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雲の上には宇宙(そら)
雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!
真冬でも冷却しなきゃダメ?(冷却デジカメ検証)
2013年12月16日
|
機材
冷却デジカメ
COOLED-60D
の結露によるトラブル対策は、
カメラを袋でおおい、そこに乾燥空気を送り込むというものであった。
”
乾井送兵衛
”と名付けたこの手作りグッズは、最初冷却ファンまで
おおってしまった事により、冷却能力に大きなダメージを与えた。
初代 乾井送兵衛
そこで、冷却ファン部を囲い込み、放熱ルートを確保した
”
乾井送兵衛(改)
” では冷却能力は回復したが、
送り込んだ乾燥空気まで袋外に排気され、
今度は除湿能力が大きく低下してしまった。
乾井送兵衛(改)
”毒を食らわば皿までも・・”。
そこで「
乾井送兵衛(改
Ⅱ
)
」を考案しました。
「
乾井送兵衛(改Ⅱ)
」構想図面 (もう材料も100円ショップで購入ずみ)
囲みを大きくして、ファンの空気取り込み口まで確保しようというもの。
構造はよりシンプルになって良い事なのだが・・
ふと考えました。
ここまで苦労して、冷却するメリットはあるのか?
それも厳寒の雪国の冬の夜に・・
昨年12月の記事
で、
気温の高い夏場の冷却デジカメの能力検証は行っているのですが、
昨年の冬場はトラブルにより購入元に送って手元になかったり、
戻ってきても再発が怖くて、春になるまで冷却はオフで使用しました。
(思い切って冷却オンにしたら、3度目でトラブル再発!)
そこで冬場のデータを撮ってみました。
本来は夜間、屋外でのデータ取得すべきなのですが、
そのためにカメラが壊れては困るので、昼間暖房のない部屋で行いました。
検証時の
室温
7
℃
(6.9~7.3℃) 湿度65%(64~66%)
(1).
COOLED60Dの冷却能力
室温6.9℃ CMOS温度 冷却前
8.5
℃ 冷却開始5分後
-14.6
℃
1分ほどで急激に低下し、
25度
近い冷却能力があることがわかります。
(2).
ダークノイズ検証結果
カメラボディにキャップをして光が入らない状態で、
冷却オフ
で露光時間3分・5分・10分をそれぞれ5枚づつ、
次に
冷却オン
で、同様にダークノイズを撮影
(?)
しました。
(ISO感度は1600)
以下の画像はそれぞれ5枚目に撮影したダーク画像です。
各画像はノイズが目立つ様に、表示レベル幅を極端に狭めてあります。
露光時間 3分
露光時間 5分
露光時間 10分
それぞれ撮影した順序は3分→5分→10分だったのですが、
冷却
オン
ではCMOSの温度が低く、ノイズもほぼ一定なのに対して、
冷却
オフ
では次第に温度が上昇して、ノイズが目立ってきます。
( 撮影間隔は15秒空けて、露光時間の変更時は10分空けています。 )
意外なのは温度上昇によりノイズレベル値が高くなるというより、
レベル幅
(ノイズレベルのばらつき)
が増加
してザラつきにつながっていること。
(3).
ダーク減算後のノイズ比較
実際の画像処理では『
ダーク減算
』という方法で、
定常ノイズを減らしています。
*
定常ノイズ
・・・露光時間、温度、設定感度などにより、毎回同じように発生するノイズ
わたしの場合はダーク減算に使うデータは事前に作成しておき、
撮影時の温度・露光時間にちかいものをダーク減算に使用しています。
今回取得したダーク画像も、5枚を
加算平均
(
σクリッピング
)コンポジットして
今後、画像処理のダーク減算で使用していく事になります。
*1
加算平均
するのは、ランンダムノイズを平均化して、定常ノイズを抽出するため。
*2
σ
(シグマ)
クリッピング
するのは、突発的で強烈なホットピクセルなど
平均化しても残るノイズを除外するため。
できたてのダークファイルを使って、10分露光の画像をダーク減算してみました。
減算しているのでレベルが低下するのは当然ですが、
冷却オフ画像を含め高レベル側の定常ノイズが減少しているのがわかります。
残ったノイズの多くはランダムノイズですので、
多くの枚数をコンポジットする事により平均化できます。
(4).
真冬でも冷却すべきか?
答えはダーク画像を見ただけでは出てこないようです。
これは前回記事に掲載した画像の処理前の1枚です。
ヒストグラムのピークは背景の空の明るさのレベルです。
この画像に使用するダークファイルは下になります。
上の画像と表示レベルは同じですので、ダークノイズは背景の空の明るさに比べて
はるかに低レベルになります。
このように背景の空が光害やうす雲で明るい場合は、
冷却どころかダーク減算すら効果がないかも知れません。
(ほんとかな?)
”
ほんとに効果が無いのか!
”という声が聞こえてきましたので、減算後の画像も追加しました。(12/17)
ほうら、ねっ。全体のレベルが下がっただけで、ヒストグラムの形は変わってないでしょっ。
(んっ、良く見るとピークより高い側の情報が増えたような? これって・・、低レベルのノイズが減ったってこと?)
冷却が真に効果を発揮するのは
、
透明度に恵まれた暗い空で背景のレベルが低く、
気温が高いためダークノイズのレベル幅が大きい
といった場合でしょうか?
==========================================
結論が見えない中、よくもまあダラダラと・・
それで
乾囲 送兵衛(改
Ⅱ
)
はどうするの?
つくるの? つくらないの?
雲上
(
くもがみ
)
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#科学
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Unknown
(
まるこう
)
2013-12-17 06:15:06
これは興味深い記事ですね。
ダーク減算後のノイズ比較を見ると、明らかに低レベル側のノイズが減っているので、ダーク減算の効果はあるようですね。
ここまで引っ張っておいて、改Ⅱ作らないと読者は収まりつかないですよ。(笑)
返信する
改Ⅱ、製作に入ります。
(
雲上(くもがみ)
)
2013-12-17 10:22:22
まるこうさん おはようございます。
先ほどオリオンの減算後の画像も追加しました。
ヒストグラムを良く見ると、明るい空でも低レベルのノイズ減算の効果はあるかも知れません。
乾囲送兵衛(改Ⅱ)、まるこうさんに背中を押してもらいましたのでつくる事にします。(笑)
(ほんとは冬以外の気温の高い時期にも結露トラブルが出ているので作る気でした。)
返信する
ついに
(
naopon
)
2013-12-18 00:08:15
生れました~。
1日違いですね(謎)
冷却効果って、こうして詳細に見ると明らかですね。
厳寒の北海道-20℃なら、いい線いきますかね。
楽しみだったりします。
返信する
おめでとうございまぁす。
(
雲上(くもがみ)
)
2013-12-18 02:23:59
ついにパパですね。
それにしても1日違いとは・・ご縁がありますね。
奥様に怒られぬよう子育ていっしょに頑張ってくださいね。
いい線どころか、-20℃では生命の危険が!(眠ったらしぬぞ~)
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