
前回のブログに引き続き、
文教福祉委員会に提出された
放射能に関する請願についてご報告します。
件名
「放射能汚染から子どもたちを守るための除染に関する請願」
趣旨
放射能測定の結果から、
福島第一原子力発電所から飛散した放射性物質は、
伊勢崎市内の小中学校、幼稚園、保育園などの庭に存在している。
放射能から子どもたちを守るために、
除染のために校庭等の表土を除去することなどが必要。
1 緊急的除染
校庭、園庭などの子どもが集まる場所の除染を
早急に行う。PTA等の市民参加も検討。
2 長期的除染
校庭等の土壌調査を行う。放射性物質の種類を特定する。
調査結果を公表する。今後も定期的に測定を除染を行う。
請願の要旨はここまでです。
私は詳しい説明を行い、各委員からの質問を受けました。
審議の結果、継続審議となりました。
請願された方は、
親としては少しでも安全な環境にしたいという願いですが、
校庭などの放射能の汚染は国の基準を下回っています。
はたしてどれほど危険なのか。
緊急に取り組まなくてはならないほどなのか。
多くの方が同意するのに難しい部分です。
過剰反応で不安をあおるつもりはありません。
無駄な税金はかけられません。しかし、
10年後に子どもたちが健康を害して
だめだという結果が出てからでは遅いのです。
必ず子どもたちがガンになる、という確証があれば
だれだって除染に賛成します。
未来の結果に対する確かな情報が不足する中で、
結果に重大な違いが生じる、
どちらかの道をいま選ばなければなりません。
まさに政治決断のときです。
8月17日の東京新聞のHPでは
次のように除染活動が報告されています。
足立区は、区立小中学校計百九校のうち区の放射線指標値
(毎時〇・〇〇〇二五ミリシーベルト)を上回る値が
砂場から検出された十七校で、砂の入れ替え工事を実施。
古い砂は袋詰めにし校内に穴を掘って六十センチより深い層に埋める。
区の学校砂場の除染費用は約二千万円。
同区の指標値の毎時〇・〇〇〇二五ミリシーベルトは、
国際放射線防護委員会(ICRP)が
平常時の一般人の一年間の被ばく限度として示す
年間一ミリシーベルトから導いた。
「国が放射線量の安全基準値を示していない中、
保護者などの不安を解消するため独自に定めた値」(区の担当者)という。
千葉県鎌ケ谷市でも七月以降、小中学校計十四校で、
放射線量が高い箇所の土を除去したり、
雑草を刈ったりと除染作業を進めている。
ある小学校では側溝から毎時〇・〇〇一ミリシーベルト超を検出したが、
泥を取り除くと、毎時〇・〇〇〇一一ミリシーベルトまで下がった。
ある小学校長は「今後とも線量低減に向けて努力を続けたい」と気を引き締める。
栃木県那須町では、町立小中学校全十七校で、
校庭の表土を三センチ程度削る作業を夏休み中に実施する。
担当者は「線量を少しでも下げて、保護者や子どもの不安を和らげたい」と話した。
(新聞の引用ここまで)
以下、請願の背景を説明します。
1 内部被爆と外部被爆
人体が受ける被爆は、内部被爆と外部被爆があります。
体の外に放射線源(物質)がある場合、
そこから放射線が出て体に達します。
ミクロサイズのチリなどの放射性物質を
呼吸のときに吸い込んだり、
放射性物質を含む飲食物を食べた場合、
体内に放射性物質が取り込まれます。
これが内部被爆です。
外部被爆の場合、被爆は一過性です。
その場を離れれば、被爆しなくなります。
しかし、
内部被爆の場合、放射性物質が体内にある限り
周りの細胞は放射線を浴び続けます。
排出されない限り24時間、365日です。
放射能の影響は、
強さと時間で決まります。
たとえ弱い放射能でも、たえず浴びてしまうと
トータルの量が大きくなります。
2 核種(放射性物質の種類)の問題
放射性物質はその種類によって性質が異なります。
放射性物質から出る放射線は
いろいろな種類があります。
アルファ線、ガンマ線、ベータ線、X線など。
アルファ線は体の外にある場合は、透過力が弱いので
それほど怖くありません。
紙一枚でも放射線は防げるそうです。
しかし、
もし体内に入ってしまうと大変危険です。
アルファ線を出すのは、ウラン、プルトニウム、ラジウムなど。
プルトニウムが呼吸などにより肺に取り込まれると
非常に肺がんを起こしやすい。
