他人の不幸は、自分の幸せ

アメリカの作家、脚本家だったリチャード・マシスンの映画化作品には、「縮みゆく人間」（５７）、「夜の訪問者」（７０）、

「激突！」（７１）、「ヘルハウス」（７３）、「ある日どこかで」（８０）など多数。彼の短編を映画化したリチャード・ケリー監督…

「運命のボタン」（０９）は、ある朝、届いた箱にまつわるＳＦミステリー。箱のボタンを押すと１００万ドルが手に入るけど…

見知らぬ誰が死ぬというもの。パオロ・ジェノヴェーゼ監督「ザ・プレイス 運命の交差点」（１７）の予告編を見て、思い出しました。

ローマにあるカフェ＜ザ・プレイス＞。奥のテーブルに居座る謎の男（ヴァレリオ・マスタンドレア）。彼の元には、色々な人物が…

訪れます。男は、人生に迷う人々の願いを叶える代わりに、様々な任務を与えるのでした。癌の息子を救いたい父親ルィージ…

（ヴィニーチョ・マルキオーニ）には、幼い少女の殺害を依頼。アルツハイマーの夫を救いたいマルテェラ（ジュリア・ラッツァリーニ）には…

爆弾を仕掛けること。他にも美人になりたいマルティーナ、父親から自由になりたいアレックス、視力を取り戻したいフルヴィオ、

夫の関心を引きたいアッズッラなど９人の相談者の願望は？そして座り続ける男は、どうやってその願いを叶えているのか？

そう、だから『運命の交差点』なんです。原案、脚本も監督ですが、いかにもマシスンが好みそうな物語ですね。面白そう。

オープニングのアニメがお気に入り

今もアンドリュー・マッカーシーが好き。最近は、ＴＶシリーズの監督として活躍中。初めてアンドリューを知ったのは…

デビュー作のルイス・ジョン・カリーノ監督「恋のスクランブル」（８３）の主役。８０年代はアンドリューの時代です。

１９６２年１１月２９日ニューヨーク出身。ジョエル・シューマカー監督「セント・エルモス・ファイアー」（８５）や…

ハワード・ドゥイッチ監督「プリティ・イン・ピンク」（８６）、マレク・カニエフスカ監督「レス・ザン・ゼロ」（８７）、

デヴィッド・スティーヴンス監督「カンザス」（８８）、テッド・コッチェフ監督「バーニーズ」（８９）、デヴィッド・アンスポー監督…

「想い出のジュエル」（８９）などがあります。９０年代は、ジョン・フランケンハイマー監督「イヤー・オブ・ザ・ガン」（９１）や…

イザベル・コヘット監督「あなたに言えなかったこと」（９５）など、お気に入りが続きます。ラース・フォン・トリアー監督の…

ＴＶドラマ「キングダム」（８４）のリメイク版、「スティーヴン・キングのキングダム・ホスピタル」（０４）にも主演。

マイケル・ゴットリープ監督「マネキン」（８７）が、ブルーレイで発売です！彫刻家志望のジョナサン（アンドリュー）は…

百貨店でマネキンのディスプレイの仕事に就きます。ところがマネキン（キム・キャトラル）には、秘密が…。絶対楽しめます！

音楽は、もちろんダニー・エルフマン。

いつこの作品を見たのか、思い出せません。もしかしたら、見ていないのにあまりに有名なアニメなので、見た気になっているのかも。

それが、ベン・シャープスティーン監督のディズニーアニメ「ダンボ」（４１）。ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオでは…

