ロベール・ブレッソンとシネマトグラフ

映画館が閉まっているので、本当に淋しい。お世話になっている劇場のスタッフの皆さん、また映画が見れる日まで頑張って下さい。

そんな環境の中、７０年を経て初めて劇場公開される作品をご紹介。フランスの映画監督で脚本家のロベール・ブレッソン作品…

「田舎司祭の日記」（５０）、４Ｋデジタルリマスター版。監督は、１９０１年９月２５日出身、９９年１２月１８日パリ没、９８歳。

タイトルは聞いたことがありますが、未見。監督作品には「罪の天使たち」（４３）、「ブローニュの森の貴婦人たち」（４４）、

「抵抗（レジスタンス） 死刑囚の手記より」（５６）、「スリ（掏摸）」（６０）、「ジャンヌ・ダルク裁判」（６２）、

「バルタザールどこへ行く」（６４）、「少女ムシェット」（６７）、「やさしい女」（６９）、「白夜」（７１）、「湖のランスロ」（７４）、

「たぶん悪魔が」（７７）、「ラルジャン」（８３）と作品数は少ないです。モノクロ、主演者に俳優を使わず、素人の人を起用するなど…

こだわりを持って作品を作っていました。その１本が本作。北フランスの寒村に赴任した若い司祭（クロード・レデュ）は、身体の不調を…

自覚しながら、村人たちの悩みを聞き、布教に励む日々を送っていました。しかし、純粋な信仰への思いは村人たちとの間に…

次第に溝を生じさせるのでした。果たして？ブレッソン独自のスタイル＜シネマトグラフ＞を確立した本作。どんなシネマ？

渡辺省亭（せいてい）って、どんな画家？

大好きな映画館や劇場、美術館などが休館中なので昨年春のように部屋の片づけをしたり、箱の中身（何が入ってる？）の点検をして…

過ごすことに。しかし、物を捨てられない弊害は明らか。いったいどうしましょう。そうは言うものの、以前よりは物を買わなくなりましたが。

映画のパンフレット（最近は入場料に近い高額！）や、様々なグッズがいっぱい。美術展でのカタログは高額なので、以前からうんと…

お気に入りしか買っていませんが（大きくて重いし）、見直すと感激再びです。かつて２００５年に東京藝術大学大学美術館で…

開催された「英国王立園芸協会 創立200周年記念 ５００年の大系：植物画世界の至宝展」でのカタログも、大切にとってあります。

現在「渡辺省亭 欧米を魅了した花鳥画」も休館中ですが、開催が再開したらぜひ。＜次はこれだ！知られざる日本美術の名匠＞とある…

タイトルの渡辺省亭は、わたなべせいていと読みます。日本画家は有名な画家しか、すぐにわからないのが残念ですが、明治、大正時代に…

活躍した作者の作品を見ておきましょう。ポスターの絵は『牡丹に蝶の図』（１８９３年）。他に『春野鳩之図』、『月夜木菟』、

メトロポリタン美術館所蔵『百舌鳥に蜘蛛図／牡丹に雛図／雛に双鶏図／鰈図』（全２１面の内４作）、アメリカ クラーク美術館所蔵

『鳥図（枝にとまる鳥）』。四季江戸名所『春 上野清花／夏 不忍池蓮／秋 瀧の川の楓／冬 墨堤の雪』は素晴らしい！個人蔵が多いのも注目です。

あやしい絵の秘密を見に…

現在、映画館も美術館も休館していますが、また再開されるのを楽しみにメモします。千代田区北の丸公園（最寄り駅は地下鉄竹橋駅）にある…

東京国立近代美術館、略称＜ＭＯＭＡＴ＞で開催中の「あやしい絵展」です。本展のタイトルはひらがなで「あやしい」ですが…

「怪しい」とも「妖しい」とも書くことができます。果たして、どんな「あやしい」作品が並んでいるのでしょう？怖いけど、興味津々。

河鍋暁斎作『地獄極楽図』（明治時代：１９世紀）４月１８日までの展示。代わって４月２０日からの展示は、月岡芳年作…

（『魁題百撰相』のうち辻弥兵衛盛昌）（１８６８年）。日本以外の作品も紹介されます。アルフォンス・ミュシャ作…