現在の日本の食品中の暫定規制値は、
セシウムは牛乳で200ベクレル/kgですが、
プルトニウムは1ベクレル/kgです。
200倍も危険度が違います。
1ベクレル/kgでも危険であるなら、
プルトニウムには気をつけたいと思っても、
発表されている核種は、ヨウ素やセシウムばかり。
プルトニウムがあるのか無いのか分からないことが
多いように感じます。
(群馬県の例 浄水発生土の放射性物質検査結果)
ぜひ、プルトニウムの有無についても
調査・公表してほしいと思います。
3 年間放射線量
文部科学省では、学校において児童生徒が年間に受ける
放射線量について定めています。
地震後、
年間20mSv(ミリシーベルト)、毎時3.8マイクロシーベルト
と定めていました。
これはドイツでは原発で働く成人の基準です。
なぜ子どもに適用するのかと、ドイツ放射線防護協会からすぐに
抗議がきたそうです。
文部科学省は8月26日の通知で、
年間1mSv、毎時1マイクロシーベルトに改正しました。
8月26日の通知の疑問点は2つあります。
年間20ミリシーベルト=3.8マイクロシーベルトであったなら
なぜ、年間1ミリシーベルトと20分の1に変えるのに、
3.8÷20=0.19マイクロシーベルト/時にはせずに、
1マイクロシーベルト/時とするのでしょうか?
もう一つは、内部被爆の可能性をまったく考慮していない点。
外部被爆が基準以下であればよいというだけで、
現に校庭に存在する放射性物質のチリを
児童が吸い込む可能性と危険をまったく無視しています。
外部被爆であれば、問題ないレベルであっても
毎日の学校生活の中で
セシウムなどを体内に取り込んだ場合の、
その後の影響が考えられていません。
文部科学省の役人は、校庭に放射性物質があっても
そこで遊んだり運動する子どもたちが呼吸もせず、
体や衣服には、チリやほこりがまったく付かず、
チリやほこりはまったく舞い上がらないと
考えているのでしょうか。それとも
何も考えていないのでしょうか。
外部被爆、内部被爆、学校給食、
学校生活、通学、家庭、その他の生活の
トータルの被爆量が問題なのです。
文教福祉委員会に提出された
放射能に関する請願についてご報告します。
件名
「放射能汚染から子どもたちを守るための除染に関する請願」
趣旨
放射能測定の結果から、
福島第一原子力発電所から飛散した放射性物質は、
伊勢崎市内の小中学校、幼稚園、保育園などの庭に存在している。
放射能から子どもたちを守るために、
除染のために校庭等の表土を除去することなどが必要。
1 緊急的除染
校庭、園庭などの子どもが集まる場所の除染を
早急に行う。PTA等の市民参加も検討。
2 長期的除染
校庭等の土壌調査を行う。放射性物質の種類を特定する。
調査結果を公表する。今後も定期的に測定を除染を行う。
請願の要旨はここまでです。
私は詳しい説明を行い、各委員からの質問を受けました。
審議の結果、継続審議となりました。
請願された方は、
親としては少しでも安全な環境にしたいという願いですが、
校庭などの放射能の汚染は国の基準を下回っています。
はたしてどれほど危険なのか。
緊急に取り組まなくてはならないほどなのか。
多くの方が同意するのに難しい部分です。
過剰反応で不安をあおるつもりはありません。
無駄な税金はかけられません。しかし、
10年後に子どもたちが健康を害して
だめだという結果が出てからでは遅いのです。
必ず子どもたちがガンになる、という確証があれば
だれだって除染に賛成します。
未来の結果に対する確かな情報が不足する中で、
結果に重大な違いが生じる、
どちらかの道をいま選ばなければなりません。
まさに政治決断のときです。
8月17日の東京新聞のHPでは
次のように除染活動が報告されています。
足立区は、区立小中学校計百九校のうち区の放射線指標値
(毎時〇・〇〇〇二五ミリシーベルト)を上回る値が
砂場から検出された十七校で、砂の入れ替え工事を実施。
古い砂は袋詰めにし校内に穴を掘って六十センチより深い層に埋める。
区の学校砂場の除染費用は約二千万円。
同区の指標値の毎時〇・〇〇〇二五ミリシーベルトは、
国際放射線防護委員会(ICRP)が
平常時の一般人の一年間の被ばく限度として示す
