雲の上には宇宙(そら)

 雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!

みんな薄雲のせい?(IC1396中心部)

2014年10月21日 | それでも星は流れる
17日(金)は予報がいい方に外れて夜半前までガイドの検証ができたのですが、
翌日18日は、予報では移動性高気圧の通過で徹夜での撮影が約束されていたはずなのに・・
20時過ぎてもこのありさま。
望遠鏡は最初の撮影対象に選んだ IC1396(ケフェウス座)の方向に向いています
この空では作品は期待できないにしても、ガイド星は認識できましたので
検証も兼ねた撮影を開始しました。
結果的には時々雲の通過があったのか大きく流れた画像があり、
(わたしの自宅撮影はときどきチェックをしますが、つきっきりではありません。)
5分露光15枚撮影のうち、ひどい3枚を除外して画像処理したものです。

IC.1396 中心部 (ケフェウス座) 
( 画像クリックで拡大表示 )
( 上 が北の方向 わずかトリミングしてあります )
撮影DATA: 2014/10/ 18 19:24’~ VixenVC200L+レデューサー(f=1,278mm F6.4
露出5分×12枚コンポジット  ISO 1600 Cooled 60D (気温10℃ 冷却 -5.5℃) LPS-P2FIL
EM-200USD赤道儀 ORION SSAG TAKAHASI D 50mm f 700mmガイド鏡 PHD Guiding ステライメージ7
(画像処理で気が付いたのですが、カメラが傾いて接続されていたようで光軸の中心が大きくずれていました。)

こんな雲の通過でいつガイド星を見失うかわからない空では
まともな検証は無理と判断し、できることをやってみました。

[ 検証.1 ] ガイド用の信号を止めたらどうなるか?
星が東西方向にブレるのは過剰な制御のせいで、もしかしたら制御をやめれば
おだやかな波形になるのでは・・ ・・やってみました。(制御コードのコネクタの抜き挿しで)
予想に反して、コネクタを抜いたとたんに赤経(東西方向)のグラフは場外へ。
再度挿入したらちょっと時間をおいて戻ってきてくれました。
失礼しました。PHD Guiding はしっかり仕事をしていました。

[ 検証.2 ] 空の状態はガイド精度にどう影響するか?
これは何枚も撮影した画像から再構成してみたものです。
(RMS:偏差値を表し、小さいほど星のブレが少ない)

PHD 共通設定 露光:sec Ra agr:80% Ra hys:10% Min mo:0.2pixel
 
雲のある状態では RMS:1.16

雲が薄くなった状態では RMS:0.98

一見すると雲のない状態では RMS:1.22
RMSがグラフで表示されている時間帯(約7分?)の平均値であること、
雲は見えなくてもモヤはあるかもしれないし・・
あまり意味のあるデータではなかったような気がします。

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このあと目立った雲は出なかったのですが、
朝までスカっとしない空が続きました。
それに加えてこのあと撮った、アンドロメダ銀河では
最大級のポカをやってしまいました。
なにをやったかは次号で

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13 コメント

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なんのポカ? (さすけ)
2014-10-21 19:00:52
延長ナントカを使ってもカメラが傾くことがあるんですね~。

IC.1396 中心部、いい写真なんだけど、ダメ・・なんですね。

>それに加えてこのあと撮った、アンドロメダ銀河では最大級のポカをやってしまいました。

金谷山へ行って寒中電灯を忘れたポカ、
ガクト撮影後のJPEGだったポカ。
さ~て今回は・・・(^。^)
!!雲上ブログ、またやったポカは密の味!!



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透明度が悪すぎました (雲上(くもがみ))
2014-10-21 20:09:28
さすけさんこんばんは。
金曜から3連ちゃんだったのですが、雨で一息ついています。
カメラ取り付けはネジ締め部分もあるので、油断すると傾いてしまいます。
今回の写真は星のブレより2/(5段階評価)という透明度の悪さですね。

今回のポカは日頃天体写真を撮っている人じゃないと、
予想するのはちょっと難しいと思いますよ。
返信する
PHDと赤道儀追尾速度モード (いっさ)
2014-10-21 20:59:53
はじめまして。
楽しくブログ拝見しています。

