箕面の森の散策を始めてしばらく経った或る日の事です・・・

好奇心もあって、道なき道を恐いもの知らずでどんどん歩き回っていた

頃に、この地を見つけた時の感激はひとしおでした。

今日と同じような夏の終わり頃でした・・・

全く人気のないこの岩場で早速靴を脱ぎ、川面に蒸し暑くなった足を

つけた時の気持ちよさ・・・ 

更に、上半身裸になって水浴びをして汗を流した時の爽快感・・・

大合唱のセミの鳴き声や、岩にあたる渓流の水しぶきの音があった

にもかかわらず、なぜかシ~ンとした森の静寂さを感じたのが

印象的でした。

そして大ケヤキの木蔭に座って周りを見渡すと、その自然の美しい

事・・・

大岩、渓流、飛び跳ねるカワムツ、カワトンボ、サワガニ、沢山の鳥の

囀り、セミ、葉の擦れ合う音、青空、太陽にきらめく川面、風、枝葉の

ざわめき・・・

何を見ても感じても感激でした。

 

しかし、その翌週に再びここへ来た時に事故が起こりました・・・

それは調子に乗って岩から岩へ飛び移っている時、岩場のコケに足を

滑らせて  ゴツン!

大きな鈍い音と共に火花が飛び散り、体が分解しそうになりなり

ました・・・

一瞬何が起こったのか分からない? 

脳しんとうを起こしたのか動けない・・・ 岩に頭をぶつけ、メガネは

飛び散り、血がタラタラと流れ出ている・・・ 

ひどい怪我だ! 焦りました・・・

 

2時間後には箕面市民病院の救急で5針縫ってもらい、無事怪我の

治療を終えましたが、足はしばらくの間ガクガクでした。

あれ以来、無謀だった私の山歩きは、本当に慎重になりました・・・

それまでの調子に乗った高慢さを戒めるいい体験になりました。

余談になりましたが・・・

 

あれからも何度かこの地も訪れましたが、ここ数年はご無沙汰で

した・・・

箕面渓谷の風情は変らずに私を迎えてくれます・・・ 

しかし、しばらく見ないうちに大きく変っていて驚いた所があり

ました・・・

岩の位置なのです・・・。

大きな岩がゴロゴロしているのは以前と変りませんが、その位置が

全く異なっているのです・・・ 

勿論、一つ一つ覚えているわけではありませんが印象が全く違って

いるです。

この数年間に何度も大きな台風や、暴風雨による大雨で箕面川に

大量の山水が押し寄せてきた事もあったのでしょう・・・ 

そこであの数百キロ、何トンもあるような重い重い岩がその水圧で押し

流され、転がり、谷間の景観を変えていたのでしょうね・・・

改めて自然の力にはビックリしてしまいます。

 

急に左上方の瀧道から、カン高いオバサン達のケラケラ声が森に

響き渡って、私はビックリして我に帰りました・・・ (笑)

ここには「修行の古場 休憩場」があり、WCや茶店もあるので人々が

集っています・・・

 

私は渓谷から瀧道へ出る細い小道を上り、手すりを越えて茶店前に

出ました・・・

     *  急に道なき崖下から、人が上がってきはったわ? 

と、あのカン高いオバサン達が口を開いたまま、一斉に珍しい人間

でも見るようにしばし見つめられてしまいました。

やがて・・・  

     *   あの人どっから あらわれはったん ?   

     *   あそこから下見てて 落ちはったんとちがう?  

        そんでな、はいあがってきはったんやで・・・  

        ケラケラケラ ケラケラケラ・・・ それおもろいな! 

 

あのね!  違う、違いますよ!  落ちてませんよ!  

ちょっと・・・!

あわてて こっちもずっこけそうになりました・・・ 

気が弱いので言葉には出せませんが、まるで吉本新喜劇です。(笑)

ここでも一歩違うだけで、全くの別世界がある事を実感しました。

 

それにしても大阪のオバサン達の発想にはものすごいものがあり

ますね・・・   参りました・・・ 

ついさっきの森浸りの世界と えらい違いの異世界です・・・ (笑)

 

 

「 森の中 一歩違うと 別世界 」

「 緑陰の 浸りを破る 高笑い 」   (花詩)

 08-9(完)


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おじいさんとおばあさんの野菜販売所 

2020-09-26 | *編集・秋/9月

おじいさんとおばあさんの野菜販売所

 初秋のお昼前です・・・

私はこの日、鉢伏山から梅ケ谷を通り明ケ田尾山に登って

高山の里に下りてきたところだった。

そして府道茨木能勢腺を清水谷へ向かって歩いていました。

すると間もなく道の空き地で近くの農家の人であろうか?・・・

野菜が無造作に並べられた所を通りかかった。 

 

