2月から3月にかけて横浜へ里帰り(?)していました。
その折にHさんから茶飯釜の茶事へお招き頂きました。
連客の茶友3名さま共々、浮き立つ思いで出かけました。
案内を乞わずにマンションのドアを開け、玄関から居間へ。
そこは寄付になっていて、隣の和室が待合です。
コートをたたみ身支度を済ませて待合へ入ると、
白い陶器に墨絵の花入には一足早く満開の彼岸桜、
明道和尚筆の短冊が掛けられていました。
「弄花香満衣」
(花を弄(ろう)すれば 香(かおり)衣(え)に満つ)
春の香りに包まれたような、幸せな気分に浸っていると
半東さんが香煎を運び出し、腰掛待合へご案内がありました。
ベランダには腰掛待合と蹲のある緑の一画があって、
緑の苑は毎回進化していて、訪れるのが楽しみでもあります。
関守石の枝折戸が開き、迎え付けのご亭主と無言の挨拶を交わしました。
蹲で身心を浄め、席入です。
三畳台目向切の茶室はほの暗く、壁床に掛けられたお軸を
目を凝らして拝見すると、画賛のようです。
香合が荘られていました。
あとで伺ったところ、お軸は淡々斎筆で
竹の画と賛は「虚心」、「虚心」とは虚心坦懐のことでしょうか。
世俗のさまざまな柵や欲望を捨て去って、清寂な「虚心」をもって
Hさんのお茶に臨みたい・・・と密かに願いました。
向切の炉には煤竹の自在があり、茶飯釜が掛けられています。
挨拶のあとに初炭が始まり、自在の扱いが珍しく、
向切の炭手前を拝見するのも久しぶりのことです。
早く火を熾してご飯を炊くので、お香はなしとのこと、
荘られていた香合(楽焼のわらや)の意味がやっとわかりました。
ここで、ご亭主はお盆を運び出し、釜の右前に置きました。
お盆には米袋、片口、茶巾(蓋置の茶巾入れ)が乗っています。
米が片口へ入れられ、次に釜の蓋を開けて釜へ入れられました。
釜には予め分量の水が入れられていて、下火で温められています。
火加減にもよりますが、30分位で炊き上がるとか。
ご亭主が火吹き竹で吹くと、赤々と火力がつきだし、もう大丈夫。
火相を見届けたご亭主は、向付(平目のお作りと水前寺海苔)、
飯椀と汁椀の蓋のみが乗っている折敷を運び出しました。
一献の後、「平目と山口産のお酒が美味しい!」と一同味わっていると、
「ぷぅ~ん」と好い香りがして来て、さらに食欲をそそります。
今度は煮物椀が運ばれ、「どうぞ、お熱いうちに・・」
たっぷりのカニにくるまった真蒸、椎茸、鶯菜、木の芽の煮物椀に舌鼓です。
炊きたてのご飯を一文字より多めに盛って手渡してくださいました。
釜に代って鍋が掛けられ、鮭や野菜がたっぷり入った粕汁を頂戴しました。
(食べるシーンのお話しばかりで恐縮ですが、茶飯釜の扱いや順序に興味津々、
温かな料理が出てくるタイミングの絶妙さに感動!でした・・・)
自在ゆらゆら 茶飯釜の茶事ー2へつづく
その折にHさんから茶飯釜の茶事へお招き頂きました。
連客の茶友3名さま共々、浮き立つ思いで出かけました。
案内を乞わずにマンションのドアを開け、玄関から居間へ。
そこは寄付になっていて、隣の和室が待合です。
コートをたたみ身支度を済ませて待合へ入ると、
白い陶器に墨絵の花入には一足早く満開の彼岸桜、
明道和尚筆の短冊が掛けられていました。
「弄花香満衣」
(花を弄(ろう)すれば 香(かおり)衣(え)に満つ)
春の香りに包まれたような、幸せな気分に浸っていると
半東さんが香煎を運び出し、腰掛待合へご案内がありました。
ベランダには腰掛待合と蹲のある緑の一画があって、
緑の苑は毎回進化していて、訪れるのが楽しみでもあります。
関守石の枝折戸が開き、迎え付けのご亭主と無言の挨拶を交わしました。
蹲で身心を浄め、席入です。
三畳台目向切の茶室はほの暗く、壁床に掛けられたお軸を
目を凝らして拝見すると、画賛のようです。
香合が荘られていました。
あとで伺ったところ、お軸は淡々斎筆で
竹の画と賛は「虚心」、「虚心」とは虚心坦懐のことでしょうか。
世俗のさまざまな柵や欲望を捨て去って、清寂な「虚心」をもって
Hさんのお茶に臨みたい・・・と密かに願いました。
向切の炉には煤竹の自在があり、茶飯釜が掛けられています。
挨拶のあとに初炭が始まり、自在の扱いが珍しく、
向切の炭手前を拝見するのも久しぶりのことです。
早く火を熾してご飯を炊くので、お香はなしとのこと、
荘られていた香合(楽焼のわらや)の意味がやっとわかりました。
ここで、ご亭主はお盆を運び出し、釜の右前に置きました。
お盆には米袋、片口、茶巾(蓋置の茶巾入れ)が乗っています。
米が片口へ入れられ、次に釜の蓋を開けて釜へ入れられました。
釜には予め分量の水が入れられていて、下火で温められています。
火加減にもよりますが、30分位で炊き上がるとか。
ご亭主が火吹き竹で吹くと、赤々と火力がつきだし、もう大丈夫。
火相を見届けたご亭主は、向付(平目のお作りと水前寺海苔)、
飯椀と汁椀の蓋のみが乗っている折敷を運び出しました。
一献の後、「平目と山口産のお酒が美味しい!」と一同味わっていると、
「ぷぅ~ん」と好い香りがして来て、さらに食欲をそそります。
今度は煮物椀が運ばれ、「どうぞ、お熱いうちに・・」
たっぷりのカニにくるまった真蒸、椎茸、鶯菜、木の芽の煮物椀に舌鼓です。
炊きたてのご飯を一文字より多めに盛って手渡してくださいました。
釜に代って鍋が掛けられ、鮭や野菜がたっぷり入った粕汁を頂戴しました。
(食べるシーンのお話しばかりで恐縮ですが、茶飯釜の扱いや順序に興味津々、
温かな料理が出てくるタイミングの絶妙さに感動!でした・・・)
自在ゆらゆら 茶飯釜の茶事ー2へつづく