箕面の森の小さなできごと&四季の風景 *みのおハイキングガイド 

明治の森・箕面国定公園の散策日誌から
みのおの山々を歩き始めて三千余回、季節の小さな風景を綴ってます 頑爺<肇&K>

賑やかな森・・・!

2020-08-26 | *編集・秋/10月

賑やかな森・・・!

 私が「望海の丘・休憩所」に到着したのは、午後一時過ぎでした。

遠くからでもよく聞える、賑やかな女性群が昼食中のようです。

近づくと、その近くの隅のほうで、小さくなって? 食事をしている

同年輩の男性と、丁度目が合ってしまいました・・・

お互い会釈すると共に、苦笑いをしてしまいました・・・ 

理由はよく分かりますが・・・ 

 

すでにお昼を済ませた私は、そのまま東の山道へ・・・

すると、まもなくして急に視界が開けて、180度全開の大阪が一望

できる所に出ました・・・ ここはまさに望海の丘です。

今日は見事に晴れ渡った紺碧の秋空です・・・

西の大阪湾の海は、太陽に反射して波がキラキラキラと輝いて

見えます・・・

大型船がゆっくりと動いているのが見えます・・・

手前の伊丹空港からは、丁度大型ジャンボジェット機が離陸し、

エンジンを全開にして上昇していく所です・・・

大阪のビル群、泉南の山々、金剛山、東の生駒山・・・

いつになく素晴らしい景観に感動です。

 

細い山道を上り下りしながら、こもれびコースから、ささゆりコースに

上り、ハート広場に向かっている時でした・・・

急に後方から賑やかな、あの聞き覚えのあるオバさん群の

甲高い声!  

 

      しまった! 

  

道を変えよう・・・と、箕面ゴルフ場沿いの細い小道に避難しました。

しかし、 ホッ! としたのもつかの間、同じ道に入ってきたでは

ありませんか・・・

 

私は観念して?、すれ違いがやっと出来そうな所で立ち止り、

プレイ中ゴルファーを眺めながら、嵐が過ぎ去るのを待って

いました・・・ 

やがてやってきました・・・

10人以上と思いきや、なんと! 4人でした・・・ 

あの賑やかさが、たった4人で・・・? 

 

  「こんにちわ!」

   「うん? ハハハハハ」

  「こんにちわ!」

   「こんにちわ・・・ えらい うるそうて すんませんな!」

      (分かっている人もいるんだ・・・?)

 

  「こんにちわ!」

   「兄ちゃん! ゴルフやりはんのん? 

     あっ!  兄ちゃんやなかったわ   おじさんや!」

 

(あのね・・・ムッ!)  いや、私は言いはしませんが・・・

 

   「あっ そ!  (そして脇の草むらの中を見て・・・)  

     あっ! そこに落ちてるの、ゴルフボールや!  

     拾ろとこ もうけたわ!」

別の人が・・・

   「ちょっとあんた! そこの葉っぱとってや!」

   「これかいな!  なにすんのん!」

   「仏さんにさすんやがな・・・」

   「あんた!  あのオバン 死んで清清したわって言うてた

     やんか」

   「せやかてな、オバンが上から見てるかもしれんからな、

    たまに 格好だけでも拝んだらんとな・・・ 

    化けて出られたら、かなんさかいな!   ハハハハハ」

   「あほくさ!」  

 

私は早く過ぎ去って欲しいな・・・ と、思っているのに、一本の

ヒサカキ木の前で、あれこれと停滞中で動きません・・・

遠くでゴルフ場のキャデェーが ファー ファー と叫んでいます・・・

すると、こともあろうに前のオバサン達の横にボールが落ちて

きたではありませんか・・・ どうやらOBのようです。

それからしばし、賑やかな うるさいオバサン達に捕まった

ゴルファーたちとのバトルはアホらしいので、文章には載せま

せん。

 

この道で昨年の事・・・

ハデな衣装に身を包んだ おしゃべりインコ のような女性二人

連れと出会い、その時のいきさつはこのブログで書いた事が

ありましたが、どうしてこの小道は同じような方に出会うので

しょうか?   不思議です。

しかし、私は大阪のオバサンは、どうも苦手のようです。

 

 

オバサン達がやっと前に進み、右折道に入り、前鬼谷へと下って

いったのを見届けてから、私はまっすぐ違う道に進み、先の

後鬼(ごき)尾根道から下り道に入りました。

この森は尾根を境に北面はうっ蒼とした杉林、南面には広葉樹林が

多く、明るい雑木林と、はっきりと別れています・・・

 

一休みにして地面に腰を下ろし、目を閉じていると、いつもの

森のコンサートが聞えてきます・・・

小鳥、風、葉と葉、小枝、樹木、舞う枯れ葉・・・ それに新しく今日は

秋の虫たちも加わって、素晴らしい自然のメロデイーが聞えて

きます。

 

ゆっくりと目を開くと、木漏れ日に照らされた枯れ葉の上に、小さな

丸い石が輝いています・・・ 異質なのに、とてもきれいです・・・

よく見ると、あそこにも、ここにも・・・ 岩のかけらでなく、丸い石・・・

まるで海にある石のような・・・

そうか!  ここは、何百万年? 前は海底だったんだな!

この近くにある大ケヤキのある所で、海抜460M程なので、海底が

それ以上に隆起したということなのだろうな?

 

私は、丁度足元にあった5cm四方の小さな丸石をそっとポケットに

入れました・・・

森の中で、私の心に響き、感じた時の小石や小岩・・・ 

そんな小さな私のコレクション? が、私の書斎にまた一つ増え

ました。

森の中での出会い・・・ たとえ小石一つでも、私の目と心から

離れない時に、これも一期一会か?  と、持ち帰ってくるのです。

その一つ一つを手にとって目を閉じていると、その時の情景がすぐに

蘇ってきて浸れるのですから、いつも不思議物語です・・・

 

後鬼谷に下りてくると、小さな渓流の響きが心地よく、岩にあたり

白い水しぶきをあげながら流れるこの谷川の音にはいつも

癒されます・・・

足場の悪い道を下りながら・・・

   あっ!  右足が滑った・・・  あれ!?

急に体が右に向いたかと思うとズルズルズル・・・ と、滑り落ち

る・・・

あわてて近くの草木を掴むが、あっという間にバランスを崩す・・・ 

どうしよう・・・!

それはスローモーション映画のように、まるで屋根から飛び降りるが

如く川床へ ドスン!

ビックリ! ドッキリ! だったが、幸い怪我もなく ホッ!

見上げると、小枝にセーターが引っかかったままでした。

 

しかし少し手前だったら、谷下へは7-8Mもあり、しかも大岩が

ゴロ ゴロしていて、とても ホッ! では済まされなかった・・・ 

     ゾ ゾ ゾ!

それを思うと更に ドキ ドキ ドキ・・・ これは警告だ!

山を甘く見てはいけない・・・ いつも慎重に、緊張感を持って、

注意深く・・・   

その上での楽しい森の散策なのだから、改めて気を引き締めて

教訓としました。

 

しばし、落ちた谷川の中を歩き、やがて木漏れ日の差し込む場所に

出ると、そこには真っ赤な実をつけた背丈ほどの木がありました・・・ 

なんの木だろう?

それにしても、森の中で初めてお目にかかる美しい赤色をした

木の実です・・・

なぜだか?  慰められているような気分になる・・・

厳しさと、優しさを持つ生きている森を感じました。

 

 

もうすぐ前鬼谷と後鬼谷が合流する落合谷へ出ようとする時

でした・・・

なにやらまた聞き覚えのある、あの賑やかな金切り声が、森に

こだまして聞えてきました・・・ もう慣れた私ですから・・・?

しばし、一休みをしながら遠ざかるのを待ち、静かな森に戻った所で

腰をあげました。

 

落合橋トンネルを抜け、瀧道にでると、賑やかな人並みです。

ほんのりと薄紅葉してきたもみじも、チラホラと見受けられますから、

もうすぐこの周辺も、あの道頓堀や心斎橋筋並みの賑やかさになる

ことでしょうね・・・

 今日の賑やかさは、そんな予行演習と思えばいいか・・・?  

'13  10/31

 

 


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箕面の森に熊か・・・??

2020-08-26 | *編集・秋/10月

箕面の森に熊か・・・??

 今日、清水谷から自然6号路(四反田谷)を上っている時

でした。

先日、この谷でシカが水を飲んでいる所を見かけたので・・・

今日もいるかな?  と眺めていました。

 

すると、シカではありませんが、何だか? 小さな動物達が谷川の

水辺にいるのが見えました・・・

イノシシやキツネ・タヌキの大きさより小さく・・・ なんだろうか?  

こんな日に限って双眼鏡を入れ忘れて、目視でしか確認でき

ませんが・・・

 

どうやらテンの親子ようです。

車の通る府道から、ほんの10分ほど入った所で、少し走れば

大都心出るとは思えない、豊かな自然の残る森の谷間です。

 

森の谷間と言えば・・・

先日、あたごの森から古参道を上っている時でした・・・

少し、小用を足している時に・・・(失礼!)  

東側の谷間に黒く大きな動物?  の動く姿が目に入りました・・・

なんだあれは!?

一瞬体がこわばり、カメの頭も急に引っ込んでしまうほどでした。

 

数日前に、きのこ採りの人と、山菜取りの人が、別々のところで熊に

襲われて大ケガをしたというニュースを見たところでしたから・・・

それに以前、有名なアルピニストが奥多摩でジョギング中に熊に

襲われて大怪我をし、ヘリコプターで搬送されたニュースも

あったので、瞬時に私の脳が反応したようです。

 

まさか箕面に熊がいるはずもなく?  

大きいイノシシだったのかもしれませんが・・・?

 

私はそれからすぐにリュックを広げ、探し回ってやっと見つけたの

が・・・ 鈴です!

以前、勝尾寺で買ったものですが、余り使った事はなく、リュックの

底に埋もれていました・・・ 

こんな時は、いつも雑多な物を持ち歩いている効用です。

 

チリン チリンチリン・・・  

急に夏の夜店の風鈴のごとく、賑やかになりました・・・ 

人間の出す音を聞いて避ける(逃げる)という熊ですが、どれだけの

効果があるのか分かりません・・・ しかし、ひとまず安心!

 

私は昼間にイノシシに出会ったという事はありませんがが・・・

 (箕面の森から東へ続く 山系の六甲山周辺には、昼間から

  イノシシがでて、ハイカーから餌をもらっているものもいるとか

  聞きましたが・・・ 

  箕面では ”サルに餌を与えないで下さい・・・” との看板標示

  ですが、六甲山では ”イノシシに餌を与えないで下さい・・・”

  との 看板標示あるようですよ・・・ 

  地域によって違うのですね?)

 

しかし、先年の正月の事・・・ 

雪の積もる天上ケ谷を上っていくと、サルの軍団 約100数十匹の

中にいつの間にか囲まれ、群れの中に入ってしまい、立ち往生した

ありました・・・

やがて猿達が移動すると、目の前に同じように立ち往生していたの

か?  

大きなイノシシと、その子供(うりぼー)がいて、取り残されたもの

同士、目がしっかりと合ってしまいました・・・ 

初めてイノシシと対峙し、しばしにらめっこをしていて・・・

と 言うより私は一瞬の金縛り状態でした・・・  恐かった!