”こんにちわ・・・”  おじいさんとおばあさんが仲良く並んで

座っている・・・

みかん箱の上にちょこんと座ってしわくちゃの笑顔で応えてくれた。

なんだか嬉しくなって立ち寄ってみた。

 

戸板の上に新聞紙を広げ,野菜をただ並べているだけだが・・・

土のついたまま・・・

虫のついた穴のあいた葉っぱのままに・・値段も 100円と書いた

紙切れが一枚置いてあるだけ・・・

一見、素人の手作りの 粗末なしぐさだけど、なんともいえない

この素朴で温かい雰囲気はなんだろう・・・ と、

心惹かれるものがあった。

にんじん,白菜,大根,小松菜,キャベツ、トマト、ねぎ、きゅうり、

エンドウ、ホーレンソウ、それにシイタケや夏みかんだろうか? 

かんきつ類も少し置いてあった。

今朝自分の畑から採ってきたものばかりとのこと・・・

これをお二人で作っているのであろうか?

 

よく見るとスーパーで並んでいるものと違い、みんな不揃いで

大小さまざま、それにみんな土がついて,葉っぱも付いたままで

洗ってもいない様子。

いずれも畑から採ってそのまま持ってきて並べただけ・・・ 

と言った感じだ。

しかし不思議とみんな嬉しそうな生き生きとした顔をしている。 

”おいしいから・・たべてみてください・・” と おばあさん。 

その横でニコニコと頷いているおじいさん・・・ 

 

すると一台のワゴン車が停まって中から 二人のお子さんを

連れた若夫婦が・・・ 

   ”へ~え!” と言いながら降りてこられた。

とたんに子供が大きな声で叫んでいる・・

   ” おかあさん! このだいこん つちがついてるよ!   

 このキャベツあながいっぱいあいてるよ!  これトマト? 

 おかしなかっこしてるよ!   きゅうりもまがっているし・・・ ” 

おじいさんはそれを聞いてもニコニコしている。

子供はスーパーできれいに並んでいる野菜しか知らないのだ、

大根やにんじん、ごぼうが土の中で育っている事を知らない

子供が多くいることを、何かで聞いた事がある。  

毎日食べているお米が 機械で作るもんだと思っている子供も

いると言うから、この子の叫び声も都会の子には当然なのかも

しれない。

 

もっとも大人でもそうだが、はじめて見聞きすることには戸惑う

ものである。 

いつだったか北海道の民宿で、朝食に出た納豆を開けた

若者二人が・・・

  ” おばさん! この納豆・・ 糸引いて腐っているじゃないか? 

    こんなもの出して・・・”  と怒っていたとか・・・ 

おばさん大声で怒られたもんだから、何事か・・・!  と 

一瞬頭が真っ白になって気が動転してしまった・・・ と、

新聞のコラムに書いてあって, その後の若者二人の姿を

聞いてみたいと 笑ったものだが・・・ 

 

だから、このような自然の作物を自然な形で子供達に見せて

上げられるのは、貴重なことなのかもしれないな・・・ と。 

若いお父さんとお母さんは子供達の叫びを聞いてなにやら

説明をしていたが、やがていくつかの野菜を新聞紙に包んで

もらっていた。 

おばあさんもおじいさんも野菜たちを包みながら・・・

いかにもいとおしそうに・・・

丹精こめて作った野菜たちに・・・ よかったな~ と、言っている

ようで・・・

私にはその別れをおしみつつ・・・ おいしく食べていただく喜び

とが混じった笑顔で品物を渡しているように思えた。 

この若いおかあさんが作るであろう今晩の夕食に、子供達と

どんな会話が交わされるのだろうか・・・ と、何ともほほえましい

光景を思い浮かべた。

子供達がワゴン車に乗り、後ろ窓からバイバイと手を振って

いる・・・  

おじいさんとおばあさんも手を振って見送っている・・・ 

いい光景だな!

 

そんなに車の通る道じゃないので、これを全部売るまでには

まだ時間がかかるかもしれない。

でも、二人はまたみかん箱の上にチョコンと座って、ニコニコして

いる。

素朴で 自然で とつとつとした老夫婦だが、二人の人生にとって

それが 幸せないい間柄だった事を感じさせるものであった。

私はお二人がいつまでもお元気で過ごせるように願いつつ、

会釈をしてそこを後にした。

 

道の先で振り返るとおじいさんが手を振ってくれた。 

しかも葉のついた大根を高くかざして・・・

私は大根に見送られて・・・

それがおかしくて、懐かしくて、温かくて・・・  嬉しかった!

 06-9  (完) 


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