だって見たいんだもん!

映画と共に生きてきた私。大好きな映画と芝居と絵画をメモします。

囲碁の世界

2007-11-02 22:02:35 | 映画
中国の映画監督に“第5世代”という括りがあります。1980年代中期からの新しい映画作りをする世代の監督たちをそう呼びます。張芸謀(チャン・イーモウ)、陳凱歌(チェン・カイコー)、田壮壮(ティエン・チュアンチュアン)、侯孝賢(ホウ・シャオシェン)、黄建新(ホアン・チェンシン)ら、現在の中国を代表する監督たちです。

それまでの中国映画と違って、実際の生活をリアリズムを持って描く新しい映像革新でした。文化大革命後の自由な作風を感じさせ、見る側も新鮮な思いをしたものです。その名匠、田壮壮監督の最新作が公開されます。「呉清源 極みの棋譜」(06)です。中国映画ですが、舞台は日本。

北京で囲碁の天才少年と騒がれた、呉清源(ごせいげん/チャン・チェン)。日本の棋士・瀬越憲作(柄本明)の尽力の末、母と兄と共にわずか14歳で来日を果たしました。当時、日本の囲碁は世界最高レベル。しかし呉は、たちまちトップ棋士へと成長します。

異国の地で孤独を感じながらも、女流棋士の喜多文子(松坂慶子)や川端康成(野村宏伸)らの励ましと友情を得て、さらには名誉や金銭とも関係なく、国籍も人生も変えて、ひたすら囲碁のために生きるのでした。天才棋士・呉清源は、『囲碁の神様』と呼ばれました。

時代背景は、日中戦争を迎えようとする時。『百年に一人』という彼の人生を、昭和の時代の美しさと共に描いた、中国の田壮壮監督。私は囲碁も将棋もさっぱりですが、予告編のチャン・チェンの美しさにク~ラクラ~。なお、呉本人は、93歳の今もご健在で、映画の冒頭に出演を果たしています。

それからタイトルの“棋譜”とは、棋士たちが打った手を記録したものを指します。チェスもそうですね。映画の原作は、呉清源著『中の精神』。どんな人生なのか、ぜひ見たいです。チャン・チェンも。あっ、衣装とプロダクションデザインは、あのワダ・エミさんです。
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