やがてイノシシの方がゆっくりと目を離し、山裾を駆け上がって

いきましたが・・・

それこそ猪突猛進されたらどうしよう・・・ と、腰が抜けそうでした。

何も無くてよかったものの、事前に鈴をつけて、人間の存在を

しっかりアピールしておくべきだったと反省したものです・・・ 

 

森の中で、小さな可愛いリス(ホンドリス)はよく見かけます・・・

目の前で、時には高さ30余Mにもなる杉の木立を、一気に駆け

上るショー? を 見せてくれるときもあり、楽しいものです。

 

野ウサギが、急に飛び出してきたこともありました・・・

この時も小用中でした(失礼!)が、余りの不意打ちに、驚いた

カメの急に引っ込んだまま、しばらくは出てきませんでした。 

一番リラックスしている時ですから、そのビックリ驚く気持ちも分かり

ますが・・・    何の話!?

 

そんな事を思い出しながら、箕面ビジターセンターへ戻り、

「箕面の森の博物館」で休憩しながら、何気なく動物の剥製を

見ている時でした・・・ 急に思い出しました・・・

 

そう言えば、何年か前に、”箕面に熊 現われる!” の見出しで、

大きく新聞で報道された事を思い出し、当時の新聞を資料として

ここに置いていないか? 

早速、センターの係員に聞いてみました・・・

 

すると、「 そうでしたね・・・ 新聞は資料として確かに置いてました

が、一昨年に処分してしまいました・・・ 

熊が現われて大騒ぎになったのは、私の着任前ですから・・・ 

約10余年前ぐらいでしょうか・・・ 

それ以来、箕面に熊! は、聞きませんね・・・ 」 との事でした。

 

最近、熊は現われていないとの事で一安心ですが、確かあの年は

暖冬で、冬眠できない熊が、餌を求めて南下してきたのでは・・・?

と、地球温暖化の記事が併載されていたように思います・・・

今年も暖かいようですから・・・ 何となく気がかりです・・・ 

 

森の中も、秋の収穫の季節を迎え、沢山の実がなっています・・・

春や夏に花を咲かせていた木に、実りの秋がやってきました。

今年は森の実りは豊作のように見えますが、どうなんで

しょうか?

 

ヤマグリ、ヤマガキ、ヤマナシ、ギンナン、ガマズミ、アケビ、

ヤマブドウ、ムラサキシキブ、マンリョウ、ネズミモチ、ゴンズイ、

マユミ、ツルウメモドキ、イイギリ、サネカズラ・・・ いっぱいですね。

 

まさに森で一番食糧が豊かな時期を迎えたので、動物や鳥、昆虫も、

生きもの全てが、森の恩恵に授かる時期が来たのでしょうね・・・

特に、これから冬眠する熊たちにとっては、沢山食べて、寒い冬に

備えなければならないので、まさに生き抜くための死活問題なの

ですね・・・

 

足元のアリ達が、活発に動き回って、働いている姿をしばらく眺めて

いました・・・

それなのに横の草むらからは、ノンビリと演奏にふける楽しそうな

キリギリスの音も聞えてきます・・・

子供のころはよく 「アリとキリギリス」 のイソップ物語を聞か

されて、アリさんのように、せっせと毎日働く事の大切さを、教え

られてきたものです・・・

  ( 最も近ごろは、この童話にも逆説があるようで・・・ 

    遊んでいたキリギリスの方が大成功したとか?  

    そんな本を見ましたが、何がいいのか、人生は分かり

    ませんがね・・・ )

 

気象庁の発表した長期予報では、今年の冬は暖冬とか・・・

となると、寒暖の差が激しいほどきれいだと言う箕面のモミジも、

鮮やかに紅葉が映えないかもしれませんね・・・ ? 

それでも確実に、やがて寒い冬はやってきます・・・

 

 

森の生きもの達が、冬支度に奔走しているこの時期・・・ 

それを横目で見ながら、そんな秋の風情をノンビリと楽しむ

私などは、さしずめ古いキリギリスの部類なのでしょうね・・・?

 

 

 

   秋の森生き物たちの賑わいに    

   切り株に熊かと思い後ずさり 

   秋風情枯れ葉踏みしめ想う雲   

   アリさんよ暖冬だとよキリギリス      (花詩)

'13  10/28

  


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箕面ビジターセンター前から秋を歩く!

2020-08-26 | *編集・秋/10月

箕面ビジターセンター前から秋を歩く!

 キンモクセイの強い芳香が街中に漂う季節ですね!

今日は箕面ビジターセンター前からのスタートです。

 いつになくハイカーの方が多いと思って見ていたら、

「箕面の山パトロール隊」の腕章をつけた方々がいます。

今日は恒例の「自然を楽しみながらクリーンハイキング」の日

なのでしょうか?  ご苦労様です。

 

自然4号路を上り、かんたん橋を渡ると、もうすっかりと秋の

光景です。 山道を木漏れ日が照らし迎えてくれます。

   コン コン コン! 

耳を澄ますと森の大工さんのコゲラが木をつついています。

 

黄葉になったリョウブ、ホウノキ、ヤマザクラ、コナラ、

イタヤカエデ、カラスザンショウ、アカシデなど等が、

美しい秋の風景を見せてくれます。

ヤマガラ、エナガ、シジュウガラやメジロたちも賑やかに

さえずっています。

 

ハラ ハラ ハラと落葉があり、見上げると秋風が梢をゆらし、

樹幹を抜けてくる風は、汗をかいた肌に心地いい・・・

しかし、途中のベンチで一休みをしていると、その風も冷たく感じ、

腕の裾を下ろし、服の襟をたてるほどです。

でも、リュックから珈琲ポットを取り出し、温かい一杯の珈琲を

飲むと、もう私の至福のひと時です。

 

見上げると、森の樹間から青空が見え、真っ白い雲がゆったり

浮かんでいるのが見えます・・・いい気持ちです。

このいい季節に、この森の光景を独り占めするなんて!

本当に贅沢なことです。

 

薄暗い杉林の中を歩いていくと、上空が火事の炎のように赤く

なっています・・・ 何だろうか?

双眼鏡で覗いてみると、どうやら紅葉した蔦?のようです。

朱紅葉が、太陽に反射して美しく輝いているのです・・・

それにしても20数m以上の杉の木の天辺まで、よく伸びていった

ものです・・・驚きです。

しばし腰を弓なりに反りながら、その紅葉を楽しみました。

 

すると、そんな私を見ていたのか?

前から来た一人の女性ハイカーの方に、笑われてしまいました。

その方は両手にゴミ袋とカネバサミをもっていて、森を歩きながら

ゴミ拾いもされているようです。

私は思わず・・・ ご苦労様です! と。

 

勝尾寺の二階堂前のベンチで、秋の風情を楽しみながら昼食を

すますと、裏山から東海自然歩道まで登りました。

勝尾寺周辺には保護樹林が多くあり、ヒノキ、クスノキ、モミ、

カヤ、アカガシなどの大木があり、私はそんな巨木の霊気から

精気を貰うのです。

 

東海自然歩道の合流地点に出ると・・・

一人の青年に道を尋ねられました。

地図本を片手に首を傾げながら・・・

 

      *  スイマセンが・・・この道はどこへ?

 ・  この道は最終、東京の高尾山までつづいていますが、

   この先は北摂霊園から茨木の泉原へ・・・

   ところでどちらへ行かれる予定なのですか?

      *  予定はないんですが・・・

         たまたま今日始めて地図を見て箕面に来たんで!

 ・  箕面駅からここまでその地図で来られたのですか?

   すごいですね!

 

私はその感覚と健脚に感心してしまいました。

 

      *  しかし良いところですね・・・

         もうすっかり気にいってしまいました。

         そろそろ戻ろうかと思いますが、この道の右と

         左とどっちがいいでしょうか?

 ・  右(北)は自然8号路から清水谷へ・・・

    植物に興味があると面白いですよ。

    左(南)は勝尾寺から、この道と併行して自然四号路が

    あり、気持ちのいい散策路ですよ!

 

私は道を訪ねられた方にお渡ししている、自分のオリジナル

箕面の森の散策マップを示しながら説明をしました。

 

 ・  そうですね! 

    初めての箕面なら、この南のルートをお薦めします。

      *  ありがとうございます。

         それならこっちの方へ行ってみます。

         今度はゆっくりと計画を立てて来ます。

         ご親切にありがとうございました。

 

礼儀正しい、気持ちのいい青年は、いま私が上ってきた道を

下っていきました。

 

      *  本当にここはいい所です! 

 

と。青年の実感のこもった感激の言葉に、私も嬉しくなりました。

 

 

最勝ケ峰(535.5m)で一休みにした後、開成皇子の墓碑横を

通ると、紅葉したヤマザクラの木が一本だけ、燃えているように

紅く染まっていました。

私は岩山を下ると、分岐点から北の清水谷林道へ下りることに

しました。

 

それまでよく整備、手入れされた自然4号路などと違って、

この周辺はやはり放置された間伐材、倒木、枯れ枝葉が積み

重なり、斜面の山道を覆いふさいでいて道が分かりません。

やっとの思いで下にたどり着いたものの冷や汗ものでした。

谷川を渡ってやっとの思いで林道にでると、一本のスギの木が

倒れて道をふさいでいます・・・

どうやら倒木は直近の出来事の様子です。

 

 

しばらく歩くと目の前に動くものが?

顔を上げると、すぐ手前を大きな猿が一匹、ゆっくりとこっちを

見ながら横の森へ入っていくところでした・・・

突然で一瞬ビックリしたものの、今まで一匹猿のいろんな姿、

表情を森の中でいろいろと見てきただけに、同類相憐れむ?

の感がしてしまいます。

 

箕面名物のもみじの紅葉も、一部の葉が色づきかけている

ものの、まだまだこれからの様相です。

でも、野菊のヤマシロギク、リュウノギク、ノコンギクが咲いて

います・・・ヨシノアザミやアキノキリンソウ、それに私の好きな

アケボノソウも見ることができます。

 

 

季節の移り目と森の台風被害、そして箕面の森の小さな秋を

垣間見る一日でした。

 

あの青年は、今頃どのあたりを歩いているのだろうか?

心を満たす、いい思い出をつくって下さい。

'13  10/28

 

 


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嵐の後の森の中!

2020-08-26 | *編集・秋/10月

嵐の後の森の中!

 今日は大型台風が通過した後の森を歩きました。

 箕面の森の中は案の定、多くの倒木、枯れ枝や落ち葉が散乱し、

所々で山道が通れないような状況です。

更に頭上を見ると、引っかかったままの大きな枯れ枝もあり

全く気が許せません。

更に谷間を歩くと、大きな岩が山道に落下していたり

して、気をつけて歩かねばなりません。

 

 

今日は近くの里山を歩こうと、教学の森から西尾根コース

六箇山(395.8m)へ向いました。

やはりここも一歩森の中に入れば、倒木した枯れ松や

落下した枯枝葉で散乱しています。

中には大きな木でも、根の浅いソヨゴなどが強風に倒れ、

根を仰向けにしてひっくり返っている生木もあります。

 

既に行政やボランテイアの方々により片付けられて

いる所もあるものの、まだ沢山の枝葉が山道をふさいで

います・・・

私は持てる範囲で枝葉を横へ除けながら前へ進む状態です。

 

ところが前方に大きな松の老木が倒れていて、こればかりは

一人ではどうしようもありません。

そこへ後方から走ってこられた若いトレッキングランナーの方が・・・

 

  *  お手伝いしましょう!

 

と言ってくださり、一緒になってその木を脇へ移動しました。

 

  *  昨日通った時はなかったので、今朝倒れたよう

     ですね!  それにしても枯れ木が多いですね

     松の木ばっかりで・・・

     まだ横の木に倒れかかっている木もあるんで、

     強風が吹けばまた倒れそうですね・・・

     気をつけて走らないけないんで大変ですわ!

