暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

仙桃庵の茶事 (1)

2010年06月24日 | 思い出の茶事
梅雨入りの頃、仙桃庵の茶事へお招きいただきました。
仙桃庵は、ご亭主のMさんとご主人のIさんが昨年2月に建てられた、
お二人の茶の湯への想いが随所に溢れる茶席です。

ご亭主は表千家流、半東(ご主人)と客五名は裏千家流です。
ずっーとお伺いしたいと思っておりましたので
浮き浮きと出かけました。

    迎えつけ表流にていたしたく
        心ときめき露地につくばう  暁庵

待合の田植えの掛物に、田も人もしっとり溶け合う五月雨の音を
本席の醒が井の画賛に、浮世の中に濁らない清らかな水の流れを
・・・聴きました。

懐石では、向付の胡麻豆腐の水無月に目を奪われ、
時代を感じる雅な煮物椀で初物の鱧を堪能させて頂きました。
寄せ杯と李朝粉引の徳利がだされ、お酒に弱い正客に代り
次客さん、三客さんがホクホクしていました。

炭手前で拝見した「風神雷神」香合とご亭主とのお出合いの話・・
「昨年の水無月の茶会の折
 香合はどうしても風神雷神を・・と思いました。
 インターネットで調べて作者へ直接お電話したのです。
 すると、今その香合を手に持っているところです・・
 と云われました」

鳥肌が立つような不思議なご縁に驚き、風神とイカズチの蒔絵に
ご亭主のほとばしるエネルギーを思ったことでした。

後座では、花好きのご亭主ゆえ、どのような・・と期待が膨らみます。
伊賀焼の逆傘(さかさ)花入に利休草、黄ソケイ、矢車草が生けられていました。

「花は直前まで迷いました。
 逆傘は柄の部分を見せて生けるのがポイントだそうですが、
 稽古不足でお恥ずかしい限りです (・・とんでもございません)」

露打たれた花は再び活力を得て、野にある如く清楚でした。

         (2)へ続く                    
                       その日は入梅なのに 




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