「白雪姫」（３７）、「ピノキオ」（４０）、「ファンタジア」（４０）に続く、４作目のアニメーション映画でした。日本では…

１９５４年３月に公開、後に７４年３月と８３年８月にリバイバル公開。原作があるわけではなく、「ファンタジア」（４０）の…

脚本を務めたジョー・グラント他数名の脚本。あのティム・バートン監督が製作総指揮も務めた、実写版のリメイクが登場します。

ティム・バートン監督「ダンボ」（１９）です。４１年のアニメをベースにした、バートン監督オリジナル脚本だとか。

オリジナルは、サーカス団で曲芸を披露するゾウのジャンボに小ゾウが誕生。とても大きな耳だったことから「ダンボ」という…

あだ名がつけられます。ある日、ダンボをいじめる子供をとがめたジャンボは、ダンボから引き離されてしまいます。悲しみに暮れるダンボ。

サーカス団のネズミのティモシーに助けられながら、母親を探すことに。バートン版はどんな展開になるのかしら？団長役にコリン・ファレル。

他にマイケル・キートン、ダニー・デヴィート、エヴァ・グリーン、アラン・アーキンが出演。さすが、バートン版は豪華ですね！

山猫は、公爵家の紋章でした。

イタリアの映画監督ルキノ・ヴィスコンティが、伯爵であることは知っていました。北イタリアの貴族モドローネ公爵の息子。

１９０６年１１月２日、イタリア王国ミラノ出身。「郵便配達は二度ベルを鳴らす」（４２）で監督デビュー。脚本も担当。

５０～７０年代に名作を次々と発表。すべてではないけど何本か見ています。「地獄に堕ちた勇者ども」（６９）、「ベニスに死す」（７１）、

「ルードウィヒ／神々の黄昏」（７２）、「家族の肖像」（７４）などです。後に見た作品に「山猫」（６３）があります。

日本初公開は１９６４年１月。映画はソフトでも見ることができますが、できるなら劇場のスクリーンで！当時はフィルム上映で…

今はデジタルの時代。最近、多くの作品がデジタル修正版でリバイバル上映中。本作も「山猫 ４Ｋ修復版」で、登場です。

原作は実在の貴族の末裔ジュゼッペ・ランペドゥーサの体験小説だそう。１８６０年の春。イタリア統一戦争下のシチリア島。

１３世紀から３００年に渡り統治するサリーナ公爵ファブリツィオ（バート・ランカスター）は、自らの終焉を感じていました。

そんな侯爵が目をかける甥のタンクレディ（アラン・ドロン）は、革命軍に参加。やがて、一族は避暑でパレルモ近郊の屋敷を…

訪れます。そこに村長の娘アンジェリカ（クラウディア・カルディナーレ）が現れ…。豪華絢爛の舞踏会シーンは見応えがあり。ぜひ。

高級帽子店の秘密

ハンガリーの映画監督ネメシュ・ラースロー。覚えておきましょう。１９７７年２月１８日、 ハンガリーのブダペスト出身。

１２歳でパリに移ります。２６歳でブダペストに戻り、タル・ベーラ監督作品で助監督を担当。初長編監督作品「サウルの息子」（１６）で…

カンヌ国際映画祭グランプリと、アカデミー賞外国語映画賞を受賞します。ビルケナウ強制収容所で同じユダヤ人の死体処理を…

行うゾンダーコマンドのサウルの物語。いずれ自分も同じ運命をたどるのがわかっている本当に重い内容で、脚本も監督本人。

評価の高い作品でデビューした監督の２作目が、いよいよ登場です。ハンガリー映画「サンセット」（１８）、脚本も担当。

第１次世界大戦前、１９１３年。レイター・イリス（ユリ・ヤカブ）は、２歳の時に亡くなった両親が遺した高級帽子店…

レイター帽子店で働くことを夢見て、ハンガリーの首都ブタペストにやって来ます。ところが、オーナーのブリル・オスカル…

（ヴラド・イヴァノフ）は、彼女を追い返します。そこで初めて自分に兄がいることを知ります。兄カルマンは、伯爵殺しという…

大事件を起こしていたのです。兄を探し始めるイリス。やがてカルマンとその仲間たちは、貴族への暴動を起こすのでした。

果たして、イリスとカルマンはめぐり逢うことができるのでしょうか？それにしてもユリの横顔、エマ・ワトソンに似てません？

ラファエル前派、美しいだけじゃない？

美しすぎるラファエル前派の展覧会。２０１４年、三菱一号館美術館「ザ・ビューティフル 英国の唯美主義１８６０－１９００」、

同年、森アーツセンターギャラリー「テート美術館の至宝 ラファエル前派展 英国ヴィクトリア朝絵画の夢」、２０１５年には…

ザ・ミュージアム「リバプール国立美術館所蔵 英国の夢 ラファエル前派展」と、たびたび開催。人気なんです。ラファエル前派は…

１８４８年、ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ、ウィリアム・ホルマン・ハント、ジョン・エヴァレット・ミレイによって結成。

久しぶりに三菱一号館美術館で、「ラファエル前派の軌跡展」が開催されます。ポスターの絵は、ロセッティの…

『ウェヌス・ウェルティコルディア（魔性のヴィーナス）」（１８６３～６８年頃）。手には、愛の矢を持っています。

他にも『ムネーモシューネー（記憶の女神）』（１８８１年）、フレデリック・レイトン『母と子（サクランボ）』（１８６４～６５年頃）、

エドワード・バーン＝ジョーンズ『嘆きの歌』（１８６６年）と『赦しの樹』（１８８１～８２年）、『慈悲深き騎士』（１８６３年）。

アーサー・ヒューズ『リュートのひび（不和の兆し）』（１８６１～６２年）、ジョン・エヴァレット・ミレイ『滝』（１８５３年）、

ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー『カレの砂浜 引き潮時の餌採り』（１８３６年）など約１５０点が来日。行かなくっちゃ。