私もPHD2でのガイドのRA方向のズレを経験しました。
コントローラーはVixen SkySensor2000、カメラと赤道儀はASCOMで接続しています。
PHD2起動時は、コントロール(ガイド)速度が自動的にETC(ガイド速度)に設定されますがキャブレーション終了後、カメラ構図移動等でコントロール移動スピードを中速に切り換え、ETC(ガイド速度)に戻すのを忘れオートガイドに入ると追尾はしますがRAがハンチングし流れました。
また、追尾精度は、RAaggressivnessの補正率と露出秒が大きく影響していると思います。
また、コントロールモードAltAz(地上)からX-Yモードに切替を忘れキャブレーションが失敗しました。
この経験から、オートガイドに入る前に、①ETC(ガイド速度)②モードX-Yと呪文をとなえています。
お役にたてれば幸いです。
返信する
Unknown (naopon)
2014-10-21 21:33:31
VC200Lらしい象の鼻じゃないですかっ!
光軸以外(笑汗)

他の方も仰っておられますがPHD2をおススメします~。

Star Profileという画面でガイド星のドアップが表示されて、一発でその日のシンチレーションが分かります。薄雲があるか否かも数分見ていれば揺らぎと輝点の半値幅で推察が容易です。
修正量もいつものグラフで分かります(これは、分かった所でどう修正するかは別問題ですが・・・)。

もう少しですね~。
って、すでに作品としてイケる段階だと思いますが。
さすが雲上さん、恐るべし。VC200Lを使いこなして星雲を撮る方って多くは無い気がしています。
楽しみにしております~
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はじめまして。 (雲上(くもがみ))
2014-10-21 23:50:35
はじめまして いっささん。
SkySensor2000は使ったことがないのでわからないのですが、
EM-200USDの場合はコントロールBOXのSWでガイド速度と高速を切り替えます。
わたしの場合、うっかり天体導入で高速SWのままキャリブレーションを始めて、
構図の合わせ直しとならないよう注意しています。
EM-200USDではX-Yモードというのは無いようなのですが。

このあとの検証でRA agrと露光量を変えた検証も行っていますが、
シンチレーションが悪すぎたのか適正値がよくわかりませんでした。
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PHD2使い始めました。 (雲上(くもがみ))
2014-10-22 00:01:48
naoponさん こんばんは。
今回は珍しく(?)光軸が右上にずれていました。
Tリングの締め付け時に傾いて付けてしまったようです。

ブログにはまだ登場していませんが、既にPHD2使い始めています。
豊富な表示機能があって解析にも役立ちそうです。
Star Profileはまだ見ていないのですが、その夜のシンチレーションが即わかれば、
「今日はVC200LはやめてR200SSで」ってことになるかも・・(笑)

タワみはずいぶん改善されたので、シンチレーションが少ない夜なら
びっくりするくらいガイド精度が出るかもしれません。
まずはまともな星空に巡り合わないと。
返信する
PHDのグラフ (tantan)
2014-10-22 08:39:27
あまりコメントできませんが、いつも拝見しています。
PHDは私も使っています。PHDのグラフは星の位置・移動量ではなくてモーターに送られる移動量だと、どこかで読んだことがあります。それでケーブルを抜いた途端ずれていくのは、信号を送ってもガイド星が反応しないので信号を送り続けているから?とか思いました。信憑性は自信ないですけど参考までに。
直接星の安定性を見るにはどうしたらよいのでしょうね。
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PHD2おすすめです。 (雲上(くもがみ))
2014-10-22 10:23:03
わたしもtantanさんの言われる事を聞いた事があって、これまでいろいろ考えたのですが、
確かに移動して欲しい量の信号を送出しているだけで、
実際にどれだけ移動するは赤道儀側の問題となります。
ただグラフは露光時間の間隔毎に位置は測定しなおしますので、
コードを抜くとずれていくのは、実際にもずれていくんだと考えています。
最近PHD2を使い始めたのですが、このグラフは信号送出のタイミングと量まで表示されるので、
信号送出によりどう位置が変化するかがよくわかります。
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ちょっとお休みだそうです (さすけ)
2014-10-22 15:07:19
http://zujonootakara.com/blog/
山口のじぃさんが、ちょっとブログをお休みされるそうですね~
ギリシャの旅行疲れかな。
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Unknown (おりおん)
2014-10-22 17:35:43
すばらしい象の鼻!!
もうこれでOKじゃないんですか?だめですか。
naoponさんもおっしゃってますが、VC200Lで星雲撮影ってあまり多くないですよね。
スゴイです。

アンドロメダ銀河で最大級のポカ・・・。
「M31と思ったらM32を撮ってたっ!!」ですね(笑)・・・ちゃいますね・・・
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