     ハ ハ ハ ハ ハ・・・

 

そういうと若者はまた颯爽と走って登っていかれました。

まさにウサギさんですね!

六箇山まで25分と表示されている所を、この前、私は実際に

100分もかかりましたから、まさにカメです。

でもお互いに自分スタイルで山や森を楽しめたら

それが一番です。

 

隣接する教学の森・青少年野外活動センターからは

ボーイスカウトらしい子供たちの元気な声が響いています。

危険も隣り合わせの森の中で、子供たちはいろんなことを

肌で感じ、学びながら、危機管理・自己管理も自然と身に

付いていくだろうな・・・ と感じました。

 

かつて箕面市立郷土資料館で見かけた古い写真の中に

この六箇山(松尾山)の光景があったのを覚えていますが、

見るからに見事なハゲ山でした。

昔の人々は枯れ木や枯れ枝葉を薪とし、燃料として活用

していたので、こんな台風の後などは沢山の村人達で

賑わっていた事と想像します?

 

北朝鮮でのTV報道を見ていると、そんな戦前の貧しかった

日本の状況を垣間見る事があり、枯れ枝を背負った子供の

背後にあるハゲ山と併せて、なんとも言えない気持ちになります。

 

今や燃料は勿論、建材も外国から安価で輸入されるようになり、

植林されて活用時期に入った杉、檜材でさえ放置されたままの

森もみられます。

特に民有地での山の管理は採算に合わないのと、後継者不足も

あり、殆どが放置状態ではないのでしょうか?

 

この六箇山へ向う山道沿いの所々に大きく表示された

「ここは民有地です・・・」の山や森は、もう全く活用されて

いないようですね・・・?

かつてここでマツタケ狩りができ、観光客に人気だった

という古書を見ると、まさに隔世の感がします。

 

 

後鬼谷へ下っていくと、ここのヒノキ林も台風の強風からか、

途中から折れた木も含め10数本の倒木が行く手をふさいで

いました。

私はその上を慎重に乗り越えながら下りましたが、

大量に落下した枯れ枝葉で山道がふさがり、何度も道が

分からなくなり迷ってしまいました。

何とか下を流れる谷川の音を目安に谷間に下りてくる事が

出来てホッとしました。

 

 

山裾道を下っていくと・・・

左上方の斜面で急にバシ! と言う音がしたかと思うと、

頭大の岩がものすごいスピードで落下してき、私のすぐ後ろで

ドスン! といったんバウンドしたかと思うと、そのまま右手の

谷川に落ちていきました・・・ もうビックリ!

しばらく ゾゾゾゾゾ・・・と心臓が高鳴っていました。

こんな岩に直撃されたらひとたまりもありません・・・恐!

 

それからはおっかなびっくり腰でゆっくり、更に慎重に下って

いくものの、しばしの区間で一歩 歩くたびに、横の山裾から

小岩がバラバラと落ちてきたりして緊張の連続でした。

少し先には大きな杉の木が一本、斜面から谷間に倒れていて

その三角になった下を通りぬけました。

 

台風による強風で樹木が大きく揺れて、根元の地盤が

緩んできたのか?

見上げると巨大な岩が斜面に突き出たりしていて、それまで

気にせずに歩いていた谷間に、なにか異変が起きているのか

と思ったりして・・・?

こんな恐怖を味わいながら歩くのは初めてでした。

 

 

やっとの思いで落合谷へ着いた時は本当に安堵しました。

落合トンネルをぬけ滝道に出ると、いつものように人々が

沢山歩いています・・・

先ほどの恐怖が別の世界の、夢の中のように感じました。

 

 

台風による山や森の影響を垣間見てきましたが、これも

自然の循環、自然界の新陳代謝、そして自然と人との

かかわりの度合い、その影響が現実の今の森の姿なのだ!

と、分かったような? 

ワカラナイ結論になったのでした。

'13  10/26

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教学の森にマツタケ・・・?

2020-08-26 | *編集・秋/10月

教学の森にマツタケ・・・?

 箕面・新稲(にいな)から西尾根コースに入り、海の見える丘へ

向かって歩いていました。

 

急に寒さを感じる朝で、折っていた長袖シャツの裾を下ろすほど

でした。

しかし、澄み切った秋空を見上げると 何ともいえない気持ちの

いい季節なりました。

前夜の雨で森の中はしっとりとしていて、その湿気のある森の

匂いもまたいいものです。

 

この山道の両脇にはコナラ、クヌギ、ミズナラ、カシワ、くり、ブナ、

ヤマザクラ、イタヤカエデ、イロハモミジ・・・ヤブツバキやアベマキ、

アラカシ・・・ いろんな樹木が重なり合って絶妙な雑木林を

形作っています。

松もあちらこちらに点在していて、かつてこのあたりは松林だった

事も窺い知れます。

 (この松尾山はその昔 関西では有名なマツタケ山だったとか)

それが栄養豊富? になったせいか、マツクイムシにやられたせい

なのか? 

年々松枯れが目立つようになりました。

 

 

それは私が教学の森・野外活動センターの第一キャンプ場の

裏口を通り過ぎ尾根道を歩いている時でした。

 

  うん? 

  この香りは・・・? 

  何?

  まさか・・・?

  マツタケの香りに間違いない・・・ 確かにそうだ! 

 

確かに回りには松の木が何本もある・・・

ひょっとしてマツタケがあるのかも・・・・?   

  (期待でワクワク・・・!)

久しく食べた事のない秋の味覚の王様・・・ 

  アカマツはどこかな・・・? 

それから時間も忘れて探す事30分・・・見当たらない。

 

子供のころ、故郷の信州・安曇野の神社の裏山の松林には

マツタケが一杯生えていました。

ヒメジ、マイタケ、ナメコ・・・いろんなキノコがありました。

遊びの帰りにマツタケを取って帰り、祖母によく料理をして

もらったものですが・・・

あの頃はそんなに特別に美味いものとは思わなかった

のにな・・・!

 

しかし、あの香りだけは今でも忘れていませんから、きっと

どこかにあるのかもしれません・・・?

松葉の下に隠れているに違いない・・・と、勝手に確信しています

が・・・。

 

 

でも、ひょっとして私の 夢見る秋の食欲のせい なのかも

しれませんが・・・  

 

 

     マツタケの香り吊られて森のなか 

     食い意地につられて森へわけ入る   (花詩) 

'13  10/26

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森は秋支度!

2020-08-26 | *編集・秋/10月

森は秋支度!

 今日は暦の上では霜降(そうこう)とか・・・

しかしまだ24℃と霜どころではなく、今日も半そで姿で森へ

向かいました。

 

今年はドングリなど山の幸が少ないとかで、山里へ出てくる

熊の被害が連日報道されていて、東海自然歩道先の

ポンポン山付近での熊情報も聞きました。

 

心配した家人からは鈴を二個も付けられて、歩くたびに

チリン チリン と耳障りでうるさい限りです。(笑)

最も 最近は山の中で同じように鈴を付けたり、ラジオを鳴らし

たり、唄いながら歩いているハイカーが多くなりました。

 

箕面駅前にはハイキング日和に沢山のグループが待ち合わせ

をしたり、出発準備をしています。

 

観光センターの掲示板を見ると、今日は三ツ石山付近などで

猪や鹿などの害獣駆除があり、ハンターが入るとの情報です。

森の中でじっと浸るのが好きな私など標的にされそうなので?

気をつけなければなりません。(笑)

 

橋本亭のある一の橋前から桜道を上ろうとしたら、表示板が

目に付きました。

  「・・・電線類地中化工事中~」 と。

嬉しくなって近くの警備員に尋ねると・・・

 

  *  主に夜間工事で、滝までの一部ですが~ 

 

との事。

この滝道は年間120万人が通ると言う箕面のシンボルロード・・・

なのにあの無粋な電信柱と電線に、見上げる名物の紅葉も

台無しで、何年も前からこのブログでも地中化を訴えてきました

が、やっと行政も腰を上げたのかと思うと嬉しくなったのです。

詳細は分からないものの、工期は来年2月末日までとか・・・

今年は間に合わなくても、来年からはきっとそのすっきりした

景観に満足されることでしょう・・・ 楽しみです。

 

今日は先ず前鬼谷を上る予定で落合トンネルをくぐります。

するともう別世界のように沢山の野鳥が飛び交っています。

早速 双眼鏡を首に掛けて準備をしていると・・・

通りがかりの一人の女性ハイカーの方が・・・

 

  *  何がいるんですか?

 

と聞かれたものの、まだ鳥の名前を思い出せず、

季節の挨拶だけにしました。(笑)

 

イヌザクラ、ガマズミ、コクサギ、カラスザンショウ、エドヒガン、

エノキ、ケヤキ~ 

見上げると森の中には沢山の樹木がひしめき合っています。

先ほどの賑やかな鳴き声はカケスかな? シジュウガラや

ツグミ、ルリビタキ、マヒワなどがいるようですが・・・?

 

前鬼谷道を上りかけると・・・

先ほどの女性ハイカーが ダメ ダメ~ と、両手でX(ペケ)印を

しながら下りてきました。

 

  *  通行止めでダメみたいですよ。

     倒木やガケ崩れのようですよ。

     せっかく楽しみに来たのに・・・

     自然4号路もスズメバチでだめでしょ!

     この右の後鬼谷はきついし、もうほんとに残念!

     東海自然歩道へ行って見ますわ!

     残念!  残念!

 

と、引き返して行きました。

 

私は少し考えて・・・

先月、逆に下ってきたときは問題なかったし、第一この表示は

相当長いし・・・とにかくその問題場所まで上ってみようと思い

通行止め看板の横からゆっくりと上がってみました。

 

まもなく ここか? と思わせるような箇所に着き、見回してみても

その間 約7-8m位・・・

倒木は処理され、斜面の崩れも少し山道を埋めているだけ・・・

いつも危険を感じる自然6号路の四反田谷から見れば

普通の山道だが・・・?

 

その時丁度、前方から中年のご夫婦が降りてこられたので

聞いてみました。

 

 ・  通行止めになっていますが、この先に何か問題が

   ありますか?

    *  全く問題ありませんよ。

       ここだけですが、これも問題ないですよね。

       もう早く解除してやらないとダメですね。

       私らもそうですが、もうみんな知っている人は

       通っていますよ。

 

との事。

と言っても先ほど引き返した女性ハイカーのような方が

大半だと思うので、ワイルドな人気コースなだけに長期の閉鎖は

残念です。

危険を知らせて下さることへの感謝は勿論ですが、

人手、予算と共に安全第一の行政の難しさを思い知りました。

 

人のいない谷間をゆっくりと浸りながら楽しみ上りきり、

尾根のベンチに着くと、丁度 出発準備をしている女性ハイカーと

出会いました。

 

挨拶をしてお顔を見ると・・・

大変失礼ながら、もう80前後かと思われる方です。

少し腰も曲がり気味ながらその装備を拝見すると、かなりの山の

ベテランと言った感じで、元気に下っていかれました。

私は急坂をフーフーと上がってきただけに何か恥ずかしい

思いですが、お年を召してもあんな元気に山歩きが出来ることを

思えば、自分もと嬉しくなってしまいます。

 

遅いお昼にして寛いでいると、横の谷間に猿の群れがいるらしく

賑やかな鳴き声が聞こえてきます。

食べ物をそっとリユックに戻しました。(笑)

 

大ケヤキの前に来ると表示物が・・・

  「・・・スズメバチが営巣中の為に通行注意~」

私はそれまで鳴らしていた例の鈴を慌ててポケットにしまうと

静かにそっと通り抜けました・・・ クワバラ クワバラです。(笑)

 

帰路、箕面ゴルフ倶楽部のコース脇きを抜け、ハイキングコースの

ささゆりコースから松騒コースを経て、望海の丘で出ました。

まさに名前のとおり大阪湾を望み、大阪が一望できます。

 

しばしここで浸りながら、心地いい秋の風に吹かれていると

思わずクシャミが・・・ハックション!