『ジョブ』（１８９８年）。ダンテ・ガブリエル・ロセッティ作『マドンナ・ピエトラ』（１８７４年）。４月１８日までの展示もうひとつが…

田中恭吉作『冬蟲夏草』（１９１４年）、青木繁作『大穴牟知命』（１９０５年）、鏑木清方作『妖魚』（１９２０年）、ポスターの…

橘小夢作『安珍と清姫』（大正末頃）４月２０日からの展示。甲斐庄楠音作『横櫛』（１９１６年頃）、北野恒富作『淀君』（１９２０年）と…

『道行』（１９１３年頃）、上村松園作『花がたみ』（１９１５年）など。作品の中には、すでに展示が終了したものや…

東京会場のみの展示などもあるようです。見たい作品は事前チェックを。チケットは日時指定と当日券もありますが、指定の方が安心ですね。

キレたら怖い男、オデンカーク登場

映画館で紹介される予告編で、マンガ「おそ松くん」のチビ太が持っているおでん（具は、コンニャク、ガンモ、ナルトだそう）

そのおでんを手にして、『僕の名前を憶えてね』みたいなこと言っていたのが、ボブ・オデンカーク。俳優におでんを持たせるなんて！

しかし、しっかり印象づきましたね。ボブ・オデンカーク、１９６２年１０月２２日イリノイ州バーウィン出身の５８歳。

ＴＶ「ブレイキング・バッド」などに出演の他、監督、アニメの声優、脚本家。プロデューサーなどマルチな活躍をしています。

で、冒頭の作品はロシアのモスクワ出身イリヤ・ナイシュラー監督「Ｍｒ．ノーバディ」（２１）です。ポスターが渋い！

それもそのはず、スタイリッシュな「ジョン・ウィック」（１４）シリーズ３作の脚本家デレク・コルスタッドと、製作のデヴィッド・リーチが…

組んだ最新作ですから。冴えない中年男ハッチ・マンセル（ボブ・オデンカーク）は、職場では過小評価、妻のベッカ（コニー・ニールセン）や…

息子ブレイクには頼りない父親。ある夜、自宅に強盗が。暴力を恐れたハッチは反撃できず、家族には失望され、同じ職場の義弟（ＲＺＡ）にも…

バカにされる始末。溜め込んだ鬱憤を突然爆発させるハッチ。路線バスで出くわした不良たちの挑発にキレたハッチは、彼らを…

叩きのめすのでした！そして彼の抑圧されたスキルを目覚めさせ、彼の暗い秘密を明らかにしてしまうことに。果たしてそれは？お手並み拝見！

海辺の家に集まった８人

ニューヨーク出身のオスカー女優スーザン・サランドン、７０年代に映画デビューしますが、ジム・シャーマン監督のカルト・ムービー…

「ロッキー・ホラー・ショー」（７５）で高い評価を受けます。まさか見てないなんて、ないですよね。俳優のクリス・サランドンと…

６７年結婚、７９年離婚。８８年からティム・ロビンスとパートナーとなり、残念ながら９０年に解消。残念。しかし、ティム監督の…

「デッドマン・ウォーキング」（９５）で、主演女優賞を受賞しました。そんなサランドンも７４歳。最新作では死を覚悟した母親役。

ロジャー・ミッシェル監督「ブラックバード 家族が家族であるうちに」（１９）は、ビレ・アウグスト監督のデンマーク映画…

「サイレント・ハート」（１４未）の映画版リメイクです。ある週末、リリー（スーザン・サランドン）は夫で医師のポール（サム・ニール）と…

暮らす海辺の邸宅に、家族と親しい友人を集めます。ＡＬＳを患うリリーは、体が動かせるうちに安楽死を選ぶことにしたのです。

母の決意を受け入れている長女のジェニファー（ケイト・ウィンスレット）と夫マイケル（レイン・ウィルソン）、息子のジョナサン…

（アンソン・ブーン）、次女アンナ（ミア・ワシコウスカ）と恋人のクリス（ベックス・テイラー＝クラウス）、そしてリリーの親友リズ…

（リンゼイ・ダンカン） 。果たして、物語の結末は？８人だけの会話劇、まるで舞台のような作品。絶対、見なくては！！

