夜な夜なシネマ

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『15歳、アルマの恋愛妄想』

2013年07月10日 | 映画(さ行)
『15歳、アルマの恋愛妄想』(原題:Fa Meg Pa, For Faen)
監督:ヤンニッケ・シースタ・ヤコブセン
出演:ヘレーネ・ベルグスホルム,マーリン・ビョルホフデ,ベアテ・ステフリング,
   マティアス・ミーレン,ヘンリエッテ・ステーンストルプ他

2011年のノルウェー作品で、日本では春先に公開。
5月末よりTSUTAYAにて独占レンタル中です。

タイトルもジャケットも前述の『できる子の証明』よりよほど怪しい。
けれどもこちらはめちゃ爽やか、終始楽しく観ました。
下ネタはこういうふうにまとめてほしいもんだよぉ。

それと、この手の作品に嫌悪感が生まれるかどうかは、
役者陣の見た目によるところも大きいなぁと、失礼ながらハッキリ思いました。
本作の若い出演者は女子も男子もみんなキュートです。

ノルウェーの片田舎、母親と二人暮らしの15歳の少女アルマ。
学校はそれなりに楽しいが、何もないこの町では毎日がつまらない。
退屈しのぎに、母親の留守中にテレフォンセックスサービスに電話。
性に対する興味は増すばかり、妄想もどんどん膨らんでゆく。

そんなアルマの目下最大の妄想は、同じ学校の人気者アルトゥールと抱き合うこと。
犬の散歩中に偶然アルトゥールに出会い、心が躍る。
アルトゥールもアルマのことが気になっているようだが、なかなか進展せず。

ある日、青少年会館でおこなわれたパーティーに、
アルマは親友のサラとその姉イングリットとともに出席。
ひとりで席を外して会館裏手にいたところ、
アルトゥールがアルマのあとを追って出てくる。

ところが、なんとなくいい雰囲気の中、信じられないことが起こる。
アルトゥールがいきなりズボンのジッパーを下ろし、
アルマの太ももにアソコを押しつけるではないか。
驚いたアルマは会館内に戻り、サラとイングリットに打ち明ける。
「アルトゥールにアソコで突かれた」と。

しかし、アルトゥールのことが好きな女帝イングリットは「あり得ない」と言う。
戻ってきたアルトゥールも即座に「そんなことはしていない」と否定。
アルマは学校でも近所でも嘘つき呼ばわり、「チンチンアルマ」とまであだ名を付けられ、
仲間はずれにされてしまう。
サラもイングリットのことが怖くて、アルマとしゃべることができない。
泣きたい気持ちを抑えるアルマだったが……。

孤立無援と思いきや、テレフォンセックスサービスのオッサンがざっくり相談に乗ってくれたり、
ゴスっぽいサラがこっそり会いにきてくれたり、
プチ家出してオスロまで行けば、大人がちゃんと話を聞いてくれたり。
ふっきれたアルマがアルトゥールの家に「このゲス野郎」と乗り込むシーンも○。

人気者の自分の立場を察してくれとでも言いたげなアルトゥール。
いまさらアルトゥールから好きだと言われて、きっぱりアホかと答えるアルマですが、
アルマのことをあきらめきれなくなったアルトゥールが、
最後に見せる誠意は爆笑もの。いいオチです。

「鑑賞後ほんのり癒やされる感じになる」というのは
こんな作品のことを言うんだと思うんですけど、原田裕司監督。

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