夕暮れになると半袖シャツの腕が冷たくなり、急に寒さを覚え、

秋を肌で感じるようになりました。

 

ここまでの間、朱葉のヤマハゼ、ハゼノキやミズキ、ヤマブドウ、

黄葉のエドヒガン、ヤマザクラ、リョウブ、イタヤカエデなど、

まだ少ないものの秋の風情を楽しませてくれます。

 

途中、ヤマガキが鈴なりに実をつけていたので、熊が柿の木に

上って食べているTV映像を思い出し、忘れていた鈴を慌てて

ポケットから取り出して付けました・・・忙しい! (笑

 

ドングリが沢山落ちていたり、イガをつけたヤマグリや

紫色したアケビの皮が山道に落ちています。

森の動物たちも食欲の増す季節です。

 

カツラの美しい黄葉が秋風と共にハラハラと舞い落ちてきます。

ラグビーボールかと思うような大葉のホウノキからも枯れ葉が

落ちてきて、これは自然と身をかわします。

桜紅葉も負けじと葉を散らし始め、それぞれが秋支度を

始めました。

 

間もなく 「霜降」 も近いようですね。

 ’10-10-23 (晴)

 

 


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秋雨の森で・・・

2020-08-26 | *編集・秋/10月

秋雨の森で・・

 今日(26日)は朝から小雨模様です・・・

しかし、東海自然歩道に入り、尾根道を歩く頃には本降りになって

きました・・・

しっとりと濡れた、秋雨の森もいいものです・・・

 

まだ薄紅葉のもみじの葉先から、ポタリ! ポタリ! とゆっくり落ちる

雨の雫(しずく)は、絵になる秋雨の森の情景です。

 

大きな葉っぱが何枚も落ちてきました・・・ 

見上げるとホオノキから、雨に打たれて早まったのかな? 

枯れた葉がパラ パラ~ と落ち、根元にはその薄白い裏葉が一面に

広がり、暗い森の中をひときわ明るくしているように見えます・・・

またそこへ、大粒の雨があたると、バリ バリ バリ・・・ と、まるで

小太鼓が鳴り響いているように聞えます。

 

歩いている山道の前の方で、 また前で・・・ 踊る葉っぱ連?

(あの、踊るアホウに、見るアホウ・・・の、阿波踊りを連想しました)

雨にあたったヤマザクラなどの枯れ葉が、あっちへ、こっちへ、と

ひっくり返り、森の中で踊っているように見えるのです・・・ (笑)

 

ススキの穂にたっぷりの雨が留まると、急にポタリ! と、穂先から

貯まった雨水が下に落ちます・・・ すると、

それまで深々とお辞儀をしていた穂が、急に反り返るように

跳ね返り・・・

ちょっと重かったな! という感じに見えるのです・・・ (笑)

 

雨の森を散策していると、いつもの森の風情がまた、全く変った風情に

見えてくるのも、なんだか面白いものですね。

樹木も 花木も 草々も 昆虫も 動物も・・・ 森で生きるもの全てに

とって、恵みの雨を、ありがたく享受して、静かな歓喜の中に

たたずんでいるように感じられます・・・

 

今日は日曜日なのに、雨の森を楽しむハイカーの皆さんは少ないよう

です。

やがて、開成皇子の墓(鎌倉時代~)のある最勝ケ峰(538.5m)に

着くと、この周辺には赤みがかった岩が多くあり、それが雨に濡れて、

その赤みが益々威光を放っているように見えます・・・

なんでも何億年前、ここは海底であったとか・・・

郷土資料館には詳細な資料があるので、調べてみたいものの・・・

今の私は、森の散策を楽しむことで満足なので、手が回りません(笑)

 

 

清水谷林道で一人の年配の男性にお会いしました・・・

手にはビニール袋を下げています・・・

・ こんにちわ!

   *  こんちわ! よう降りますな・・・ 

      ホレ! これ、キノコですわ・・・

(そう言いながらビニールの中味を見せてくれました・・・)

・ また、沢山のキノコですね・・・

(私の知っているもの、知らないもの、何種類ものいろいろなキノコが

袋に入っています・・・)

・ これ、みんな食べられるキノコなんですか?

   *  たぶんね?

・ 多分ですか?

   *  まあ、たいがい大丈夫ですわ・・・ しかし、念のため帰って

       からチェックしまんねん!

 

   *  これ! 食べられへんけど・・・ おもろいでっしゃろ・・・? 

・ 何です?  それは・・・?

(急に下のほうから取り出してきたのは、ドングリ位の大きさの

真ん丸いもので、おおよそキノコとは思えませんが・・・)

   *  クチベニタケいいまんねん!  ホラ! みとくなはれ・・・

      こうして・・・ ここを指で押さえると・・・ この赤いとこ、

      見ときなはれや・・・ これ これ・・・ これですわ!

・ わー 口紅つけた女の人が、笑ってる顔ですね・・・

   *  押さえてるのを弱めると、ホラ! 怒ってるみたい

       でっしゃろ!

       顔が変りまっしゃろ! 小さかったり、大きかったり、

       女の口紅やからね・・・ そやから、クチベニタケ(口紅茸)

       いいまんねん! 

       今日の土産ですわ・・・ ハハハハハ・・・

 

そう言いながら、勝尾寺の裏山へ向かって上っていかれました・・・

しかし、あんなおかしなキノコを見たのは初めてです・・・

 

3日前に、マツタケと間違えて毒キノコを山から採ってきて食べた

ご夫婦が、食中毒で大変だった事が、新聞に出ていましたが・・・

先程のおじさんは・・・

   *  しかし、マツタケと間違うなんてありえへんがな・・・? 

      よっぽどのド素人ですな・・・ 

と 言っておられましたが・・・

 

キノコだけは生死がかかっているだけに、私は自分で採って食べる

自信は全くありません・・・(笑)

この原稿を書いている今も、お昼のニュースで・・・

新潟の旅館で、シイタケに似た毒キノコのツキヨタケを、キノコ汁にして

出された客が、食中毒で入院したとか・・・ 

旅館のプロでも間違うんですからね・・・ 恐!

 

でも、私の小さい子供の頃は、田舎の寺の境内で遊んだ後に、

みんなとマツタケ、シメジ、マイタケ、エノキタケ、野生のシイタケ、

ナメコなどなど、いつのまにか、食べられるキノコを知っていました

ね・・・ 

そんな採って来たキノコは、祖母が料理しておかずになりました・・・

野草などもそうで、小川のドゼウやフナなどの魚も同じで、どこの家も

野山の恵みを頂いたものです・・・

あの頃の知識は、特別に教えられたわけでもなく、昔は、子供どうしや

古老、家の者達から自然に伝授され、それぞれ肌で覚えたもなので

しょうね・・・

 

それが、都会で半世紀以上も過ごすと、まったくその感覚はゼロに

なり、店に並んだキノコしか食べられなくなったのは、残念な事です。

 

 

シトシト雨が続きます・・・

少し霧のでた薄暗い森の谷間を一人歩いていると・・・ 

とても幻想的な雰囲気に包まれて・・・

まるで、スタジオ ジブリの世界に入り込んだ感覚です (笑)

 

そんな時・・・

ふっと、先程見せてもらったクチベニダケの、あの小さな真紅の

おちょぼ口の口元が・・・ 急に、血の滴る大きな口裂け女に思えて

きたりして・・・ (笑)

何だかそんな事を想像するだけで、自分が急ぎ足になっているのが

分かりました・・・

「 だって!   こわいんだもん・・・! 」 と、丁度、TVで叫んでいる

人の気持ちに同感です・・・  (笑)

 08-10-26 (完)


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我が心の自然遺産!

2020-08-26 | *編集・秋/10月

我が心の自然遺産!

 今日(12日)は、皿池公園から外院(げいん)の山里に入りました。

キンモクセイの甘い香りが漂っています・・・ 

思わず深呼吸をしました。

 

黄金色の稲穂が頭をたれて、刈り入れ時をまっています・・・

コスモスの色とりどりの花が、初秋の爽やかな風に揺れています・・・

小さな池のほとりにある柿の木には、枝いっぱいにまだ青い柿の実で

が、たわわに実っています・・・ 

その前方の柿の木は種類が違うようで、すでに葉がきれいに色づき、

黄色くなった柿の実をつけています・・・

上空の鳥たちは、まだかな~?  と 熟す時を待っているようです。

 

途中から粟生間谷(あおまだに)方面への山道へ入りました・・・

うっそうとした雑木林ですが、私の好きな森の様相です・・・

途中から細い小道を上ると、右に左にいろんな種類のきのこが沢山

顔を覗かせているではありませんか・・・ 美味そうな? 

自信があれば採って、今日はきのこ鍋など賞味できるのですが・・・

何分 毒きのこ との区別がつかず、笑いキノコならまだいいのです

が?  

分からないので、残念ながら諦めです・・・ (笑)

 

やがて、いつもの勝尾寺旧参道と合流し、日毎に変化する季節を

楽しみながら、ゆっくりと上ります・・・

いつまで、こうした森の散策を楽しめるのだろうか・・・?

いつまでこの体力、気力が続くのかな・・・?

 

やがて、丸太を組んだ素朴な「第一ベンチ」につきました・・・

遠方に箕面新都心・彩都へ向かうモノレールが見え、その下の周辺は

黄色くなった刈り入れ前の稲田が太陽に映えて、まるでフランスの

プロバンス地方の光景のように見えました。

ベンチに近づくと、一人のご老人が汗を拭っていました・・・

・ こんにちわ!

   * あっ! こんにちわ・・・

 

そう言いながらニコニコされています・・・

・ いい季節になりましたね・・・

   * そうでんな・・・ ええ季節ですわ!

・ 秋の虫が賑やかに鳴いていますね・・・

   * ハー?  ワシャ ちょっと耳が遠くてな・・・

 

私は少し近づいて・・・

・ 失礼ですが、おいくつでいらっしゃいますか?

   * わしゃ 今年で88だわ・・・

・ 88歳ですか?  お元気ですね・・・

   * ワシの健康の秘訣か?  そりゃ、この山 歩く事じゃ・・・ 

      ここはええ所じゃ・・・ これはばあさん特製のお茶でな・・・ 

(そう言うと、美味しそうに奥さん特製と言うお茶を飲んでおられる)  

   * もう何十年とここ歩いとるが、飽きんわな・・・ ハハハハハ!  

      ワシャ、ここを一日おきに歩いとるんじゃよ・・・

・ えっ!  一日おきですか・・・

   * 最近は、ばあさんにうるさく言われるから、この上の休憩の

      ベンチまでにしとるがな・・・ 

 

それからしばらくは、箕面の山の話をアレコレとお聞きしました・・・

最近は森が荒れてきた事・・・ 昔はもっと自然に満ち溢れていたこと。

そして突然に・・・

   * 箕面の山は 「世界遺産」 にせないかんな・・・アハハハハ!

 

まさか、この森が世界遺産になるはずもありませんが、この老人に

とって世界遺産の価値がある森だと言う事でしょうね・・・

私もそういう意味では賛同しますよ。

 

尾根道には、もう時折冷たい風が吹いて、それまでの汗がすっかり

引っ込んでしまいました。

しかし、ご老人の話はますます熱を帯び、それから約1時間・・・

政治、経済、世界情勢、文化から昔の旅行話しまで続きます・・・

(話が途切れないのです・・・!)

