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『ブエノスアイレス恋愛事情』

2014年02月26日 | 映画(は行)
『ブエノスアイレス恋愛事情』(原題:Medianeras)
監督:グスタボ・タレット
出演:ハビエル・ドロラス,ピラール・ロペス・デ・アジャラ,
   イネス・エフロン,アドリアン・ナバロ他

前述の『鉄くず拾いの物語』のあと、なんともいえない衝撃でボーッとしたまま、
同じスクリーンにて2011年のアルゼンチン/スペイン/ドイツ作品を。

監督はアルゼンチン出身、故郷ブエノスアイレスを舞台に撮った長編デビュー作。
2005年に撮った同名短編が高い評価を受けての長編化だそうです。
全体的にキュートな印象の本作ですが、ところどころ眠かった。
もしかしたら短編のままのほうがよかったのかしらんと未見ながら思ったりもして。

ブエノスアイレスでひとり暮らしをしているマリアナ(♀)とマルティン(♂)。
(冒頭で述べられる住所によれば)同じ通りに住んでいる模様だが、
お互い面識はなく、ご近所さんであることももちろん知らない。

ふたりに共通しているのは「恐怖症」。
マリアナはエレベーターが怖く、マルティンは広場と人ごみが怖い。
そしてふたりとも、異性との別れが原因で、近ごろ人づきあいが億劫。

建築家のマリアナは、思った仕事にはありつけず、
今はショーウィンドウのディスプレイを手がけている。
肌を寄せ合う相手といえばマネキンだけ。
わかり合える相手を見つけるのは、まるで「ウォーリーを探せ」。
どうしてもウォーリーを見つけられないページがある絵本を捨てられない。

マルティンは幸いにしてウェブ・デザインの仕事が順調で、
家にこもったままの生活でもなんとかなっている。
買い物もすべてネットで注文して済ませているが、
つきあっていた女性が飼い犬を彼に預けたままいなくなったため、
散歩させてやらなければならないと考える。
散歩係をネットで募ると即座に見つかり、
広場恐怖症を克服するために、散歩係の女性と一緒に歩いてみることに。

こんなふたりが出逢うまで。

「近所に住んでいるのに、互いを知らない男女の物語」、
監督は「閃いた」そうですが、あまり珍しい感じがしません。
万国共通で思いつくことなのか。
『ターンレフト ターンライト』(2002)然り、『おと・な・り』(2009)然り。
どれも最後の最後に顔を合わせてハッピー・エンディング。
本作もやはりそうですが、この2作に比べると眠い。
再三眠気に襲われていましたが、ふたりがチャットを始めるころからお目々パッチリ。
ブエノスアイレスという街の風景も面白く、建築物にも目を惹かれます。

幸せな日に舞い上がり過ぎることなく、悲しい日をやり過ごそう。
そんなふうに決めていたマルティンとマリアナが出逢ったら。

主演のふたりはどちらもチャーミング。
優しいエンディングに胸がキュン。微笑まずにはいられません。

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