暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

研究会 正午の茶事

2011年12月16日 | 稽古忘備録
12月10日、久しぶりに○○支部の研究会へ参りました。

課目は、正午の茶事でした。
研究会で茶事について学べる機会は今までなく、張り切って出かけました。
利休百首より選ばれた一首がその日の次第とともに書かれていました。

    茶の湯には梅寒菊に黄葉み落ち
         青竹枯木あかつきの霜

中央に設けられた仮設舞台には茶室、
他にも待合、露地、枝折戸、蹲が用意され、
正午の茶事にふさわしい設えや道具組でした。
懐石もみんなで調理したそうで、
○○支部の役員の方々の意気込みが伝わってまいりました。

                

講師は冨士田宗啓先生です。

最初に先生は、次のようなことをお話しになりました。
今から行われる正午の茶事は教本の通りの茶事だと思いますが、
「茶事には決まりがない」ということを先ず理解して頂きたい。
私がこれからお話しすることも、
その通りにしなくてはいけないということでなく、
考え方、仕方の一つとして茶事の参考にして頂きたいと思います・・・。

心の中で頷きながら、誠実な先生という印象を持ちました。
そして、経験談やご自分の考え方を交えた正午の茶事の講義は、
これからも茶事を心がけていきたい私にとって、
一つ一つのお教えが心に響く中身の濃い内容で、有難かったです。

                
                      (蝋梅と初嵐)

その一つ、先生が正客としてある茶事へ招かれた時のお話です。
亭主は先輩の奥様で、その先輩(業躰先生)は数年前にお亡くなりになったそうです。

煙草盆がだされました。
すべてに行き届いた見事な道具がだされる中で
灰吹きだけが青竹ではなく古びたものだったので、
不審に思いお尋ねしたそうです。

すると、ご亭主は
「これは亡くなった主人の手造りでして、
 主人にもこの席へ座っていてもらいたい・・と思いまして
 古いものですが置かせて頂きました」

先生は先輩の業躰先生を想い、ご亭主の気持ちに涙したそうです。
そして、その日の茶事のこころはこれだとも・・・。

会場でお話を伺った他の方々も、もちろん私もほろりでした。

正客はその茶事のテーマ、または核心をつかむべく努力すること。
特にご亭主の心入れの道具や設えなどへは注意を払い、
感謝をつたえることが大事ですとも。

                

最後に、出演者はじめ、裏方で懐石や会場を準備された方々へも
その労をねぎらって下さって、気持の好い研究会となりました。
冨士田先生、役員の方々、有難うございました!

たくさんのお教えと刺激を頂戴し、病気(茶事をしたい病)が出かかりましたが、
来春の京都行きを控え、しばらくはお預けです。
今はお招き頂いた茶事や茶会へ伺うことを楽しみに過ごしています。

                           

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
茶事 (ぽちママ)
2011-12-16 10:51:56
研究会で茶事の勉強まであるなんてすごいです。
初めて聞きました。
茶事大好きなぽちママはうらやましいです。
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私も初めてです (暁庵)
2011-12-17 08:34:28
私も初めてですが、内容の濃い、素晴らしい研究会でした。
準備が大変だと思いますが、これからも茶事の研究会があると嬉しいですよね。

いつも茶事をするという訳にはいかないので、
茶事を意識した稽古を積んでおくことでしょうか。
ますます、普段の稽古と茶事をすることの両方が大事と思いました。
もう一つ大事なこと、茶事は楽しくなければ・・・とも思っています。

また、茶事でご一緒したいです。
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