母の溺愛から逃れる方法

パソコン画面上ですべてのストーリーが展開するという、新しい手法のサスペンス映画、アニーシュ・チャガンティ脚本、初監督…

「ｓｅａｒｃｈ／サーチ」（１８）。見ました？新しい「スタートレック」シリーズで、ヒカル・スールーを演じたジョン・チョー主演で…

すごくよく出来ていて大いに楽しめました。監督第２作目が、脚本も担当した「ＲＵＮ／ラン」（２０）です。今度はサイコスリラー。

ワシントン州パスコ、郊外の一軒家で暮らす１７歳のクロエ（キーラ・アレン）は、生まれつきの慢性の複数の病気を患い…

車椅子生活を送っていました。そんな状況下でも、クロエはワシントン大学への進学を目指し、必死に勉強し、自立しようと頑張っていました。

そんなある日、自分の体調や食事を管理し、進学の夢も後押ししてくれる母親ダイアン（サラ・ポールソン）に不信感を抱きます。

新しい薬と称して差し出す緑のカプセル。いったい何の薬？クロエは必死に調べ、それが決して人間が服用してはならない薬であること知ります。

なぜ最愛の娘に嘘をつき、危険な薬を飲ませる？隠された恐ろしい真実を知った時、クロエは母親から逃れようと脱出を試みるのでした。

果たして？今回は前作と違って、インターネットに一切接続できない環境での物語。車椅子の娘を愛する狂気の母親を演じるポールソンは…

Ｍ・ナイト・シャマラン監督「ミスター・ガラス」（１８）のＤｒ．エリー・ステイプル役。怖い役、お似合いです。見ましょ。

巻き結び連続殺人事件の犯人は？

４月も早くも残り１０日ほど。と言うことは、もうすぐＧＷ。厳しい状況は昨年からずっと続いていますが、今年のＧＷ、どうなる？

とにかく、劇場で映画が上映される限り『映画館へ行こう！』。６月公開作品の紹介。しかも、アンドリュー・ヘイ監督「荒野にて」（１７）で…

主演を務めたチャーリー・プラマー主演。ダンカン・スキルズ監督「クローブヒッチ・キラー」（１８）、サスペンス・スリラーです。

タイトルのクローブヒッチとは、巻き結びのことで船舶関連で用いられているそう。登山関係ではマスト結び、別名インク・ノットとも。

信仰を重んじる小さな町。貧しくも幸せな家庭に暮らす１６歳の少年タイラー（チャーリー・プラマー）。ある日、タイラーは…

ボーイスカウトの団長も務め、町でも信頼の厚い父親ドン（ディラン・マクダーモット）の小屋に忍び込むと…そこで猟奇的なポルノや…

不穏なポラロイド写真を発見。不審に思ったタイラーが調べを進めると、１０年前に起きた未解決事件＜巻き結び（クローブヒッチ）…

連続殺人事件＞の犯人は、父親ではないかと疑い始めます。同じく事件を追う少女カッシ（マディセン・ベイティ）に、協力を求めます。

果たして、タイラーとカッシは真相を突き止めることができるのか？母親役に、ジョン・ウー監督「ブロークン・アロー」（９６）の…

サマンサ・マシスが共演。ＴＶ「ザ・プラクティス／ボストン弁護士ファイル」（９７～０４）のマクダーモット、ホントに犯人？

結婚２９年目の離婚、家族は？

マイブログに何度も登場するイギリスを代表する名優ビル・ナイ。ホント大好き。色んな役を演じて来た彼も、今年７１歳。

最新公開作は、１９９９年に初演されたウィリアム・ニコルソンの戯曲をニコルソンが映画化した「幸せの答え合わせ」（１８）。脚本も。

監督自身の両親と監督本人の実体験もとにした本作。監督は「グラディエーター」（００／アカデミー賞脚本賞にノミネート）、

「エリザベス：ゴールデン・エイジ」（０７）、「レ・ミゼラブル」（１２）、「ブレス しあわせの呼吸」（１７）など多くの脚本を担当。

ホープ・ギャップと呼ばれる入り江が広がる、イギリス南部の海辺の町シーフォード。グレース（アネット・ベニング）とエドワード（ビル・ナイ）は…