 

 ハックション!

ついに私は風邪を引きそうになり、腰をあげました・・・

・ では、お先に失礼致します・・・ 

  お元気でお過ごしください・・・

   * ハイおおきに!  ワシャ しょっちゅうここ歩いとりますんで、

     また声をかけてくださいな・・・ 次ぎ会うても あんさんの顔は

     忘れてるかもしれまへんけど、悪しからずに・・・ さいなら!

 

 

私はそこから古参道を上り、群生するシダの覆う小道を抜けながら、

先程のご老人を思い出していました・・・

私には、あのお年までにはまだ25年もあるんだ・・・ 

それに、あのお年なってもまだ、あのように元気な姿で箕面の森の

散策を楽しめる・・・

そう思うと俄然元気になり、なんだか勇気が湧いてきましたよ (笑)

それにしても、あのご老人は豊かな いい老後を過ごしておられます

ね。

 

古参道を上りきり、旧参道との合流近くの丸太ベンチで一休みにしま

した・・・

冷たいお茶を飲みながら、もうそろそろポットに入れた温かいお茶か

コーヒーが欲しいな・・・ そんな季節になったんだな・・・ と、感じ入り

ました。

 

それにしても、あのご老人の 「世界遺産に・・・」 とまでいかなくとも、

箕面の森は我が心の自然遺産であり、いつも心豊かに過ごせる、

まことに贅沢な自然空間と言えます・・・

 

 

ハックション!   

今日は早く帰って、蜂蜜をたっぷり入れた温かい特製しょうが汁を飲ん

で、早めにベットに入る事にします・・・  グッスン! (笑)

 08-10-12 (完)


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かあちゃんの墓参り!

2020-08-26 | *編集・秋/10月

かあちゃんの墓参り!

 天上ケ岳へ向かう途中で、箕面ビジターセンターに立ち寄りました・・・

丁度、前の野草園に職員の方がおられたので、気になっていた

こと・・・ 

「通行止めになっている才が原林道の進捗状況」 をお聞きしま

した・・・ 

 

すると・・・

「年内の開通は無理でしょう・・・ それから先も不明ですね・・・

但し、この11月の紅葉の時期は交通渋滞の状況から開通するよう

ですが・・・

それを過ぎると、再び閉じるのでは・・・? 人は通れますからね・・・」

と。

先日、私も山の岩肌が崩れた林道の個所を通りましたが、さほどの

支障はなく、 なぜ開通しないのか疑問だったのですが・・・

 「・・・それは行政が余り車を歓迎してませんからね・・・」 とのこと。

 

分かります・・・

とにかく夜間に、車で大型ゴミなどを捨てに来る不届きな人が後を

たたず、毎年ボランテイアの人々が総出で掃除をしています・・・ 

私も参加しましたが、その量は毎回百数十トンになるのですからたまり

せん・・・

柵をしたり、看板を立てたりしても効果がなく、森の景観も悪くなり、

環境を守る為には、この通行制限はやむおえないと・・・ 

私も大歓迎です。

 

そんなおしゃべりをした後に、私は自然3号路に入りました・・・

すると、すぐの道脇の枯れ葉の上に七色に光るものが目に入り

ました。

何かな?  イヤリングの落し物かな? 

かがんで、手に取ろうとしたとき・・・ 動き出しました・・・ 

気の弱い私はもうビックリです (笑)

昆虫です・・・

よく見ると、細長い虹色の羽根でタマムシのようですが、木漏れ日に

映えて、その輝く姿は、まさに高貴な姿そのもので、しばし見とれて

しまいました・・・

箕面の森で、初めてみる美しい昆虫でした。

 

山道の草むらではコオロギやスズムシが鳴いています・・・

イガをつけた小さなシバグリが所々に落ちています・・・ 

中を見るとクリの実がないので、早くも動物達が食したようです。

その上に薄紅葉した枯れ葉が数枚、かぶさるように落ちていて思わ

ず、 秋だな~! とつぶやいていました。

 

二羽のヒヨドリが追いかけっこをしているかのように、森の枝から枝を

飛び交っています・・・

イロハモミジの葉はまだ青々としていますが、一種類だけ、葉先が赤く

染まっているカエデがありました・・・。

 

途中から、箕面川ダム湖に立ち寄ると、真っ青な空に浮かぶ白い雲が

湖面に写り込み、美しい光景です・・・

ススキの穂がなびくと湖面にもさざなみが立ち、そのゆっくりとした

穏やかな風情に秋を実感します。

 

修験道から天上ケ岳に向かう手前で一休みにしました・・・

ここは自然2号路と合流する所で、丸太を半割したベンチがあります。

横には、箕面の森に飛来する渡り鳥の種類などを書いた表示板が

あり、私が立ち上がってそれを読んでいるときでした・・・

自然2号路からの急坂を上って来る、同世代のおじさんがいました・・・

 

・ こんにちわ!

   * ああしんど! この坂、ワシにはきついわ! ハーハーハー

・ お疲れ様です・・・

   * ほんま、疲れたわ!  しかし、ええ季節になってきましたな

・ そうですね・・・

 

しばらく汗を拭いておられましたが、やがて・・・

   * ワシ、脳梗塞をやりましてな・・・

・ えっ! それは大変でしたね・・・

   * そうでんねん・・・ しばらくは大変でしたわ・・・

・ しかし、よくお元気になれて・・・ よかったですね。

   * おおきに!  ほんま、急やったさかいにな・・・ 

      まだこの右方ダメでんねん・・・ 

      右手はこんな感じでつかえまへんねん・・・

 

そう言いながら、左手で動かない右手をさすっておられます・・・

    * しかし、こうして歩けるのは幸せもんですわ・・・ 

      ワシなんかもう何十年とこの辺歩いてますさかいな・・・ 

      歩かれへん時は地獄でしたわ・・・ そんでリハビリ頑張り

      ましたがな・・・

 

そう言いながら笑っておられる・・・ 

でも、相当なご苦労を乗り越えてこられた事が分かります。

・ それは本当によかったですね・・・ ところで、どの辺から歩いて

  こられたのですか・・・

    * ワシでっか? 箕面の駅からですわ・・・

      (時計を見ながら・・・) 

      ここまで約110分位でっか? 

      これから勝尾寺さんまで墓参りに行きまんねん!

 

脳梗塞を患った方とは思えないぐらいの健脚ぶりで、私など健康体で

それだけ歩くとなると大変です・・・ 

しかも、肩から斜めに掛けた布袋一つ持っただけで・・・ 

リュックにいろいろ詰め込んで歩いている私は、恥かしくなりました・・・

 

    * かあちゃんに会いに行きまんねん・・・

 その時だけは少し悲しそうな顔をされました・・・

お母さんの事?  それとも奥さんの事なのでしょうか?

   * ほな、お先に・・・

 

そう言いながら、不自由な右手を庇うようにしながらもゆっくりと、

しかし、しっかりとした足取りで遠ざかって行きました・・・

本当に山歩きがお好きで、森や自然が生きがいの方のようです。

 

以前、同じような方にビジターセンターでお会いした事があり、森の

自然にふれて歩ける事の喜びに、涙されていた事を思い出しました。

突然の病と障害・・・ 

そして、その辛いリハビリに励みながら、好きな山を再び歩く事に

懸命の努力をされ、それを成し遂げている方々に出会うと、本当に

感動してしまいます。

 

 

帰り道で、再び思い出してしまいました・・・ 

今頃、あのおじさんは かあちゃんと、どんな思い出話しをされている

のでしょうか・・・?

 

初秋の爽やかな風が、尾根道を静かに通り過ぎていきました・・・

 08-10-4 (完)


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森は秋への衣替え

2020-08-26 | *編集・秋/10月
森は秋への衣替え!
 今日(13日)は体育の日ですね・・・
その為でもないのでしょうが、里山を歩いていると、ランニング姿で
ジョギングをしている方が多く見られました。
 
新稲(にいな)の里の牛舎の前には、一面のコスモス畑が広がり、
色とりどりのコスモスが秋風に揺れてきれいです・・・ 
抜けるような青空の色と、コスモスの色が対比して、それは美しい光景
です。
その隣の畑では、小学生達が親子共々土と格闘しながら、
サツマイモ堀りを楽しんでいます・・・
サツマイモが好物の私としては、ちょっと羨ましい光景です (笑)  
と言っても終戦直後のその昔は、みんな食べる物がなく、日々
サツマイモだった懐かしさだけなのかもしれませんが・・・ 
そう言えば、あの葉の下の茎までもよく食べていた事を思い出します。 
ちょっと古いですね・・・ (笑)  今はいい時代です。
 
やがて稲刈りをしている所に出ました・・・
見ると家族総出といった感じで、幼い子供たちも手伝っています・・・
そう言えば、この田んぼはこの5月だったか、田植えの時期にも総出で
稲の苗を植えていた事を思い出します・・・
私は懐かしく、しばし見学させてもらいましたが・・・ それ以来、ここを
通るたびに何となく稲の成長を気にしてきました・・・
そして今日はその刈り入れの日なのですね・・・
今年も豊作のようです
私も他人事ながら、嬉しい気持ちで刈り入れ作業をしばし見ていま
した。
 
今日は平和台の住宅地の裏から森へ入ります・・・
クヌギ、コナラ、カシワ、アベマキなど、ドングリのなる木が沢山あり、
山道にもいっぱいドングリが落ちてきています・・・
どうやら今年も森の木の実も豊作のようで、動物達も一安心です?
 
ブ~ン ブ~ン
あれ!
頭上を見ると一匹のスズメバチが飛んでいます・・・ どうやら私への
偵察のようです・・・
丁度、今朝のTVニュースでマツタケ狩りの男性が一人、スズメバチの
大群に襲われて死亡・・・なんて! 物騒な報道をしていましたから
緊張しました・・・   ここは静かに後退です・・・
やがて、こいつは敵ではなさそうだ!・・・ と判断したのか?  
遠ざかっていったので、 ホッ! とため息です。
 
今の時期、森には繁殖期の生きものが多くいて注意が必要・・・
との事。
スズメバチへの防衛策としては、
(1) 黒い服を避ける・・・ 熊やクマタカなどが巣を襲うので、黒い
   天敵と間違われる
(2) 臭い・・・香水などをつけない・・・ 攻撃フェロモンが刺激されて、
   敵がやってきたと感ずるとか
(3) 巣に近づかないのは勿論の事だが、大声やざわめきなど音を
   出さない
(4) 帽子やステッキなどで振り払ったり、追い払わない・・・ 攻撃され
   たと思い、逆に襲ってくるとか・・・
とにかく見つけたら静かにしゃがみ込み、じっとしている、そして徐々に
遠ざかるのみ・・・ と、TVでは解説していました。
 
そんな事を思い出しながら歩いていくと・・・
   * こんにちわ!
不意に、下のほうから駆け上がったきた一人の女性に声を掛けられて
ビックリ!
振り返ると、あっと言うまにもう上のほうへ駆け上がっていきました・・・
野山を駆け走るスポーツを何と言う名称で呼ぶのか知りませんが・・・
体にフィットしたウエアに黒いスパッツスタイル、腰にピンクの水筒入
れ、白いスポーツシューズ・・・  ポニーテールの黒髪が可愛い・・・
モデルさんのように美しい人だったな・・・
一瞬の交差にしてはよく覚えているものです  (笑)
過ぎ去った後にはいい香り・・・ 高級そうな香水です。
 
