夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ごめん』

2010年03月04日 | 映画(か行)
『ごめん』
監督:冨樫森
出演:久野雅弘,櫻谷由貴花,佐藤翔一,栗原卓也,國村隼,
   河合美智子,森毅,伊吹友木子,斎藤歩,小牧芽美他

『かぞくのひけつ』(2006)が大阪・十三なら、
こちらは庄内を舞台にした2002年の作品です。
大阪の北摂地域に縁のある方ならご存じかと思いますが、
庄内は豊中市。阪急宝塚線の駅のひとつです。
豊中市でありながら、淀川を越える一歩手前の庄内は、
ほかの豊中市の町よりも大阪市の色が濃く、下町の風情が漂います。
その商店街は、35年前の『週刊朝日』に東京の商店街と並んで紹介されたほど。
大阪ではここだけでした。

さて、『かぞくのひけつ』は、
童貞なのに性病かもしれないと悩む高校生が主役でしたが、
本作は、初めて精通を経験してトイレに駆け込み、
「おしっこちゃうやん!」とビビる小学校6年生のセイが主役。
キャッチフレーズは、「男のイタミは、大人のシルシ」。

庄内(という紹介はありませんが)の寺に生まれたセイは、
最近、体の変化にとまどうばかり。
洗濯に出せないパンツを部屋に隠しておけば、
あけすけ過ぎる母親に見つかってからかわれる。
住職である父親は、男の気持ちも考えろと母親を諭してくれるが、
母親はおもしろがるばかり。

ある日、京都の桂に住む祖父母宅へ遊びに行ったセイは、
立ち寄った漬物屋に居合わせた少女に一目惚れする。
なんとか彼女と話すところまでこぎつけ、名前はナオコだと知るが、
中学2年生だと聞いて愕然。なんで年上やねん。
しかし、セイのナオコに対する想いは募るばかりで……。

淡い恋心を可愛く描いた、愛すべき作品です。
思いきってナオコに告白するも玉砕。
さらには、できれば避けたいタイプの同級生女子から好きだと言われ、
どうして好きな人には好かれずに、好きではない人から好かれるのかと涙します。
國村隼演じる父親と土手に並んで座るシーンにはジンワリ。
「お父さんは振られてばっかりや、振るなんてたいしたもんや」と笑う父親は、
「恋でけたっちゅうのはすごいことやで。
一生恋でけへん人かておるんやから」と言います。

下ネタは確かに多いですが、どれもコミカルで憎めません。
担任の女教師や同級生たちもナイス。

「大人になるのって、ちょっと嫌やないですか?
勝手に大きなって、僕の言うこと全然聞いてくれへんし、
上手くつきおうて行く自信がないんですわ」。
何の話かはご想像どおり。(^^;

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『ロフト.』 | トップ | 『あの日、欲望の大地で』 »

映画(か行)」カテゴリの最新記事