詠春拳のチョン・ティンチ、再び

香港映画ファンにはお馴染みの、ユエン・ウーピン（袁和平）。１９４５年１月１日中国の広東省広州市香港出身。７４歳。

監督、アクション監督、武術指導、俳優。「スネーキーモンキー／蛇拳」（７６）や「ドランク・モンキー／酔拳」（７８）、

アンディ＆ラリー・ウォシャウスキー監督「マトリックス」（９９）、アン・リー監督「グリーン・デスティニー」（００）、

クエンティン・タランティーノ監督「キル・ビル」（０３）など多くの作品で、彼の名前を見たことがあるはず。

大好きなドニー・イェン主演「イップ・マン 継承」（１６）でも、アクション監督を担当。その「イップ・マン 継承」で…

ドニー扮するイップ・マンのライバルとして詠春拳の正統争いで、激闘を繰り広げたチョン・ティンチ。今度は彼が主演する…

「イップ・マン」シリーズの番外編が公開。ユエン・ウーピン監督「イップ・マン外伝 マスターＺ」（１８）が、それ。

１９６０年代の香港。激闘に敗れ武術界を去ったチョン・ティンチ（マックス・チャン）は、小さな食料品店を経営しながら…

息子のフォンと暮らしていました。ある日、犯罪組織幹部キット（ケビン・チェン）の手下に追われるナイトクラブの歌手…

ジュリア（リウ・イエン）たちを救います。彼らを打ちのめしたティンチは、キットの怒りを買い…果たして？ミシェル・ヨー共演。

孤独を愛するピーター・ディンクレイジ

ピーター・ディンクレイジは、１９６９年６月１１日ニュージャージー州出身の個性派俳優。軟骨発育不全による小人症で…

身長は１３２ｃｍではありますが、それゆえに出演作は忘れられない印象を残します。マーク・パランスキー監督「ペネロピ」（０６）、

アンドリュー・アダムソン監督「ナルニア国物語／第２章：カスピアン王子の角笛」（０８）、クリス・コロンバス監督「ピクセル」（１５）、

マーティン・マクドナー監督「スリー・ビルボード」（１７）など他、ＴＶシリーズにも多数出演。もしかしたら初の主演作が…

ヒューマントラスト渋谷「未体験ゾーンの映画たち ２０１９」での、リード・モラーノ監督「孤独なふりした世界で」（１８）です。

人類が死に絶えた世界で、デル（ピーター・ディンクレイジ）はたった１人、遺体を弔い、空き家を整理してまわっていました。

地球が普通だった頃から１人が好きだったデルは、今に満足し、喜びを感じていました。そんなある日、もう１人の生存者…

グレース（エル・ファニング）が現れます。そしてデルの平穏な日常は、風変わりな彼女によって掻き回され始めるのでした。

自分以外に生きている人がいた事に歓喜するグレース。しかし、デルは拒絶します。果たして、グレースはどこから来て…

どうやって生きていたのでしょう？ポール・ジアマッティ、シャルロット・ゲンズブール共演。これはぜひ見たいです。

１年間だけの派遣教師