しかし、一瞬!  あの人、大丈夫かな?  と、思いました・・・
それは、今まさに注意! と思っていた悪条件をみんな満たしている
からでした・・・ 黒い衣服に黒髪、香水、走るざわめき・・・ 動作です。
心配になりましたが、それでなくとも遅いドンカメの私が、ひょいひょい
山道を走り回るウサギさんを追いかけられるわけもなく (笑) 
ただスズメバチに襲われないように無事を願うのみです。
それにしても山を走る人々は、どんな肺活量をしているのかと、いつも
驚いてしまいます。
 
 
山の中腹から振り返ると、木立の間から箕面、豊中、大阪市街が一望
見渡すことが出来ます。
深呼吸をすると、肺の中に少し冷たい秋の空気が入り気持ちが
いい・・・
東側の山道には、ススキの穂が風に揺られて、秋の風情を与えて
くれます・・・
 
「お好きな服は・・・?」
何のこと・・・?
(お)オミナエシ、
(す)ススキ、
(き)キキョウ、
(な)ナデシコ、
(ふ)フジバカマ、
(く)クズ、
(は)ハギ・・・ と、秋の七草ですね・・・
そんな草花を探しながら歩くのも愉しみの一つです。
 
「憩いの丘」から六箇山方面に向かい、途中から「水沢コース」へ
左折し、水沢の谷へ入りました・・・
夏とは違う、もう秋の鳥たちが盛んにさえずっていますが、いつもの
如く名前と鳴き声が一致しなく中々覚えられませんが・・・ 
ヤマガラ、シジュウガラ、メジロ、コゲラ、いつものヒヨドリ、アトリ・・・?  
このぐらいでやめておきます・・・ (笑)
 
この谷にはイロハモミジの木が沢山ありますが、一般の方はまず
来ませんから、いつも殆ど一人でモミジ狩りを楽しんでいる所です・・・
まだまだ葉は真緑です・・・しかし、ヤマモミジなのか? 違う種類なの
か?
一部で薄紅葉が見られます。
今年はいつ頃、あの見事な鮮やかな紅色に染まる紅葉が見られる
事でしょうか?
 
細い山道を上り下りしていると、時折きれいな色の枯れ葉が落ちて
います・・・
今はクモも繁殖の時期で、いたるところに巣を設け、網を張って狩り
していますが、そのクモの巣にきれいな枯れ葉が何枚か引っかかって
いて、その葉が宙に浮いているように見えます。
クモにとっては迷惑な話ですが、その幻想的なスパイダーアートには
見とれてしまいます・・・
まさに、こんな自然の芸術を楽しめるのも、秋の森の醍醐味です・・・
 
何年か前の晩秋の日に、ここでハーモニカを吹いていました・・・
吹きおわった時に、上空で強い風が吹いたようで、木立が揺れたかと
思ったら鳥(アトリと思うが・・・)の大群が一斉に飛び立ちました・・・
あっという間もなく、上空から大量の枯れ葉が頭上に降り注ぎ、
見る間に埋もれたデッドリーフマンになっていました (笑)
私は、ハーモニカ演奏に対する、森の拍手喝采! と、後でいいように
思いましたが・・・ (笑)
その一気に落葉する姿はまるで森のシャワーのようでした・・・
すると森が開けたように、明るくなっていた事を思い出しました・・・
季節の移り変わりを肌で感じます。
 
 帰り道・・・
あのきれいなうさぎさんは大丈夫だったかな・・・? 
つい、ふくよかな後姿を思い出してしまいました・・・
私の頭も心も浮世離れせず、どうやら人並みに正常なようです・・・? 
(笑)
 08-10-13 (完)

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新稲山麓の移ろい!

2020-08-26 | *編集・秋/10月

新稲(にいな)山麓の移ろい!

 曇天の箕面・桜井の街から 桜、桜ヶ丘を通り、山麓の

新稲(にいな)に着くと・・・

一面に広がる稲田がまさに黄金色に輝き、刈り入れを待って

いる様相です。

 

先々週、高山でもう刈り入れを終えたりしていているのを

見ていたので、これからと言うのは意外でした。

 

  実るほど頭を垂れる稲穂かな・・・

 

そんな教訓を与えてくれるような姿を見とれていて、

ふっと見上げると、前方あちこちに現代風案山子が立って

いて、思わずそのモダンカカシに噴出してしまいました。

時代は変わるものです・・・

 

あぜ道にはヒガンバナが咲き終わり、珍しくノゲイトウが

咲いています。

土手には野菊のヨメナ、紫色したアキノタムラソウ、

カリガネソウ、ツリガネニンジン、ツユクサなど、

紅色のマルバルコウ、ミズヒキ、オオケタデ、

黄色のアキノキリンソウやセイタカアワダチソウ、

アキノノゲシなど等、秋の野草が花を咲かせています。

子猫が喜んでじゃれるエノコログサが群生し、一つ手にとって

みると、子犬の尾っぽのようで可愛い手触りです。

 

再び実れる稲田を見ると、頭上をスズメや野鳥が嬉しそうに

飛び交っています。

それを防ごうと稲田に網をかぶせている所、キラキラ輝く

テープを張っている所、カカシを随所に立て電子策を

設けているところ、何もしないところ・・・まちまちです。

 

以前、農家のご夫婦とここで話をしていると・・・

丁度 ものすごいスズメの大群が稲田の上空を舞っていて・・・

 

   「もう諦めですわ!

    私ら神経使ってもう心身ともにすっかり参りました。

    だからもうスズメの分も半分耕作しているつもりで

    割り切ってやってます・・・」

 

と笑っておられたが、そう言っていたあのご夫婦の稲田には

逆にスズメを一羽も侵入させないぞ! と思わせるような

しっかりとした網で全体を覆っていました。

方針転換で、逆にスズメに対して挑戦状を出したのかも

しれません?

昔からスズメと農家の攻防は、現代も変わらないようですね。

 

大きなクスノキやユーカリの木が伐採されたり、小さな森が

皆伐されて貸し農園や畑になったりして、この山里も少し寂しく

なりました。

 

その先の千里中央駅前には、50階建てのマンションが聳え立ち

、その西北方遠望には大阪都心の高層ビル群が林立して

いるのが見えます。

ここはまさに大都会近郊の別天地!

貴重な自然空間といえます。

 

山麓沿いの廃屋牛舎に立ち寄ってみると・・・

かつてのあの牛の鳴き声が、なんともいえないのどかな雰囲気を

かもし出していたのを懐かしく思い出します。

  

道を挟んで前の畑いっぱいにコスモスが満開に花を咲かせ

小雨交じりの秋風に大きく揺れています。

ミツバチ採集箱が置いてあります。

箕面山麓の花々から採集した蜂蜜を、一度味わってみたい

ものです。

 

そんな思いでいると台風の影響か?  小雨が降ってきました。

また一雨ごとの季節の移ろいを感じる季節になってきた

ようです。

’13 10・3

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箕面の渓流よ 再び・・・!

2020-08-26 | *編集・秋/10月

箕面の渓流よ 再び・・・!

 外院の里山から勝尾寺山門へ向かう旧参道の山道は、昼なお暗き

うっそうとした森かと思えば、東に生駒山、金剛山の山並みが開けて

見える所や、春には雑木林の新緑がとてもきれいで、夏には小鳥の

さえずりが響き渡り、秋のうっとりする紅葉・・・

そして、冬には落葉した後に明るい太陽が山道を照らし・・・ と

 

私はこの山道をいつ歩いても、これが同じ道かと思うほどに季節ごとに

様相が変るのでいつも飽きる事がありません。

 

今日も、コナラ、クヌギ、アラカシなどのドングリとともに黄色や茶色く

なった葉っぱたち・・・

ヤマザクラ、カエデやモミジなどの色づいた葉っぱと共に、山道に

ひらひらと落ちてきています。

杉やヒノキ林を通り、大きな急坂などのアップダウンも特になく、かつ

変化にとんだこの旧参道は昔から数多くの人達に親しまれた山道と

思われます。

 

しばらく歩いていくと途中でくの字に曲がった所に山水がチョロ チョロと

流れ出ているところがあります。

私は夏場など特にここで一休みしながら手や汗の流れ出る顔を

洗ったりしています。 

冷たくてとても新鮮がいい山水です。

 

その時、上から下ってこられた一人の私と同年輩ぐらいの方が・・・

 

    * この水場・・・飲めるらしいんやけど・・・ワシはよう飲まんけ

       どな!  

・  なぜ・・?  この上にゴルフ場でもあるんですか・・・ と 私。

 

ゴルフ場では芝生の管理上、大量の農薬を散布するので、そこから流れ

出る山水には高濃度の農薬が混ざっているから谷川の水でも飲めない

よ・・・ とよく聞いていたからですが・・・。

 

    *  いや、それは知りまへんけどな・・・ この近くは昔から

       お寺の山ばっかりやから ゴルフ場はありまへんな・・・ 

    *  もうこの20何年間毎日この道歩いてあるいてまんねん・・・ 

・ 毎日ですか?  それはすごいですね!

    * そや・・・! けどな、この水も昔はもっとよおさん流れとったな

       この前の方は水で池になっとたがな・・・  最近なんでかな? 

       どこも水があんまり流れとらんな・・・ 

       しかし、ワシは山ん中で水を見ると ホッ!と しまんね・・・

      ええもんだっしゃろ・・・ 

       あの流れてる音・・・ 聞いてるのがワシ好きでしてんけどな

       今は水が少くのうなりましたな・・・ 

 

お一人で昔を懐かしむように、独り言のように話しておられたかと

思ったら・・・

 

    *  ほんな・・・ゆっくりと・・・と、言いながら去っていかれました。

 

確かに、私も山の中での谷川、渓流を見るのが大好きですからつい

見とれてしまう方なので、おじさんのつぶやきがよく分かります。

白い水しぶき、岩にぶつかり飛び散る激しさ、サラサラとした軽快な

流れ・・・  箕面の森の中でそれを見るのは少なくなってきましたね。

 

落合谷やうつぎ谷、四反田谷もここ数年 水量が減ってきました。

地獄谷、風呂ケ谷、谷山谷、長谷、梅ケ谷、前鬼谷、後鬼谷、

茶園谷、清水谷・・・など、私の知る限りどこも最近、水量が少なく

枯れ果てたような場面を見るときもあり淋しくなる事があります。

 

10数年前、私が初めて箕面の森を歩き始めた頃は、見る物全てが

感激と感動でめずらしく・・・ 時々ビデオを片手に景色を撮っていました。

それを先日、久しぶりに取り出してきて見ていたら、先程の旧参道の

山水も含め、各谷川にももっと沢山の水量がありました。

僅かの年月の移り変わりにはビックリしてしまいます。

 

箕面トンネル(グリーン ロード)の工事の影響もあるのでは・・・? 

と、以前テレビの特集番組を見て人災かも? と、初めて知りましたが

、そればかりでなく山全体の保水力が減少している・・・ とか? 

