「ふわふわちゃん!またね!」
「…絶対に…また会えるからね!」
「キュアぅ!」
湿っぽいのは好きじゃない。ボクが笑わないとチャンミンが泣くから。ボクは明るく笑い、大きく手を振る。
竜ちゃんと白狼は必ず無事に有るべき場所へ還すと言ってくれた。ふわふわちゃんが笑顔を見せるから、ボクはずっと笑顔だった。
竜ちゃん達を包んだ眩い光が消えた後、辺りは急に静かになる。ちょっと寂しくなったけど…震えるチャンミンを引き寄せないと。ギュッとして、チュウをして…ペロッとしたい。
鼻を啜って涙を浮かべるチャンミンを思い切り抱き締めると、もっと笑いたくなる。ふわふわちゃんにまた会えるまで…ボクはチャンミンと楽しくする!そんな決意を固めたから…早速、実行しないと!
「…っあ、ユノ…」
丸まる尻尾をサワサワして、チャンミンの涙を舌で拭う。チャンミンはビックリしてから頬を赤くして、フンワリ笑ってくれる。
「…僕…ユノと一緒に居られて…良かった…」
「ボクも!チャンミンと一緒に居られて嬉しい!」
ふわふわちゃんは色々なものをプレゼントしてくれた。ボクもチャンミンもいつもより深くて濃い幸せな温かさを沢山、目一杯に分け合った。
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「竜ちゃん!ふわふわちゃんは無事に帰れた?!」
「うん!!」
次の日。
竜ちゃんから報告を受け、ボクもチャンミンも安心する。
ふわふわちゃんが未来のボク達の元に戻ったのは素直に嬉しい。ニマニマしてると、不意にある事が気になった。
「ねえ、竜ちゃん。未来のチャンミンってどんな感じ?綺麗で可愛い?」
「ん~っとね」
「背も大っきくなって、尻尾も長くなってるよね?」
未来のチャンミンに興味が湧き、ボクは次々と質問した。竜ちゃんは首を傾げてから~にんまり笑う。
「オオカミンちゃんはね~ まだそんなに大っきくは…」
「…チャンミン。未来の話は秘密だと約束しただろう」
「あっ!そうだった!」
白狼が止めるから話は終わってしまった。
竜ちゃん達と別れ、チャンミンの手を引きながら考える。
竜ちゃんは…そんなに大っきくなってないって言った?
…だとしたら。
「チャンミン!今から秘密基地に行こ!」
「え?もう授業が始まるよ?」
「良いから良いから!」
思っているより早く、ふわふわちゃんに会えるかも知れない!
そう思うボクはチャンミンの手を引いて、今日もまた秘密基地に急いでた。
おしまい。