新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

悲観論者の心配事:

2024-03-12 07:19:55 | コラム
我が日本国が心配なのだ:

昨今の自由民主党の乱れ方というか、次々と起こしている不始末の有様を見ていると、この状況は偶々何かの手違いで起こしたことではなく、この党と所属の議員と党員の質というか見識はそもそもその程度ではなかったのかと本気で疑いたくなってしまう。

昨日辺りから和歌山県連の青年部会で起こした事件(?)も恥の上塗りだが、この時期にそういう事案が外に漏れないような配慮も出来ず、無警戒だったのならば、最早言うべき言葉を知らない。

その自由民主党に(55年体制以来と言って良いのか知らぬが)国政を任してきた結果が、今日の政治の混乱と経済の衰退を招いたのかも知れないという気がしてならない。故安倍元総理が凶弾に倒れられて(は古いか?)以降、自由民主党の内部が制御不能に陥り、遂に岸田内閣の登場となってからは「収支報告書不記載問題」による混乱で、益々統制(党政)が効かなくなってしまったようだ。

経済も懸念されていたように、我が国よりも人口が遙かに少ないドイツにGDPで抜かれて世界第4位の経済小国に成り下がったと、マスコミ報道の好餌になってしまった状況。当方は常に岸田内閣の不始末を責めてきたが、経済の不振は必ずしも政治の至らざることだけにあるのではないだろう。経営者たちの劣化というか決断力の欠如もあるように思えてならない。

そのような我が国の状態を憂国の士・仏文学のTK博士は下記のように言って案じていた。

バブル崩壊以降、何の産業も育てられず、苦し紛れにやっているところがダメでしょう。民主党政権だけではなく、自民党政権も新しい産業を起こすことに失敗しているのでどこの政党がどうのというよりは、日本自体がもう衰退するしかないんでしょうね

私も「新しい産業が出てきていない」という点は同感である。何度も指摘してきたことで「アメリカでは製造業ではないGAFAMが周知の勢いで成長し、アメリカの産業界を支えてしまったかのような状態」なのに、我が方は「優れた製造能力と労働力の質を活かして良い製品さえ作れば、世界市場で通用し評価される」という製造業至上主義に未だに固執していて、第4位に成り下がったのかという感が拭いきれない。

見方を変えれば、当方が経験からも散々指摘してきた「アメリカの労働力の質が低いという欠陥」を見放したかに見えるGAFAMの成功を見れば、如何にITC化の急激な伸びが需要の在り方を変えてしまったような流れについて行ききれなかった、我が国の産業の立ち後れが明白だ。何度も指摘してきたことで、TSMCが熊本に進出したのが「人件費の安さ」もあったことを、政治も経済もより深刻に捉えておくべきだったと思う。

最早時代は「何か事が起きてから、それに対応する」のではなく「自分から流れを巻き起こして、世界乃至は他国か他者に追随させるようでなければ、成長・発展は望めないような仕組みなってしまった」ようなのだ。その時期にあって「党内での議員の処分」に時間を費やしているようでは、景気の回復は望めないし、政治への国民の信頼を取り戻すのは困難になるだけではないのか。日も暮れていないのに、道が遠くなっているのではないか。