伊勢崎市議会議員 多田稔(ただ みのる)の明日へのブログ

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みなかみ町 の 施井真希子さん

2012-01-25 20:38:01 | マーケティング
1月21日のブログ「みなかみ町 元気です」でご紹介した
町観光協会職員の施井(し・い)真希子さんが、
1月25日付け、日経新聞でも紹介されていました。

記事のタイトルは「『よそ者』眠る地域資源発掘」。
対馬や北海道旭川市などに飛び込んだよそ者の若者たちが
地元の人が気づかない地域の魅力を発見し、
地域を活性化しています。

記事によれば、みなかみ町の施井(しい)真希子さんは、
以前は、あのプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)のマーケティング部門で
活躍されていたそうです。

P&G(ピー・アンド・ジー)社は、
日本ではなじみが薄いですが、
洗剤や化粧品などの一般消費財を製造販売する企業で、
その分野では世界一の企業です。

ウイキによれば、世界180カ国以上で事業展開し、
収益性の非常に優れた企業であり、
マーケティングに極めて力を入れる企業として知られます。

ビジネス誌フォーチュンにて、
「社員の能力」が業種を超えて世界ランキング第1位に選ばれました。
人材輩出企業としても評価が高いそうです。
P&Gのブランド戦略は、MBA(経営修士)の
ケーススタディとしてよく取り上げられます。

日経新聞の記事によれば、
施井さんは、年間400~500万人くらい
観光客を集めたいと、PR戦略の立案を練っています。

P&G時代と同様に
客観的なデータ分析を重視します。
首都圏の消費者にアンケートし、関心が高いイベントやスポットに
的を絞った広告宣伝を仕掛けます。

利根川減流域のみなかみ町には
たくさんのダムがあります。
重力式コンクリートダムの藤原ダム
アーチ式コンクリートダムの矢木沢ダム
ロックフィルダムの奈良俣ダムなど。

地元でもなじみの薄かった
ダムを巡るツアーは毎回ほぼ満員。
地域に寄り添いつつ、
よそ者の客観的な目線で、
地域活性化のキーパーソンになっています。

すごいですね~。
おっと、他人事ではありませんよ。

地域に寄り添い、客観的なデータを分析し、
地域の魅力を掘り起こし、
地域を活性化するのは、もし、あなたが地方公務員だったら、
まさにあなたの仕事です。

日頃、意識して取り組まれているでしょうか。
データを読むための本をご紹介します。

「経営のための直感的統計学」 吉田耕作(日経BP・2200円+税)
これは数学が平均点以下の
文系のヒト向けに書かれた統計の本です。

この本によれば、
統計学とは、ビジネスの現況把握のために、
色々な現実のデータを集めて、
代表値やばらつきを計算することにより、
その調査対象の全体像を得るための手法。

「現状把握は、ほとんどの場合において、
 データを取ることによってのみ可能」である。
極言するならば、
「現実はデータをとるまでは存在しないのと同じ」である。

データを取ったら次は分析です。
「問題解決プロフェッショナル」齋藤嘉則(ダイヤモンド社・2447円)

様々な問題に対し、
決められた時間内に解決策を提示する。
常に、ヒト・モノ・カネ・情報・時間の制約の中で、
考え抜くための基本スキルの紹介です。

・2つの思考。
 ゼロベース思考と、仮説思考。
・2つの技術。
 MECE(ミッシー)と、ロジックツリー。
・1つのプロセス。
 ソリューションシステム。 などなど。

解決方法は知っていても、
真の原因がわからなければ役に立ちません。そこで、
「問題発見プロフェッショナル」齋藤嘉則(ダイヤモンド社・2400円+税)

一見して考えられる原因は、
表面的なものです。対処療法にしかなりません。
真の原因とは見えにくいものなのです。
本当の原因が見つかれば、
問題は半分以上解決したようなものです。

・問題発見力が問題解決のクオリティを決定する
 筋の良い解決策は、適格な問題設定から。
 問題発見ができない4つの理由。
・戦略的問題発見の構想力を高める。
 「あるべき姿」を構想する戦略的問題発見力
 問題発見の4P
・問題発見分析編
 仮説思考と分析力は車の両輪 などなど。

行政だけで独り相撲しても、
地域の課題は解決できません。そこで、

「コミュニティデザイン―人がつながるしくみをつくる」
山崎 亮 (学芸出版社)1,890円

地域の課題を地域に住む人たちが解決するための
コミュニティデザインに携わる。
まちづくりのワークショップ、住民参加型の総合計画づくり、
建築やランドスケープのデザインなどに関するプロジェクトを紹介しています。

多様なメンバーによる会議を
うまく進めるために、
「問題解決ファシリテーター」堀公俊(東洋経済新報社・2200円+税)

人との協働・コミュニケーション技術を磨きましょう。
会議においてファシリテーターは、
参加者の意見ではなく、プロセスをコントロールすることにより、
意思決定の質を上げます。

そしてメンバーに学習を促進し、
組織の成長を促していく。
あらゆる問題解決に欠かせないコミュニケーション技術、
それがファシリテーションです。

もちろん、施井さんが御専門の
「マーケティング」は、行政にとっても、政治にとっても
最重要な分野の一つと私は考えています。
そのため私のブログでも、左側のカテゴリーに
わざわざ「マーケティング」を設けています。

マーケティングに関しては、
入門書から、コトラーまで、ぜひ読んでください。
マーケティングの考え方を、知れば知るほど
仕事がより面白くなること請け合いです。

このように公務員の方が役立つ本や考え方を
並べてみると、公務員試験はあまり役に立っていないような気がします。

一次の筆記試験では、法律に関する問題が多いですが、
そんなものは、本を見れば書いてあるし、
インターネットでも直ぐに参照できます。
暗記している必要はありません。

それよりも大事なのは、
現状からデータを取り、分析し、原因を探り
関係者と協力して、解決策を実行する力です。

こう考えると、私が挙げた本の内容を
公務員採用試験の出題範囲に定め、
その分野を勉強してもらい、高得点の受験者を採用すれば、
初めから活躍が期待できます。

自治体の首長さん、採用担当者のかた、
いかがでしょうか?


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