夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ザ・プレイス 運命の交差点』

2019年04月17日 | 映画(さ行)
『ザ・プレイス 運命の交差点』(原題:The Place)
監督:パオロ・ジェノヴェーゼ
出演:ヴァレリオ・マスタンドレア,マルコ・ジャリーニ,アルバ・ロルヴァケル,ヴィットリア・プッチーニ,
   ロッコ・パパレオ,シルヴィオ・ムッチーノ,シルヴィア・ダミーコ,ヴィニーチョ・マルキオーニ他

ナナゲイで『世界一と言われた映画館』を観て、
梅田阪急のB2でグラスワイン1杯とおつまみセット。
グランフロントを通ってシネ・リーブル梅田へ移動しました。
最近はムスリムの人たちもよく見かけます。
世界中のあちこちから観光に来られているのですねぇ。
 
イタリア作品。
監督は『おとなの事情』(2016)のパオロ・ジェノヴェーゼで、
アメリカの人気ドラマのリメイクとのこと。
2016年にシーズン1から3まで制作され、Netflixで放映されたそうな。
もとのドラマを観ていないので比べようがありませんが、
もともとイタリアのドラマだったかのようなヨーロッパ感が漂っています。
 
ローマのとある交差点角にあるカフェ“ザ・プレイス”。
分厚い手帳を手に一日中おなじ席に居座り続ける謎の男。
 
彼に相談事をしてアドバイスに従えば、どんな願い事も叶えられるという。
入れ替わり立ち替わりやってくる老若男女9人の訪問者の願いはさまざま。
認知症の夫に戻ってきてほしい、幼い息子の病を治したい、
美人になりたい、視力を取り戻したい、神の存在を感じたい、などなど。
 
その願いを叶えるためにはどうすればいいのかと問う訪問者たちに
謎の男が命じるのはあまりにおかしなことばかり。
爆弾を仕掛けよ、少女を殺せ、強盗せよ、妊娠せよ、強姦せよ。
客たちは非情な話で無理難題だと思いつつも、
自らの願いを叶えたい一心で、なんとか実行しようとするのだが……。

一見かかわりのない9人が相談に来ていると思いきや、繋がっています。
観ている間に、その繋がりが少しずつわかっていくのが面白い。
 
キャッチコピーは、「欲望の代償は、他人の運命」。
自分の欲望のために人は残忍になれるのか。
根っからの悪人は相談に来ないから、そこまで残忍にはなれません。
男の言うとおりにしようと努めた結果、見えてくるもの。
良い結果ばかりではなく、辛い結果も待っています。
 
謎の男の口数がとにかく少ない。
感情を表にも出さないようにしているけれども、微妙に見え隠れします。
そんな男を演じる主演のヴァレリオ・マスタンドレアをはじめとして、
イタリアでは有名な俳優が多く出ているようで。確かに巧い。
 
オリジナルのアメリカ版をものすごく観てみたいです。
きっとずいぶん空気はちがうのでしょうね。

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