雲の上には宇宙(そら)

 雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!

これが限界?一晩中M51子持ち銀河

2013年05月06日 | 天体写真(系外銀河)
無事帰ってきたCooled60Dのカムバック記念の撮影です。
当初は、夜半過ぎに北天に上ってくる「真夜中のパンスターズ彗星」をメインにと考えていたのですが、
設営場所からでは、家のひさしにかかって撮影不可なことがわかりました。
そこで21時過ぎから撮り始めた「M51子持ち銀河」をそのまま撮り続け、
結果として一晩で初めて総露光時間5時間を超える撮影となりました。

(ほぼトリミングなしの画像ですが、カブリ補正など処理がまだ不十分です。)
DATA: M51子持ち銀河 R200SS+Vixenエクステンダー(合成f=1500mm F7.5)15分×9枚 20分×9枚 ISO1600
2013年5月4日21時34分~5日03時04分 Cooled60D(外気温9℃ 冷却-14℃)PHDGuiding SE7他

銀河部分のクローズアップ画像です。
(クリックすると、お遊びで天の川銀河の星を消した画像が見れます。)

今回の 初めて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
■ 一晩での 総露光時間 5時間15分・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
これまでの記録 3時間45分  M106
■ Cooled60D(冷却ON)での 一枚の最大露光時間 20分・・・・・・・
これまでの記録 15分  M81&M82
■ 銀河の純正エクステンダーによる長焦点(f=1,500mm撮影・・・・・・
これまでの拡大撮影Canon1.4x f=1,120mm  M51


口径20cmのR200SS反射鏡筒+デジ一眼では、これが限界でしょうか?

下の画像は、今回20分露光のうちの1枚で、ベイヤー・RGB変換しただけのものです。
右側の画像は中心部を拡大したもので、星が東西方向に流れている事がわかります。
以前、「それでも星は流れる」シリーズ記事(左サイドのカテゴリーでごらんください)の中で、
ほぼ許容できる流れまで抑制できたはずだったのですが・・・
今回は更に・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(1). 長焦点 f=1500mmにより、撮影像の流れも拡大。・・・・・・・・・・・・・・・・
(2). R200SS+純正エクステンダーの星像が鋭く、流れが目立ちやすい。
(3). 一枚の露光時間が延びた(20分)ことにより、一枚の流れも増加。・・・・・

などの条件が重なり、より厳しい結果になったものと考えられます。

今回の記事で掲載した画像は、『雲上流 比較暗ずらし』で処理したものを
コンポジット(加算平均で重ね合わせ)しているため、星の流れは目立たなくなっていますが、
銀河の細部は”流れ”によってダメージを受けている筈です。
もし画像の”流れ”を止められたら、もっと素晴らしい画像が!

一時は満足していた「それでも星は流れる」の対策結果について、
再度検証してみる価値がありそうです。


『雲上流 比較暗ずらし』・・・従来は、ぼかした自画像と比較暗ずらしで星の流れを目立たなくしていたが、
次に撮影した画像を使う事によりコンポジット後の不自然なノイズが抑えられる。

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昨夜も星が見えていたのですが、前日徹夜して睡眠不足から撮影断念。
寝る前に空をみたら、曇ってた。ラッキー!(おいおい。)
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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちは (おりおん)
2013-05-06 16:09:45
5時間15分ですか!!すごいですねぇ!!
淡い部分も、赤いポツポツもしっかり写ってて立体感もハンパないですね。
1500mm、1枚20分でこの流れで抑えるのはすごいと思いますよ。
私なんて680mm8分で流れるんですから(笑)

いや、ほんと素晴らしいです。

返信する
やはり、この辺で満足すべき? (雲上(くもがみ))
2013-05-06 16:28:18
おりおんさん、そんな事言われたら「やはり高望み?」って思っちゃうんじゃないですか。(笑)
でもオートガイドの問題では無く、西に傾くにつれて撮影機材のたわみが出ているようなので、
オフアキスにでもしないと無理なのかな?
返信する
Unknown (ただよし)
2013-05-06 17:22:18
階調豊かで奥行きもあり、見ていて気持ちいいです。
私もいつか、こんなM51を撮ってウットリしてみたいです。
返信する
クリックで、星が消える。 (雲上(くもがみ))
2013-05-06 18:54:56
ただよしさん、こんばんは。
今ほどお遊びで、クローズアップ画像をクリックすると
天の川銀河の星が消えてしまうというのをやってみました。

一晩に一タイトルしか撮れなくても、
一期一会のつもりで天体写真と付き合っていこうかな、
と最近考えております。
返信する
R200SS (tantan)
2013-05-08 08:20:03
5時間露光は骨がおれますね。これだけ時間をかければデジ一でも銀河内の色彩がしっかり分かります。勉強のためにISOを教えていただけますか?

私もR200SSをフィルム時代に使っていました。あくまで私の経験談ですが、R200SSはエクステンダーで焦点を延ばしても解像度はついてこないような気がします。60Dの画素サイズなら、焦点距離を延ばしてガイドを大変にするより、ガイドしやすい焦点距離で露出時間も短くして流れを防いだ方が解像度アップにつながりそうな気がします。明るいFでコンポジット枚数も増えれば、同じ露出時間でも画質も向上して淡い周辺も表現しやすくなるし、一石二鳥です。
返信する
目からウロコです。 (雲上(くもがみ))
2013-05-08 09:38:09
tantanさん、コメントありがとうございます。
まずご質問のISOは1600で通しています。

純正エクステンダーの画像については、
焦点延長手段としての、コマコレクタ+Canonエクステンダーの組み合わせに比べると、
中心部の解像度が優れていると経験から感じています。(周辺部は流れがあります。)

「60Dの画素サイズ」の小ささも、流れを目立たせる要因ですね。
検証結果からは、時間に均等に流れています。
つまり「60Dの高画素」を生かし、
・焦点距離を延ばさない事でFを明るく、露光時間を短くできる。(一枚の流れを縮小)
・焦点距離が短いため、流れが目立たない。
という事で、トリミングをしても流れが少ない分、解像度アップにつながるという訳ですね。
『目からウロコ』です。
返信する
もっといけそうですよ! (ミッチー)
2013-05-08 23:22:37
自宅でここまで撮られたんだ、と思ってよく読んでみると、なるほど5時間超だったり、1枚あたりも20分だったりと、一筋縄ではいかない手間をかけてたんですね。
画像見て一発で「これは!」って思いますから、そういうことははっきり結果に反映されるもんなんですね。
技術的なことはまだまだ向上が期待できそうですから、これこそ良い空で撮るだけでももっといいものが撮れそうですね。限界じゃあないですよ、きっと。
それにしてもISO1600を20分なんて、さすが冷却だなあと思います。
返信する
ISO2500の検証中。 (雲上(くもがみ))
2013-05-09 01:13:09
ミッチーさん、只今徹夜でNGC4565を撮影中です。
M51で20分で流れが目立ったので、同じ構成で
ISO2500の10分でどうか、試しています。

エクステンダーでF7.5と暗くなりますので、20分はまだ余裕です。(流れなければ)
返信する

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