夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

今年観た映画50音順〈ま行〉

2012年12月28日 | 映画(ま行)
《ま》
『マルティナの住む街』(原題:Primos)
スペイン作品。昨年のラテンビート映画祭にて上映され、今年DVD化。
結婚式に花嫁が現れず、傷心のディエゴは、
従兄弟のフリアン、ミゲルとともに、青春時代を過ごした村を訪れる。
10年前にディエゴが恋い焦がれ、童貞を捧げたマルティナを必死で探すつもりが、
そのマルティナといとも簡単に再会。恋心が再浮上する。
ナンパなミゲルは昔世話になった貸しビデオ屋の親父と飲み交わし、
神経症のミゲルはマルティナの幼い息子と意気投合し……。
下ネタ満載ながら心がぽかぽか。元気がもらえること間違いなしのコメディ。

《み》
『未来を生きる君たちへ』(原題:Haeven)
2010年のデンマーク/スウェーデン作品。
第83回アカデミー賞外国語映画賞受賞作。
デンマークで母親と弟と暮らす少年エリアス。
大好きな父親はアフリカの難民キャンプで医療活動に奮闘し、
デンマークに帰国しても別居している。
矯正中の歯をネズミ顔だといじめられているエリアスは、
転校生のクリスチャンに助けられて親しくなるが……。
原題は“Haeven”で、「復讐」の意。
この邦題には違和感がありましたが、復讐によって起きる事故から先を見れば、
希望に満ちた良い邦題だと思えます。佳作。

《む》
『無言歌』(原題:夾辺溝)
2010年の香港/フランス/ベルギー作品。
今年観た作品でいちばん暗いと感じたのはおそらく本作。
1949年に中華人民共和国を建国した毛沢東は独裁体制を確立。
1956年には共産党に対する批判を歓迎したものの、まもなく方針を一転、
批判した知識人たちを右派分子として辺境の地へと送ることに。
甘粛省に位置するゴビ砂漠の収容所「夾辺溝」に送られた者たちは、
労働教育と称して枯れた土地を来る日も来る日も耕すように指示される。
食事もろくに与えられず、不衛生きわまりない生活ゆえ、次々と死亡。
そこへ収容中のはずのある男の妻が訪ねてくるのだが……。
ひもじさが人を人ではなくしてしまう姿。
近隣地で食糧と交換するため、埋められた死体からは衣服や布団が剥ぎ取られます。
ときには死者の肉がそぎ落とされていることも。
得体の知れない木の実やネズミまで食べるから、吐き気に襲われますが、
その吐いたものの中から食べられそうなものを選ります。
悲しいより先に気持ち悪さを感じてしまった自分を嫌悪。

《め》
『メン・イン・ブラック3』(原題:Men in Black III)
説明不要の大人気シリーズ、第3弾。
地球の秩序を守るべくエイリアンの行動を監視する政府の極秘機関“MIB”。
長らくコンビを組んできたJとKだったが、ある日突然Kの姿が見えなくなる。
どうやら40年前にKによって投獄されたボグロダイト星人のボリスが脱獄。
タイムスリップによって40年前に戻り、Kを亡き者にしようとしているらしい。
そんなことはさせてなるものかと、Jも40年前の事件前日へタイムスリップ
若き日のKと出会うと、自分が何者であるかを信じさせ、
ボリスの陰謀を阻止するために行動を開始する。
笑って笑って最後にホロリ。シリーズの中でいちばん好きです。

《も》
『黙して契れ』(原題:Hermano)
2010年のベネズエラ作品。日本未公開。
カラカスのスラム街に暮らす少年フリオは、猫のような鳴き声を聞く。
そこには生まれたばかりの赤ん坊。
フリオの母親は一旦立ち去ろうとするが、結局見捨てられず、
フリオの弟として育てる決意をする。
ダニエルと名付けられた彼のあだ名はガト(=捨て猫)。
本当の兄弟以上に仲良く成長したふたりは、ともにサッカーが得意。
プロサッカーチームの目を引き、入団テストを受けることに。
ところが、テストの直前、ケーキを配達途中の母親が流れ弾に当たり……。
誰かが殺されるのも日常茶飯事のスラム街。
「兄さんとサッカーするのがいちばん楽しい」。
そんな弟の言葉がラストシーンの空に切なく残りました。

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