夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

麺づくりに燃える。(その1)

2010年11月25日 | 映画(番外編:映画と食べ物・飲み物)
最近観た映画の話をお昼休みにしていたら、
「こだわりの麺が出て来る映画をよく観てるよねぇ」と言われました。
どうやら私は「麺づくり」のシーンに遭遇すると、
それについて熱く語っているようです(笑)。

去年の夏に公開された『南極料理人』(2009)。
南極観測隊の調理担当だった西村淳のエッセイが基で、
「おいしいごはん、できました。
 氷点下54℃、家族が待つ日本までの距離14,000km
 究極の単身赴任」がキャッチコピーでした。

南極ドームふじ基地。
観測隊員として越冬することになった8名の男たち。
雲氷学者、気象学者、大気学者、雪氷サポート。
医療、車両、通信それぞれの担当者。
そして、調理担当の西村(堺雅人)。

鼻水も凍る過酷な地で、精神も肉体も疲労過多、
娯楽といえるものはわずか。
せめて胃袋は満たしてもらおうと、
西村は毎日懸命に献立を考えています。

この食事が本当に美味しそう。
シャケやおかかの入ったおにぎりにみそ汁。
特別な日には盛装でコース料理も。
フォアグラのテリーヌ、ヒラスズキのポワレ、ローストビーフ、
もちろんワインも一緒に。

立派な伊勢エビがあると聞いた隊員たちの頭の中は海老フライ。
西村は、海老フライには大きすぎると主張しますが、
「僕たち、気分は海老フライだからね!」とみんなから言われ、
渋々リクエストに応えた結果には大笑い。
また、乏しい火力で分厚い和牛を焼く工夫も笑えます。

通称タイチョー(きたろう)の大好物はラーメン。
ところが、夜食にこっそりラーメンを食べ過ぎたせいで、
まだ滞在日数を長く残した状態で、麺が底をついてしまいます。
春まで麺の調達は不可能。
「ラーメンが食べたいんだ。僕の体はラーメンでできてるんだぁ」と
タイチョーは泣いて訴えますが、
麺をつくろうにも、かん水がないので無理だと西村は言います。

数日後に、本さん(生瀬勝久)と卓球をする西村。
球を打ち合いながら、本さんが「ちょっと調べてみたんだけどさぁ。
かん水って何で出来てるんだ?」と西村に尋ねます。
化学記号と代用品のヒントを本さんから得た瞬間、
西村はラケットを放り出し、即座へ向かいます。

できあがったラーメンを目の前にしたタイチョーとほかの隊員たち。
オーロラ観測もそっちのけで、ラーメンをすすります。
そりゃもう、このうえなく幸せそう。
観ているほうまでホッコリ、ニッコリしっぱなしの作品でした。

もう1本は次回に。

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