記憶探偵〜益田啓一郎のブログ(旧博多湾つれづれ紀行)

古写真古地図から街の歴史逸話を発掘する日々。ブラタモリ案内人等、地域の魅力発掘!まち巡りを綴ります。

福岡農学校の80年前のアルバム風景の今を探す

2021年02月15日 07時22分26秒 | ひと駅ノスタルジー

以前入手した「県立福岡農学校(現・県立福岡農業高等学校)」の1939(昭和14)年と1941(昭和16)年の卒業アルバムを見ていて気づいたのは、1枚目・2枚目の写真の場所が現在の山王公園(博多区)付近らしいということです。田んぼの奥にある森が山王日吉神社付近の森とのこと。

現在の竹下2丁目付近にあった福岡農学校、この当時の実習用の田んぼは山王公園の南西側、今の筑紫通り沿線一帯だったようですね。1・2枚目の写真はちょうど山王公園の野球場となっている付近ということに。山王公園にある古社「日吉神社」の宮司さんに伺うと、界隈の古老から「終戦前後の田んぼは実習用に使われていた」という証言が確かにあるそうです。余談ですが、この一帯、大正初期には「比恵炭坑」という小規模の炭鉱があったそうで古地図にも載っています。

以下は竹下付近の今(左)と1950年代(右)の空撮写真。スマホのアプリ「航空写真〜日本の戦後から現在」では現在との比較を二分割画面で確認できて、歴史を感じるために現地を歩く際には便利です。

右上の航空写真、右下に国鉄竹下駅があり、右側は今年2021年に操業100年を迎えるアサヒビール博多工場が見えます。福岡農学校は写真の中央上部で、現在の沖学園がある敷地に沿って米軍板付基地(現・福岡空港国際線ターミナル界隈)への専用線も見えます。福岡農学校は1958(昭和33)年に那珂川の対岸・塩原に移転。さらに1976(昭和51)年に太宰府市の現在地へ再移転しています。

福岡農学校のアルバムには駅伝大会の様子も多数掲載されてますが、調べてみると同校は1947(昭和22)年の「第1回全国中等学校駅伝競走大会」で優勝し、校名変更後の1953(昭和28)年と54(同29)年の第4回・5回全国高等学校駅伝競走大会でも優勝した駅伝強豪校だったんですね。(沿革

2019年4月から始まったFBSめんたいワイドの月曜コーナー「ひと駅ノスタルジー」は間もなく3年目に突入します。現在は2週に一度ペースで企画ネタを提示。FBSの放送エリアにある駅を出発して、徒歩で駅前や最寄りの商店街を巡り、その場所ならではの「昭和」の思い出話などを街の歴史と共に紹介しています。そのための現地下見・取材は常に行なっていて、時間のある時に「お題・テーマ」の候補となる古い写真を様々な方法で探します。

今回は「竹下駅編」のネタ候補としてこのアルバムを考察しましたが、実際の竹下駅編は竹下駅界隈の象徴であるアサヒビール博多工場でもなく、駅前商店街とタケシタベーカリーさんをテーマに2月12日に無事ロケを終えました。本来、一番取り上げたかったアサヒビール博多工場の工場見学とビール園はコロナ禍で営業休止中。当初はサブ案として考えたタケシタベーカリーさんでしたが、実際にロケハン&ロケをしてみると、ノスタルジー感も満載でとてもいい内容となりました。放送をぜひご覧ください(放送は3月2週目予定)。

 

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LOVE FM 76.1MHz 「JAL九州歴史ロマン街道」2020年4月より9月まで第2クール放送(毎月第3・第4・第5土曜日13:00〜13:30)。コロナ禍の影響で一旦放送は終了されました。

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