夜な夜なシネマ

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『100歳の少年と12通の手紙』

2010年11月22日 | 映画(は行)
『100歳の少年と12通の手紙』(原題:Oscar et la Dame Rose)
監督:エリック=エマニュエル・シュミット
出演:ミシェル・ラロック,アミール,アミラ・カサール,
   ミレーヌ・ドモンジョ,マックス・フォン・シドー他

2008年のフランスの作品。現在公開中です。
原題は“Oscar et la Dame Rose”で、
「オスカーとバラ色の服を着た女性」の意。

白血病で入院中のオスカー、10歳。
同じく難病で入院している子どもたちと楽しく過ごしているが、
オスカーが重病だと知る大人たちは、
オスカーがどんないたずらをしでかそうとも叱らない、笑わない。

ある日、オスカーは予定外に両親が来院しているのに気づいて喜ぶ。
ところが、院長と両親の話をつい立ち聞きすると、
骨髄移植に失敗して、もう手の施しようがないらしい。

涙に暮れる両親は、オスカーに会う勇気がないと帰ってしまう。
しかも、両親が来院したことも、オスカーの命のことも、
院長たちはオスカーに明かそうとしない。
傷ついたオスカーは、誰とも口をきかなくなる。

まさかオスカーが立ち聞きしていたとは思わない院長は、
オスカーの態度に合点がいかない。
「誰となら話をするか」と問うと、「バラ色の女性となら」。

バラ色の女性とはいったい誰なのか。
婦長は、その朝、宅配ピザの宣伝に来た中年女性に思い当たる。
早速連絡を取ると、ローズという名の口の悪いその女性は、
死にかけの子どもの話し相手だなんてまっぴらごめんだと言う。
そこで、ピザの注文と引き換えにオスカーの話し相手になることに。

オスカーから「何日間来てくれるの?」と尋ねられて、
「12日間」とつい正直に答えてしまうローズ。
自分の命があと12日なのだと知ったオスカーに、
ローズは、1日に10歳、年を取ることにしようと提案し……。

ローズはオスカーの背中をそっと、でも強く押します。
15歳になったんだから、好きな子に告白しなきゃ。
33歳で浮気を疑われたら、ちゃんと仲直りしなくちゃ。
それに応えて、人生を謳歌するオスカー。
原文がどうなっているのかはわかりませんが、およそ10歳らしからぬ、
「遊びすぎたつけがまわって」なんて言い回しも楽しく。
ファンタジーの要素も多く含んでいて、泣き一辺倒ではありません。

その昔、ちょうどオスカーぐらいだった知り合いの男の子が、
「生まれ変わったら僕の子になりな。めっちゃ可愛がったるから」と
言ってくれたことを思い出しました。

人は長生きできたとしても、人生を楽しむセンスが必要。

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