マリー＝カスティーユ・マンシヨン＝シャール監督「奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ」（１４）は、パリ郊外の公立高校に…

赴任してきたベテラン歴史教師が、落ちこぼれクラスを担当。全国歴史コンクールへ参加した実話を映画化していました。

クリストフ・バラティエ監督「コーラス」（０４）は、孤児や問題児が集団生活する寄宿舎に赴任した音楽教師が、合唱団を結成。

いずれも先生の熱意で、ダメな生徒たちが成長していく物語。他にもラシド・アミ監督「オーケストラ・クラス」（１７）では…

音楽教育プログラムの講師が、移民の子供たちにバイオリンを教えるお話。いずれもフランス映画というのが、興味深いですね。

オリヴィエ・アヤシュ＝ヴィダル監督「１２か月の未来図」（１７）もそうです。フランスの名門アンリ４世高校の…

ベテラン国語教師フランソワ・フーコー（ドゥニ・ポダリデス）は、パリ郊外の教育困難中学へ転任することになります。

事の発端は、教育格差を解決するアイデアを語ったこと。国民教育省のアンヌは、彼をバルバラ中学校へ１年間の派遣を依頼。

勝手の違う環境の中で、日常的に巻き起こる様々な問題に格闘するフランソワ。そんな中、遠足で訪れたベルサイユ宮殿で…

お調子者のセドゥがトラブルを起こし、退学処分に。果たして？生徒たちは、本物の生徒たち。ポスターの先生、困り顔？

荒野の果てに待つものは？

古い映画ファンはご存知かと思いますが、若い人は知らないかも。それがイタリアの男優マルチェロ・マストロヤンニ。

（１９２４年９月２８日～１９９６年１２月１９日）７２歳ですい臓がんのため、パリで亡くなりました。代表作には…

ルキノ・ヴィスコンティ監督「白夜」（５７）、フェデリコ・フェリーニ監督「甘い生活」（５９）や「８ １／２」（６３）、

ソフィア・ローレンとの「昨日・今日・明日」（６３）、「あゝ結婚」（６４）、「ひまわり」（７０）、「結婚宣言」（７０）などがあります。

名優マストロヤンニが亡くなったのを機に、９８年にヴェネツィア国際映画祭に、マルチェロ・マストロヤンニ賞が創設されました。

本賞は新人俳優賞なのです。１７年の受賞者は、リドリー・スコット監督「ゲティ家の身代金」（１７）で誘拐された孫を演じた…

チャーリー・プラマーでした。その作品がウィリー・ヴラウティン原作、アンドリュー・ヘイ監督「荒野にて」（１７）です。

赤ん坊の頃、母親に捨てられ、父親のレイ（トラヴィス・フィメル）と暮らしていた１５歳のチャーリー（チャーリー・プラマー）は…

ポートランドに越して来ます。ところが父親を病で亡くし、天涯孤独となった彼は競馬場で働き始めます。さらに世話をしていた…

競走馬が処分されることになり…。孤独な少年の未来は、果たして？クロエ・セヴィニー、スティーヴ・ブシェミ共演。ぜひ。