新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

久しぶりに野球を語ろう

2024-03-06 07:19:19 | コラム
大谷翔平の動静以外に伝えることがないのか:

兎に角、テレビを点けれ朝から晩まで、大谷翔平が打ったの投げたのという話ばかりで、食傷気味だ。

当方はリーグ戦開始前のNPBだろうとMLBだろうと殆ど関心が無い。理由は簡単でマスコミが懸命になって伝えてくる事柄は、全て「練習」か「トレーニング」のことだからだ。打撃練習(「フリーバッテイング」っていうのは日本語だと思う)で大谷翔平が何百本ホームランを打とうと200m飛ばそうと、練習中のことで何の意味もないから。NPBの新入りの投手が150kmの速球を投げようと「練習中」の出来事である。特別に取り上げて報道する価値には乏しい。

現に大谷は、最初のpre-season gameの第一打席では、真っ直ぐを悠々と見送って三振した。試合後のインタビューでは「調整期間中であるから球筋やボールとストライクの見分けが出来ていたか、打つべき投球に手を出せていたかを見ていたが、順調に仕上がってきていた」と静かに語った。「なる程、大谷ともなれば、そういう調整法を採るのか」と思わせられたが、マスコミ報道はあのおかしなswingで反対方向に飛んだホームランのことばかり。

次の試合では、未だ大谷独特の目にも止まらないswing(「スイング」ではない)で打った訳ではなかったセカンドゴロが、不規則なバウンド(英語はbad hop)で二塁手が取り損なってもタイムリーヒットと騒ぎ立てる。彼等が報じるべきは「未だ調整期間中の大谷のバッテイングからは本来の打撃音も聞かれず、振り(swing)も万全の状態には至っていなかった」と伝えるべきだ。この期間の出来事を捉えて報道する意味はあまりないのである。

山本由伸についても同様だ。彼も未だ調整期間中で確か一試合に登板して2回だったか投げただけで、先ずは順当な仕上がりを見せていた。それだけのことだ。それを監督が抱きついて褒めたの、同僚が素晴らしいと讃えたのと報道するのも考え物ではないか。恐らく、他球団の偵察ティームが丸裸にしようと懸命にスカウテイングしていたはずだ。そういう点を観察して伝えなければ意味がない。

また、報道陣はアメリカ人たちの社交辞令の巧みさを心得ているのか考えさせられる。山本の投球を見た元々のDodgersの投手たちが「とんでもない競争相手が現れたと報じられていたが、現実に投球を見たら未だ問題がある」などと言う訳がなく、賞賛するのは当然だし、仲間への儀礼でもあるだろう。そのような文化というか礼儀の違いを弁えた報道をして欲しいと思うが、所詮は無い物ねだりかと思う。

今朝程もDeNAの度会という社会人から来た新人が打って走って大活躍と報じられていた。この現象にしたところで、相手ティームはどの球種を何処に投げれば打てるのか、欠点は何処か、走らせてみれば2塁まで何秒で到着するかのスカウテイングかも知れないのだ。故に、よく起こる現象はと言えば、リーグ戦前には大活躍だった新人をいざ本戦に使ってみればサッパリだったという事が何回もあったではないか。

大谷に話を戻せば、ナショナルリーグに移ってきたので、彼自身も慎重に交流戦でしか対戦してこなかった他球団を見極めようとしているのだろう。その見極め(スカウテイング)が終わって、彼本来の目にも止まらないswingが出来る状態になればbad hopに頼らない痛打が出るようになるし、ホームランも出ると見込んでいて誤りではないだろう。一寸気になるのはMLBの公式サイトでは「ホームランではリーグ2位止まり」とされていた点だ。

何れにせよ、この時期のマスコミ報道は割引して読むか、余り関心を持っていなくても良いのだ。即ち、一喜一憂する必要はないと思っている。彼等は冬場には良き材料がないのだから、一所懸命に取材しているだけではないのか。何の事はない、マスコミ報道の批判になってしまった。