夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

今年観た映画50音順〈ま行〉

2014年12月28日 | 映画(ま行)
《ま》
『マイ・マザー』(原題:J'ai tué ma Mère)
もはや目が離せなくなった『わたしはロランス』グザヴィエ・ドラン監督。
2009年、彼が19歳のときのデビュー作で、昨年11月に公開、今年DVD化。
監督本人主演、自らの半自伝的な物語だそうです。
ユベールはカナダ・ケベック州で生まれ育った17歳、母親と二人暮らし。
ゲイの彼は、2カ月前から同じ高校にかようアントナンとつきあいはじめ、関係良好。
家に男を連れ込んでいるアントナンの母親も、ふたりの交際に理解を示している。
しかし、ユベールの母親にはそんな話は決してできない。
ユベールが許しがたいのは母親の存在で、着るもののセンスもインテリアのセンスも皆無、
食べ方にも品がなく、毎日毎日小言ばかり。
かつては母親のことが大好きだったはずなのに、今は話せばイライラする。
どうやって自分の気持ちに折り合いをつけてゆけばいいのか。
罵り合う母と息子の姿に不快感を煽られても不思議はないのですが、なぜかそうは感じず。
英題は“I Killed My Mother”で、意味をしみじみ考えさせられます。
やっぱり天才だと思います、この監督。

《み》
『南の島の大統領 沈みゆくモルディブ』(原題:The Island President)
2011年のアメリカ作品。昨秋、大阪はナナゲイで上映、気になっていました。
インド洋に浮かぶ1,200の島から成る小国モルディブ。
このまま地球温暖化が進むと、国ごと海に沈んでしまうかもしれない。
そんなモルディブで2008年に大統領に就任したモハメド・ナシードの任期1年目に密着。
彼が国消滅の危機と闘う話だと思っていたら、
彼の就任まで30年間、モルディブはガユーム大統領の独裁政権にあったと知ってビックリ。
美しいリゾート地だというぐらいの認識しかなくてすみませんでした。
本作を観て応援したい気持ちでいっぱいになったけれど、ナシードは2012年に辞任、
現在はまたガユームの親族が大統領だと聞き、悲惨な気分になりました。

《む》
『ムービー43』(原題:Movie 43)
ピーター・ファレリーの企画によるアメリカ作品。
脚本家のチャーリー(デニス・クエイド)が、映画会社社員のグリフィン(グレッグ・キニア)のオフィスを訪問。
自分の脚本を買えと言うが、酷い内容のものばかり。
グリフィンが断るとチャーリーは銃を持ち出し、脅すという手段に出て……。
チャーリー脚本の案として披露されるオムニバス作品は、お下劣きわまりなく、
よくもこんな話に超メジャー級の俳優ばかりが出演したとひたすら感心。
ケイト・ウィンスレットのデート相手のヒュー・ジャックマンののどぼとけがまるでタマ袋だったり、
クロエ・グレース・モレッツがボーイフレンド宅で初潮を迎えてドタバタしたり、
ハル・ベリーとスティーヴン・マーチャントがブラインドデート、
月並みな会話はつまらないと「真実と挑戦ゲーム」で無茶をしたり。
こんな豪華キャストなのにひっそり公開して大コケしたのも納得。
みんなたまにはこんなおバカに走りたくなるのかも!?

《め》
『名探偵ゴッド・アイ』(原題:盲探)
ジョニー・トー監督による香港作品。
盲目のジョンストンは、卓越した推理力を持つ名探偵で、数々の難事件を解決してきた。
しかし、その性格は問題があると言わざるを得ず、自己チューこのうえない。
そんなジョンストンに、女刑事のホーが少女失踪事件の捜査を依頼。
ホーは、かつて自分の友人で、突然姿を消してしまった少女がどうなったのか調べたいと言うのだ。
肉親の遺産を相続して金には不自由していないホーは、このために休暇を取り、
ジョンストンの助手として捜査を始めるのだが……。
コミカルなアンディ・ラウの演技に目が釘付け、
サミー・チェンとのコンビも楽しく、130分の長さは感じません。満足度高し。

《も》
『燃える仏像人間』
ナナゲイで上映していたさいに気になって仕方がなかった作品。
京都在住の新人クリエイターだという宇治茶氏の長編デビュー作だそうで。
実写シーンもある摩訶不思議なテイストの人形劇風アニメ。
寺のひとり娘・紅子が帰宅すると両親が惨殺されていた。
両親の古い知人だという別の寺の住職・円汁が紅子を預かると申し出てくれるが、
実はこの円汁こそが両親を殺した犯人で……。
仏像と人間を融合させて、より優れた生命体になり、世界を征服しようとしている円汁。
人間と千手観音が融合したらどんなことになるか想像してみてください。
それが映像で表現される気味悪さ。しかも動きは人形劇。
確かにユニークではありますが、私はもうこれ1本でじゅうぶんなのでした。

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