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『カフーを待ちわびて』

2009年10月13日 | 映画(か行)
『カフーを待ちわびて』
監督:中井庸友
出演:玉山鉄二,マイコ,勝地涼,尚玄,瀬名波孝子,宮川大輔,
   ほんこん,白石美帆,高岡早紀,沢村一樹他

宝島社主催の「日本ラブストーリー大賞」というのがあるんだそうです。
審査員には柴門ふみや石田衣良がいるかと思えば、
大塚愛や成宮寛貴もいるという不思議な顔ぶれ。
本作はその第1回受賞作である原田マハの同名小説の映画化。

沖縄の離島、与那喜島(=架空の島。ロケ地は沖縄本島の今帰仁村)。
雑貨店を営む明青(あきお)は、
愛犬カフーとのんびりした毎日を送っている。
いつまでも独り者であることを友人たちに茶化されるたび、
興味なさげな態度を取るが、本当はその気がなくもない。
縁結びの神社で「嫁に来ないか。幸せにします」と絵馬に書く明青。

それから数日後、明青のもとに突然手紙が届く。
絵馬を見たらしい幸(さち)という女性からの手紙で、
「私をお嫁さんにしてください。近いうちに会いに行きます」と。

冗談に違いないと自分に言い聞かせる明青だが、
本島からの船の到着時間が近づくとそわそわを隠せない。
しかし、待っても訪ねて来る女性などなく、
やはり冗談だったのだと思った矢先、
目を奪われるほど美しくて若い女性がやって来たではないか。

しゃべり下手な明青は幸の真意も問いただせないまま、
同居生活がスタート。
料理も洗濯も上手くこなせない幸に、明青は振り回されるが、
毎日にささやかな幸せを感じるようになる。
あまりに可愛い幸に誰もがぞっこん、雑貨店は大繁盛。

同じ頃、島にはリゾート開発の話が持ち上がり、
島の出身で東京の大企業に勤める俊一が
土地の買収を進めるために島に戻ってくるのだが……。

沖縄っていいなぁと、ただシンプルにそう思える作品です。
実際はそうじゃないのかもしれませんが、
そこには穏やかな時間の流れがあり、
島の住人に腹黒い人は誰もいない。
都会にかぶれている様子の俊一ですら、
最後の最後にはバシッといいところを見せてくれます。

『山のあなた 徳市の恋』(2008)で美千穂役だったモデルのマイコが幸を演じていますが、
色が透けるほど白くて、完璧なまでにキレイ。
アメリカ出身とのことで、日本人離れしているようにも見えるのに、
『山のあなた』でもそうだったように、どこか「昭和」の雰囲気が。
それが本作のゆるりとした空気に合っていて、和みます。

エンドロールの後も絶対にお観逃しなく。

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