山や森の手入れを怠ってきたツケだと言う人もいるし、地球環境の変化

によるもので大局的なものだと言う人もいて・・・

その真意や理由は専門家でもよく分からないのが現状なのでしょうね。

 

でもまだ、箕面川の流れはいつもその流れを楽しむ事が出来ます。

私は雨の降った翌日などによく箕面川の上流へ向かって川沿いを歩く

ときがあります。  少し水は濁っていますがその激しい岩にぶつかる

水しぶきに感情的な生き物を感じる時があります。

またある時は、静かな清らかなサラサラとした流れるような澄んだ水に

思わず手をつけてみることもあります。

 

私の生まれ育った信州・安曇野(あづみの)には清らかな地下水を

利用したワサビの栽培が盛んでした。

日本アルプスの雪解けの冷たい水が生育にはいいそうです。

だから私は川の水も手ですくって当たり前のようにいつも飲んでいました

、岩清水と言うんでしょうか・・・ とても美味しいです。

 

そう言えば先日、東海自然歩道から泉原方面へ下っていく途中に岩場

から湧き水が出ている所があり、ポリバケツを沢山持った人々の

行列ができていました。

茨木からの行き止まりの道には車が10数台停まっていました。

私が水について近くの人に尋ねてみると・・・

 

  「この湧き水でコーヒー沸かしたら最高ですワ!」

  「この水でご飯たいたら美味いことなんの・・・」

  「この水に生け花さしといたらな・・・3週間ももつねんで!」

  「あの人らな・・・プロのコーヒー店の人やねん・・・毎日来てはるワ!」 

等など・・・

 

みんな美味しい水を求めているんですね・・・

しかし、その横に掲げられている行政からの注意看板が目に付き

ました。

なんと! 「・・・この水は検査の結果・・・飲料不適格・・・」 云々の

警告文字と共に、大腸菌などの検査項目と共に数値が明記してある

ではありませんか。

しかし、そんな看板には誰も見向きもしない・・・

しかも看板は可哀想に蹴飛ばされたのか?  あちこちへ込んでいる

のでした。

 

長年、美味しい水として飲んできた岩清水が今更・・・ 不適格 ? 

ふざけるな・・・! と言った感情なのでしょうか ?

でも、そんなことにはお構いなしに いつもの如く美味い水を並んで

汲みつづけている人達を、私は複雑な気持ちで見つめていました。

 

しかし、いつ頃からそんな飲料不適格になるような害菌が自然の岩肌に

染入るようになったのでしょうかね?

箕面の谷川の水量減少といい、嫌な自然の変動、変化を身近に感じで

何とも嫌な気持ちになってしまいました。

   箕面の渓流よ  再び! 

 と、切に願いながら 天に向かって叫ばずにはおれませんでした。

’13 10・24

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秋雨の森で・・・

2020-08-26 | *編集・秋/10月

秋雨の森で・・

 今日は朝から小雨模様です・・・

しかし、東海自然歩道に入り、尾根道を歩く頃には本降りになって

きました・・・

しっとりと濡れた、秋雨の森もいいものです・・・

 

まだ薄紅葉のもみじの葉先から、ポタリ! ポタリ! とゆっくり

落ちる雨の雫(しずく)は、絵になる秋雨の森の情景です。

 

大きな葉っぱが何枚も落ちてきました・・・ 

見上げるとホオノキから、雨に打たれて早まったのかな? 

枯れた葉がパラ パラ~ と落ち、根元にはその薄白い裏葉が

一面に広がり、暗い森の中をひときわ明るくしているように

見えます・・・

またそこへ、大粒の雨があたると、バリ バリ バリ・・・ と、まるで

小太鼓が鳴り響いているように聞えます。

 

歩いている山道の前の方で、 また前で・・・ 踊る葉っぱ連?

(あの、踊るアホウに、見るアホウ・・・の、阿波踊りを連想しました)

雨にあたったヤマザクラなどの枯れ葉が、あっちへ、こっちへ、と

ひっくり返り、森の中で踊っているように見えるのです・・・ 

 

ススキの穂にたっぷりの雨が留まると、急にポタリ! と、穂先から

貯まった雨水が下に落ちます・・・ すると、

それまで深々とお辞儀をしていた穂が、急に反り返るように

跳ね返り・・・

ちょっと重かったな! という感じに見えるのです・・・ 

 

雨の森を散策していると、いつもの森の風情がまた、全く変った

風情に見えてくるのも、なんだか面白いものですね。

樹木も 花木も 草々も 昆虫も 動物も・・・ 森で生きるもの全てに

とって、恵みの雨を、ありがたく享受して、静かな歓喜の中に

たたずんでいるように感じられます・・・

 

今日は休日なのに、雨の森を楽しむハイカーの皆さんは少ないよう

です。

やがて、開成皇子の墓(鎌倉時代~)のある最勝ケ峰(538.5m)に

着くと、この周辺には赤みがかった岩が多くあり、それが雨に

濡れて、その赤みが益々威光を放っているように見えます・・・

なんでも何億年前、ここは海底であったとか・・・

郷土資料館には詳細な資料があるので、調べてみたいものの・・・

今の私は、森の散策を楽しむことで満足なので、手が回りません。

 

 

清水谷林道で一人の年配の男性にお会いしました・・・

手にはビニール袋を下げています・・・

  「 こんにちわ!」

   「 こんちわ! よう降りますな・・・ 

      ホレ! これ、キノコですわ・・・」

   (そう言いながらビニールの中味を見せてくれました・・・)

  「 また、沢山のキノコですね・・・」

   (私の知っているもの、知らないもの、何種類ものいろいろな

    キノコが袋に入っています・・・)

  「 これ、みんな食べられるキノコなんですか?」

   「 たぶんね?」

  「 多分ですか?」

   「 まあ、たいがい大丈夫ですわ・・・ しかし、念のため帰って

       からチェックしまんねん!」

 

   「 これ! 食べられへんけど・・・ おもろいでっしゃろ・・・? 

  「 何です?  それは・・・?」

   (急に下のほうから取り出してきたのは、ドングリ位の大きさの

    真ん丸いもので、おおよそキノコとは思えませんが・・・)

   「 クチベニタケいいまんねん!  ホラ! みとくなはれ・・・

      こうして・・・ ここを指で押さえると・・・ この赤いとこ、

      見ときなはれや・・・ これ これ・・・ これですわ!」

  「 わー 口紅つけた女の人が、笑ってる顔ですね・・・」

   「 押さえてるのを弱めると、ホラ! 怒ってるみたい

       でっしゃろ!

       顔が変りまっしゃろ! 小さかったり、大きかったり、

       女の口紅やからね・・・ そやから、クチベニタケ(口紅茸)

       いいまんねん! 

       今日の土産ですわ・・・ ハハハハハ・・・」

 

そう言いながら、勝尾寺の裏山へ向かって上っていかれました・・・

しかし、あんなおかしなキノコを見たのは初めてです・・・

3日前に、マツタケと間違えて毒キノコを山から採ってきて食べた

ご夫婦が、食中毒で大変だった事が、新聞に出ていましたが・・・

先程のおじさんは・・・

   「 しかし、マツタケと間違うなんてありえへんがな・・・? 

      よっぽどのド素人ですな・・・」 

と 言っておられましたが・・・

 

キノコだけは生死がかかっているだけに、私は自分で採って食べる

自信は全くありません・・・

この原稿を書いている今も、お昼のニュースで・・・

ある旅館で、シイタケに似た毒キノコのツキヨタケを、キノコ汁にして

出された客が、食中毒で入院したとか・・・ 

旅館のプロでも間違うんですからね・・・ 恐!

 

私の小さい子供の頃は、田舎の寺の境内で遊んだ後に、

みんなとマツタケ、シメジ、マイタケ、エノキタケ、シイタケ、ナメコ

などなど、いつのまにか、食べられるキノコを知っていましたがね・・・

 

そんな採って来たキノコは、祖母が料理しておかずになりました・・・

野草などもそうで、小川のドゼウやフナなどの魚も同じで、どこの家も

野山の恵みを頂いたものです・・・

あの頃の知識は、特別に教えられたわけでもなく、昔は、子供

どうしや古老、家の者達から自然に伝授され、それぞれ肌で

覚えたもなのでしょうね・・・

 

それが、都会で半世紀以上も過ごすと、まったくその感覚はゼロに

なり、店に並んだキノコしか食べられなくなったのは、残念な事です。

 

 

シトシト雨が続きます・・・

少し霧のでた薄暗い森の谷間を一人歩いていると・・・ 

とても幻想的な雰囲気に包まれて・・・

まるで、スタジオ ジブリの世界に入り込んだ感覚です。

 

そんな時・・・

ふっと、先程見せてもらったクチベニダケの、あの小さな真紅の

おちょぼ口の口元が・・・ 急に、血の滴る大きな口裂け女に思えて

きたりして・・・ 

何だかそんな事を想像するだけで、自分が急ぎ足になっているのが

分かりました・・・

  「 だって!   こわいんだもん・・・! 」 

と、丁度、TVで叫んでいる人の気持ちに同感です・・・ 

’13 10・24

 


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箕面・外院(げいん)の里山から・・・!

2020-08-26 | *編集・秋/10月

箕面・外院(げいん)の里山から・・・!

 今日は箕面駅前から 「粟生間谷(あおまだに)」 行きのバスに乗り、

6ケ所目の「外院(げいん)」のバス停にて降りました。

この間、約10分少々ですが、歩くとアップダウンのある山麓線を私の足で

約90分かかりましたから、箕面の西から東への移動はもっぱらバスにして

います。

 

今日の阪急バスの運転手さんはめずらしく、一人一人の乗客にニコニコ

しながら ”ありがとうございます・・・” と、丁寧にお辞儀をしていました。

それに車内のマイクでもマニュアル的なものでなく、優しい言葉がけをして

注意を促しています。

私は何気なくそんな運転手さんの仕草を見ていると、それが自然に出て

いるのです・・・ 人間性ですね。

 

不思議なもので車内には温かい雰囲気が漂っています。

その証拠に、降りるお客さんは一人残らずみんな運転手さんに向かって、

  ”ありがとう・・・” と、言って降りていくのです。

私も ”有難うございました・・・” と言ってバスを降りましたが、リュックを

担ぐ私に向かっては ”気をつけていってらっしゃい・・・” との声を

掛けてくれました・・・  いいものですね!  

幸せ感の連鎖ですね・・・ 

気持ちのいい朝の始まりです。

 

バス停の先の皿池公園信号から北(左)へ向かうともうすぐ前に 

あたごの森、外院の森 がみえ、その手前に里山が広がっています。 

真っ青な秋空で雲ひとつない見事な快晴です。

 

土手には秋の野草がいっぱい、小さな花を咲かせているものもあります。

黄色、赤、紫、薄青・・・

フジバカマ、アキノキリンソウ、 ハルジオン、シラヤマギク、ノコンギク、

ヨメナ、ノブキ、セイヨウタンポポ、アキノノゲシ、ヤクシソウ、オミナエシ、

ウリクサ、キツネノマゴ、リンドウ、センブリ、テドメグサ、ナンテンハギ、

ヤノネグサ・・・ いろいろです。

 

   名も知らぬ土手に花咲く野草かな   (花詩)

 

なんて・・・ 作ったりしました。

 

ついこの前まで 「貸し農園」 とあった看板が新しく 「レンタル フアーム」 

と表記してあり クス! と 笑いました。

この方が何となく恰好が良さそうです。

畑にはいろんな野菜が少しづつ植えられています。

週末農業の方でしょうか? 

数人の方が不慣れな手つきで畑の手入れをしていました。

 

もうすぐ刈り入れ間近な稲田も広がっています。

実った穂をゆったりと垂れて今年も豊作のようですね。

でも、昨年同じ所を通った時は2ケ所で前夜にイノシシが暴れまわって

稲穂をみんな食べ尽くし、田畑がメチャクチャになっていたところに

出くわした事がありました。

今年は電気柵とネットで囲んであるので大丈夫のようです。

 

田舎の風情が大好きな私にとっては、この無粋な囲いには少々不満で

抵抗もありますが、農家の方々にとっては死活問題ですから仕方が

ありません。

あぜ道にはコスモス、ダリア、彼岸花・・・などが入り乱れて咲いています。

稲穂との取り合わせがまた美しい光景です。

その風情を一人のカメラマンの方が丁寧にとらえて撮影をされていました。

 

小さな池のほとりにある柿の木もいっぱい実をつけていますが

まだ青柿です。

コナラの木の下を通った時、風が吹いたかと思ったら上からドングリの

実がバラバラと一斉に落ちてきて私の帽子のひさしにも何個かがあたり

地面に落ちました。

このドングリも一期一会・・・何かの縁だな・・・と、その数個を拾いポケットに

入れました。

帰って家の庭に埋めておけば春になると愛らしい新芽を出してくれる

はずですが・・・?