もうすぐ結婚２９年目。仕事を引退したグレースは詩集の作成に勤しみ。エドワードは高校の教師でした。独立して家を出ていた…

１人息子ジェイミー（ジョシュ・オコナー）が、久々に帰ってきた週末のこと。エドワードは突然、離婚を切り出し『家を出て行く』と告げます。

理由を聞いて絶望と怒りに震えるグレース。ジェイミーも自身の生き方や家族との関係を見つめ直すことに。果たして、３人の未来は？

ビル・ナイはもちろん、アネット・ベニングも大好きな女優。さらにオコナーは、フランシス・リー監督「ゴッズ・オウン・カントリー」（１７）に主演。

ぜひ見たい！…なのに劇場が近場にないので、じっと我慢してソフトを購入する予定。早くも。ビル・ナイの抑えた演技が見たい！

かの国の真実の物語

劇場で初めて予告編を見た時、かなり衝撃を受けました。清水ハン栄治が脚本、製作、監督を務めた「トゥルーノース」（２０）です。

監督は、１９７０年横浜生まれの在日コリアン４世だそう。本作は日本とインドネシア合作の３Dアニメ映画です。ドキュメンタリー映画の…

製作などに携わってきた監督は、収容生活を生き延びた脱北者の証言をもとに、１０年もの歳月をかけて制作。すでに２０２０年度…

アヌシー国際アニメーション映画祭で上映され大反響を得た作品。しかし、いつもＴＶのニュースなどで見て、知っているかの国の実情を…

こんなにリアルに描くなんて！すごいというか素晴らしい。１９６０年代の帰還事業で、日本から北朝鮮に移民した両親と…

兄妹ヨハンとミヒのパク一家。ある日、父が政治犯の容疑で逮捕され、母と兄妹は悪名高き政治犯強制収容所に収監されてしまいます。

寒さが厳しい収容所での生活。食事にも事欠く日々。過酷な生存競争の中、ヨハンは次第に純粋で優しい心を失っていくのでした。

ある日、食べ物をめぐるいざこざによって母が殺されてしまいます。絶望するヨハン。『人は何故生きるのか』ヨハンの戦いは…

他者を巻き込んで小さな革命を起こすのでした。果たして？予告編には『私は拉致されたの』というセリフがあります。

９年間も収容所にいた主人公ヨハンの物語。アニメでありながら、こんなに絶望的でしかも真実だというストーリー。信じますか？

ようやく公開、Sｈｈｈ！

本作も何度も公開延期になった作品。２０２０年３月１５日の全米公開は、２１年４月２３日に。そして日本公開も昨年５月８日が…

日米同時公開の今年５月２８日に。それがジョン・クラシンスキー脚本、監督「クワイエット・プレイス 破られた沈黙」（２０）です。

１作目でも、脚本、製作総指揮、監督を務めたジョン・クラシンスキーは、夫役で出演していました。残念ながら死んでしまいましたが…。

音に反応して人類を襲う“何か”によって、文明社会が荒廃した世界。エヴリン・アボット（エミリー・ブラント）は、前作で無事生まれた…

赤ん坊と耳の不自由な娘リーガン（ミリセント・シモンズ）、息子マーカス（ノア・ジュープ）を連れ、燃えてしまった家に代わる…

新たな避難場所を探す旅に出ます。いつ泣き出すかわからない赤ん坊と、少しでも音を立てれば怪物に襲撃される世界の中へ。

ところが、外の世界には怪物以外の脅威も存在していたのです。果たして、それは？謎の生存者エメットに、キリアン・マーフィー。

他の共演者に「ブラッド・ダイヤモンド」（０６）のジャイモン・フンスーと、ロバート・デュヴァルの従兄ウェイン・デュヴァル。

前作でよくわからなかったその姿が、リアルに登場する“何か”。音に反応し、超素早い動作、しかも狂暴。いったいなんなの？

ところで「２８日後...」（０２）のキリアン・マーフィーが参加し、ホラーサスペンス映画に危うい要素がプラス。わくわく！