夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『リトル・ミス・サンシャイン』

2007年07月13日 | 映画(ら行)
『リトル・ミス・サンシャイン』(原題:Little Miss Sunshine)
監督:ジョナサン・デイトン,ヴァレリー・ファリス
出演:グレッグ・キニア,トニ・コレット,スティーヴ・カレル,
   アラン・アーキン,ポール・ダノ,アビゲイル・ブレスリン他

台風接近中ですが、陽の光あふれる作品を。

アリゾナ州郊外に暮らすフーヴァー一家。
勝ち組・負け組にこだわるリチャードは、
「9ステップ成功論」なるものを考案し、出版社に売り込み中。
しかし、色よい返事はもらえない。

息子のドウェーンは、そんな父親に反抗し、
家族と言葉を交わさないことを決意。
必要なことは筆談で。

娘のオリーヴは9歳。
ちょっぴり太めで眼鏡をかけた彼女の夢は、
美少女コンテストで優勝すること。
誰もが無謀だと思っているが、本人は大真面目。
ダンスの練習に明け暮れる。

オリーヴにダンスの指導をするのは、ヘロイン中毒の祖父。
一度は老人ホームに入ったものの、すぐに追い出される始末。

リチャードの妻、シェリルは、
こんな一家をまとめようと奮闘するが、
いつも苦労は報われない。

ある日、シェリルの入院中の兄、フランクが自殺を図り
(『40歳の童貞男』(2005)の童貞男がフランク役。絶品)、
ただでさえ危ういフーヴァー家に、
哲学者でゲイで、死にたい気分のフランクまで同居。

さて、そんなとき、
美少女コンテストの地区大会に出場したオリーヴが
繰り上げ優勝になったとの連絡が。
カリフォルニアで全国大会がおこなわれるのはこの週末。

オリーヴの夢は叶えたいけれど、飛行機代は工面できない。
かと言って、リチャードは運転の下手なシェリルに車を預けたくない。
リチャードとシェリルが家を空けると、
口をきかないドウェーンと、ヤク中のじいちゃんと、
また自殺を図るかもしれないフランクが留守番?
そんなこと、考えるだけで恐ろしい。

かくして一家はオンボロのミニバスを借りて
カリフォルニアへと向かう。

いきなりクラッチが壊れて発進不能かと思いきや、
修理工場のおっちゃんからアドバイスが。
この手の車は発進から2速まではクラッチがいるけど、
3速以上ではクラッチはいらん。
つまり、ある程度スピードが出るまで押せばいいんです。
押して始まる家族の旅。

いちばん心に沁みたのは、
オリーヴがドウェーンの肩を抱くシーン。
何も言わずに肩をぽんぽん。
言葉なんて要りません。

今年観たなかでイチオシ。

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