少し大きくなったらまたこの近くの森に植えてあげましょう。

 

やがて大きな農業用貯水池があり、その土手を上がっていって振り向くと、

大阪が一望できるのです。

東から生駒山、金剛山・・・泉南の山々まで今日はよく見渡すことが

できます。

池では若い釣り人が一人糸を垂れていました。

 

足もとの草むらにはバッタが飛んでいます。  なつかしい・・・

さわやかな風・・・ すこしヒンヤリとした明らかに初秋の便りです。

東側の森の向こうの丘の上には大阪大学(箕面キャンパス)に統合された

旧大阪外国語大学のキャンパスが見えます。

 

遠くから枯草を燃やしているらしく淡いけむりが稲田から漂ってきました。

ノンビリをクワを担いだ農家の方が前のあぜ道を通っていきます。

穏やかな初秋の朝の里山です。

リュックを担いだご夫婦連れが一組、山に向かって歩いていかれました。

私もそろそろ今日の森の散策に出発しましょうか・・・

 

いつもの如く、ゆっくりと回りの景色や樹木の様子、木漏れ日、落ち葉、

地層、岩、小鳥のさえずり・・・

いろんな事を楽しみながら、浸りながらの散策が私のスタイルですから、

何人かの人たちが挨拶をしながら私を追い越していきます。

走っていく方、ご夫婦連れ、80歳? 近いような元気な老人、マウンテン

バイクをこぎながら・・・

今日はお天気もよくいろんな方が行き交います。

 

 

この外院から勝尾寺への山道、約6kmを毎日365日休みなく往復して

いる方が何人もいると聞いてびっくりしたものです。

箕面駅前から箕面大滝までの約6kmも同じように365日毎日歩くのを

日課とされている方も多くいると聞いていますから皆さんお元気ですね。

 

この山道に、まだ青い小さなイガをつけた山グリがいっぱい落ちて

いました。

しゃがんで手にとってみるとイガが痛くてもつのも大変・・・

しかし、そんな痛いイガをどうやってむいて中の栗の実を食べたのか? 

実は一つもありません。

こんなに痛いイガをもった栗をどんな動物が、どんな方法で中の実を

だして食べるのか?   不思議でなりません・・・見てみたい・・・。

 

そんな思いに耽っていた時・・・

突然大きな声で 「おはようございます・・・」 との声。

振り向くと白装束の山伏の方が立っておられる・・・。

 

おはようございます・・・ご苦労様です・・・ と 応えたものの 突然の

大声と白装束姿にしばしビックリして心臓パクパクでした。

私と同年輩位の山伏の方は元気に足取り軽く山を下っていかれました。

同じ山道をいろんな方がいろんな目的や楽しみを持ちながら歩かれている

のだな・・・と、改めて感じ入りました。

 

やがて最初のベンチに到着です。

東の方を双眼鏡で見ていると、稲田の間を新しくできた街、「彩都(さいと)」 

へ向かう モノレールが走っていくのが見えました。

 

箕面の山野を切り開く大規模な開発と新しい街・・・

かたや、森を追われた動物達の被害に悩む農家の方たち・・・

 

なにか複雑な仕組みの中で、次々と失われていくかけがえのない自然や

生き物の大きさ、生態系の変動を感じざるを得ませんでした。

 

 

そんなことばっかり考えて歩いていると、山道にでていた木の根っこに

足を引っ掛けて前のめりで バタン!    

私は足の痛さよりも ああ恥かしい・・・!

幸い見ていたのは、その直後にギャーギャー鳴いたヒヨドリの

冷やかしぐらいでしたからホッ! と、しましたが・・・ 

’13 10・21

 

  


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森の衣替え!

2020-08-26 | *編集・秋/10月

森の衣替え!

 今日は体育の日ですね・・・

その為でもないのでしょうが、里山を歩いていると、ランニング姿で

ジョギングをしている方が多く見られました。

 

新稲(にいな)の里の旧牛舎の前には、一面のコスモス畑が広がり、

色とりどりのコスモスが秋風に揺れてきれいです・・・ 

抜けるような青空の色と、コスモスの色が対比して、それは美しい

光景です。

その隣の畑では、小学生達が親子共々土と格闘しながら、

サツマイモ堀りを楽しんでいます・・・

サツマイモが好物の私としては、ちょっと羨ましい光景です。  

と言っても終戦直後のその昔は、みんな食べる物がなく、日々

サツマイモだった懐かしさだけなのかもしれませんが・・・ 

そう言えば、あの葉の下の茎までもよく食べていた事を思い出し

ます。 

ちょっと古いですね・・・ 今はいい時代です。

 

やがて稲刈りをしている所に出ました・・・

見ると家族総出といった感じで、幼い子供たちも手伝っています。

そう言えば、この田んぼはこの5月だったか、田植えの時期にも

総出で稲の苗を植えていた事を思い出します・・・

私は懐かしく、しばし見学させてもらいましたが・・・ それ以来、

ここを通るたびに何となく稲の成長を気にしてきました・・・

そして今日はその刈り入れの日なのですね・・・

今年も豊作のようです

私も他人事ながら、嬉しい気持ちで刈り入れ作業をしばし見ていま

した。

 

今日は平和台の住宅地の裏から森へ入ります・・・

クヌギ、コナラ、カシワ、アベマキなど、ドングリのなる木が沢山あり、

山道にもいっぱいドングリが落ちてきています・・・

どうやら今年も森の木の実も豊作のようで、動物達も一安心です?

 

ブ~ン ブ~ン

あれ!

頭上を見ると一匹のスズメバチが飛んでいます・・・ どうやら私への

偵察のようです・・・

丁度、今朝のTVニュースでマツタケ狩りの男性が一人、

スズメバチの大群に襲われて死亡・・・なんて! 物騒な報道を

していましたから緊張しました・・・  ここは静かに後退です・・・

やがて、こいつは敵ではなさそうだ!・・・ と判断したのか?  

遠ざかっていったので、 ホッ! とため息です。

 

今の時期、森には繁殖期の生きものが多くいて注意が必要・・・

との事。

スズメバチへの防衛策としては、

(1) 黒い服を避ける・・・ 熊やクマタカなどが巣を襲うので、黒い

   天敵と間違われる

(2) 臭い・・・香水などをつけない・・・ 攻撃フェロモンが刺激

    されて、敵がやってきたと感ずるとか

(3) 巣に近づかないのは勿論の事だが、大声やざわめきなど音を

   出さない

(4) 帽子やステッキなどで振り払ったり、追い払わない・・・ 

   攻撃されたと思い、逆に襲ってくるとか・・・

とにかく見つけたら静かにしゃがみ込み、じっとしている、そして

徐々に遠ざかるのみ・・・ と、TVでは解説していました。

 

そんな事を思い出しながら歩いていくと・・・

   「こんにちわ!」

不意に、下のほうから駆け上がったきた一人の女性に声を掛け

られてビックリ!

振り返ると、あっと言うまにもう上のほうへ駆け上がっていき

ました・・・

野山を駆け走るスポーツを何と言う名称で呼ぶのか知り

ませんが・・・ クロスカントリー? トレッキング?

体にフィットしたウエアに黒いスパッツスタイル、腰にピンクの水筒

れ、白いスポーツシューズ・・・  ポニーテールの黒髪が

可愛い・・・ モデルさんのように美しい人だったな・・・

一瞬の交差にしてはよく覚えているものです。

過ぎ去った後にはいい香り・・・ 高級そうな香水です。

 

しかし、一瞬!  あの人、大丈夫かな?  と、思いました・・・

それは、今まさに注意! と思っていた悪条件をみんな満たして

いるからでした・・・ 黒い衣服に黒髪、香水、走るざわめき・・・ 

動作です。

心配になりましたが、それでなくとも遅いドンカメの私が、

ひょいひょい山道を走り回るウサギさんを追いかけられる

わけもなく・・・ 

ただスズメバチに襲われないように無事を願うのみです。

それにしても山を走る人々は、どんな肺活量をしているのかと、

いつも驚いてしまいます。

 

 

山の中腹から振り返ると、木立の間から箕面、豊中、大阪市街が

一望見渡すことが出来ます。

深呼吸をすると、肺の中に少し冷たい秋の空気が入り気持ちが

いい・・・

東側の山道には、ススキの穂が風に揺られて、秋の風情を与えて

くれます・・・

 

  「お好きな服は・・・?」

何のこと・・・?

 (お) オミナエシ、

 (す) ススキ、

 (き) キキョウ、

 (な) ナデシコ、

 (ふ) フジバカマ、

 (く) クズ、

 (は) ハギ・・・ と、秋の七草ですね・・・

そんな草花を探しながら歩くのも愉しみの一つです。

 

「憩いの丘」から六箇山方面に向かい、途中から「水沢コース」へ

左折し、水沢の谷へ入りました・・・

夏とは違う、もう秋の鳥たちが盛んにさえずっていますが、いつもの

如く名前と鳴き声が一致しなく中々覚えられませんが・・・ 

ヤマガラ、シジュウガラ、メジロ、コゲラ、いつものヒヨドリ、

アトリ・・・?  

このぐらいでやめておきます・・・ 

 

この谷にはイロハモミジの木が沢山ありますが、一般の方はまず

来ませんから、いつも殆ど一人でモミジ狩りを楽しんでいる

所です。

まだまだ葉は真緑です・・・しかし、ヤマモミジなのか? 

違う種類なのか?

一部で薄紅葉が見られます。

今年はいつ頃、あの見事な鮮やかな紅色に染まる紅葉が見られる

事でしょうか?

 

細い山道を上り下りしていると、時折きれいな色の枯れ葉が落ちて

います・・・

今はクモも繁殖の時期で、いたるところに巣を設け、網を張って狩り

していますが、そのクモの巣にきれいな枯れ葉が何枚か引っか

かっていて、その葉が宙に浮いているように見えます。

クモにとっては迷惑な話ですが、その幻想的なスパイダーアートには

見とれてしまいます・・・

まさに、こんな自然の芸術を楽しめるのも、秋の森の醍醐味です。

 

何年か前の晩秋の日に、ここでハーモニカを吹いていました・・・

吹きおわった時に、上空で強い風が吹いたようで、木立が揺れた

かと思ったら鳥(アトリと思うが・・・)の大群が一斉に飛び立ち

ました・・・

あっという間もなく、上空から大量の枯れ葉が頭上に降り注ぎ、

見る間に埋もれたデッドリーフマンになっていましたよ。

私は、ハーモニカ演奏に対する、森の拍手喝采! と、後で

いいように思いましたが・・・ 

その一気に落葉する姿はまるで森のシャワーのようでした・・・

すると森が開けたように、明るくなっていた事を思い出しました・・・

季節の移り変わりを肌で感じます。

 

 帰り道・・・

あのきれいなうさぎさんは大丈夫だったかな・・・? 

つい、ふくよかな後姿を思い出してしまいました・・・

私の頭も心も浮世離れせず、どうやら人並みに正常なようです・・・?  

’13 10・17

 


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