年間一ミリシーベルトから導いた。
「国が放射線量の安全基準値を示していない中、
保護者などの不安を解消するため独自に定めた値」(区の担当者)という。
千葉県鎌ケ谷市でも七月以降、小中学校計十四校で、
放射線量が高い箇所の土を除去したり、
雑草を刈ったりと除染作業を進めている。
ある小学校では側溝から毎時〇・〇〇一ミリシーベルト超を検出したが、
泥を取り除くと、毎時〇・〇〇〇一一ミリシーベルトまで下がった。
ある小学校長は「今後とも線量低減に向けて努力を続けたい」と気を引き締める。
栃木県那須町では、町立小中学校全十七校で、
校庭の表土を三センチ程度削る作業を夏休み中に実施する。
担当者は「線量を少しでも下げて、保護者や子どもの不安を和らげたい」と話した。
(新聞の引用ここまで)
以下、請願の背景を説明します。
1 内部被爆と外部被爆
人体が受ける被爆は、内部被爆と外部被爆があります。
体の外に放射線源(物質)がある場合、
そこから放射線が出て体に達します。
ミクロサイズのチリなどの放射性物質を
呼吸のときに吸い込んだり、
放射性物質を含む飲食物を食べた場合、
体内に放射性物質が取り込まれます。
これが内部被爆です。
外部被爆の場合、被爆は一過性です。
その場を離れれば、被爆しなくなります。
しかし、
内部被爆の場合、放射性物質が体内にある限り
周りの細胞は放射線を浴び続けます。
排出されない限り24時間、365日です。
放射能の影響は、
強さと時間で決まります。
たとえ弱い放射能でも、たえず浴びてしまうと
トータルの量が大きくなります。
2 核種(放射性物質の種類)の問題
放射性物質はその種類によって性質が異なります。
放射性物質から出る放射線は
いろいろな種類があります。
アルファ線、ガンマ線、ベータ線、X線など。
アルファ線は体の外にある場合は、透過力が弱いので
それほど怖くありません。
紙一枚でも放射線は防げるそうです。
しかし、
もし体内に入ってしまうと大変危険です。
アルファ線を出すのは、ウラン、プルトニウム、ラジウムなど。
プルトニウムが呼吸などにより肺に取り込まれると
非常に肺がんを起こしやすい。
現在の日本の食品中の暫定規制値は、
セシウムは牛乳で200ベクレル/kgですが、
プルトニウムは1ベクレル/kgです。
200倍も危険度が違います。
1ベクレル/kgでも危険であるなら、
プルトニウムには気をつけたいと思っても、
発表されている核種は、ヨウ素やセシウムばかり。
プルトニウムがあるのか無いのか分からないことが
多いように感じます。
(群馬県の例 浄水発生土の放射性物質検査結果)
ぜひ、プルトニウムの有無についても
調査・公表してほしいと思います。
3 年間放射線量
文部科学省では、学校において児童生徒が年間に受ける
放射線量について定めています。
地震後、
年間20mSv(ミリシーベルト)、毎時3.8マイクロシーベルト
と定めていました。
これはドイツでは原発で働く成人の基準です。
なぜ子どもに適用するのかと、ドイツ放射線防護協会からすぐに
抗議がきたそうです。
文部科学省は8月26日の通知で、
年間1mSv、毎時1マイクロシーベルトに改正しました。
8月26日の通知の疑問点は2つあります。
年間20ミリシーベルト=3.8マイクロシーベルトであったなら
なぜ、年間1ミリシーベルトと20分の1に変えるのに、
3.8÷20=0.19マイクロシーベルト/時にはせずに、
1マイクロシーベルト/時とするのでしょうか?
もう一つは、内部被爆の可能性をまったく考慮していない点。
外部被爆が基準以下であればよいというだけで、
現に校庭に存在する放射性物質のチリを
児童が吸い込む可能性と危険をまったく無視しています。
外部被爆であれば、問題ないレベルであっても
毎日の学校生活の中で
セシウムなどを体内に取り込んだ場合の、
その後の影響が考えられていません。
文部科学省の役人は、校庭に放射性物質があっても
そこで遊んだり運動する子どもたちが呼吸もせず、
体や衣服には、チリやほこりがまったく付かず、
チリやほこりはまったく舞い上がらないと
考えているのでしょうか。それとも
何も考えていないのでしょうか。
外部被爆、内部被爆、学校給食、
学校生活、通学、家庭、その他の生活の
トータルの被爆量が問題なのです。