伊勢崎市議会議員 多田稔(ただ みのる)の明日へのブログ

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10年以内にプライマリーバランス 黒字化

2012-06-01 22:13:05 | 政治・政策・経済


(プライマリー・バランス)

5月30日のブログ「政党のマニュフェスト」で、
自民党と民主党の財政再建の政策をご紹介しました。
両政党とも、約10年以内に
「プライマリー・バランス」の黒字化を掲げています。

「プライマリー・バランス」とは、「基礎的財政収支」ともいいます。
これは予算の収支から、
国債にかかる収入と支出(利子も含む)を除外した一年間の収支です。
その部分が赤字だと、累積赤字が更に広がってしまいます。
借金を無限に増やさないためには、
最低限この部分を収支均衡にする必要があります。



(これはとてつもなく高い「目標」です)

いえ、公約でなくマニュフェストですから、目標ではなく「約束」です。
どれくらい達成が難しいのでしょうか。24年度予算をもとに
シュミレーションしてみましょう。(GDPは固定と仮定します)

実感としてつかめるように、
財務省のデータを元に
私が資料を作成しました。

これは平成24年度の国一般会計予算を
省庁別にしたものです。
四捨五入の関係で、合計数字は予算額とずれます。




(入るを計りて、出るを制す)

まず、国債にかかる部分(緑色)を除外して考えます。
プライマリー・バランスをとるためには、
支出は、税収(ピンク色)を超えない範囲にしなければなりません。

24年度当初予算で確認すると、「税収」は42.3兆円。
一方、支出は「地方交付税」と「厚生労働省予算」の
2つを合算するだけで43.2兆円です。
すでに予算オーバー。

他の全ての省庁の予算は、
まるごとカットしなければなりません。
「そんなばかな」とお思いでしょうが、計算ではそうなります。
ましてこれは、「収支均衡を図るだけ」のことであり、
借金を減らすと言うレベルは、もっと先です。


プライマリーバランスを達成するには、
事業仕分けでどの事業を削るとか、
公務員官舎が贅沢だとか言うレベルの問題ではないことが
よく分かって頂けると思います。




(予算の表を、棒グラフにしたものです)


国の予算を省庁別に見ると、社会保障の厚生労働省予算と、地方交付税が
ダントツに多いことが分かります。
これから本当に税収の範囲まで支出を削減しようとするならば、
この二つを聖域にすることはできません。
それでは他が全部カットになってしまうからです。

地方議員の立場からみると、
各省庁が生き残りのために、地方交付税カットに
向かってくるのではないかと危惧します。



(今後10年、省庁レベルで生きるか死ぬか)

さて、これほどのカットを
今後10年で達成しようと言うのですから、
毎年少なくとも、削減必要金額の1/10づつくらいの目安で、
削減を進めなくては実現しないでしょう。
1年先送りすれば、次回は2倍(2/10)実施しないと
つじつまが合わなくなります。

1/10のカットは相当大変です。
しかし、それが難しいからといって1年先送りすると
翌年は2/10のノルマが課せられます。
でも、1/10が達成できないような政府が、翌年2/10達成できるのか?

日本の今後10年間は、これほど激しい行財政改革を行うと
現在の政府である民主党と、第一野党である自民党は
マニュフェストで国民に約束しているのです。
公務員の皆さんは他人事ではありません。
自分達のおかれた環境の厳しさと、残り時間の少なさを本気で理解し、
明日からの仕事に反映してください。

それとも、政治家も公務員も国民も、
イヤなことは、いつまでも先送りしますか? ギリシャのように。




(参考:国の財政状況)












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