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伊勢崎市議会議員 多田稔(ただ みのる)の明日へのブログ

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伊勢崎ブランドの信頼回復

2011-06-10 18:28:03 | 政治・政策・経済
本日午後、市議会で、一般質問を行いました。
大勢の方に傍聴に来ていただきまして、ありがとうございました。
身が引き締まります。

本日の私の質問内容と、
それに対する答弁の概要をお伝えします。

はじめに10分ほど私から質問を行います。
それに対し、市長、教育長、部長さんから答弁があります。
その答弁を受けて、私から再質問を行い、
再び答弁を受けるという流れです。

(以下、質問内容)
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会派「明日のいせさき」を代表して、
通告に従い質問いたします。
はじめに、東日本大震災でお亡くなりになられた方の
ご冥福をお祈りするとともに、
被害にあわれた皆様にお見舞い申し上げます。

私たちの伊勢崎市は、現地に比べれば被害は少なく、
援助する立場でありますが、同時に伊勢崎市も被災地であり、
地震の影響により困っている市民に対して、
行政がしっかりと支援することが必要であると考えます。

本日は、 
1 農業関係の放射能被害について、
2 給食調理場について、
3 保育所(園)の暑さ対策について、
の3項目につきまして、質問いたします。

1 農業関係の放射能被害について
佐波伊勢崎地域は、野菜生産出荷安定法に基づく
ホウレンソウの指定産地となっています。
長い期間にわたる関係者の努力により、伊勢崎産の野菜は、
「地域ブランド」として市場や消費者から
品質と安全性を高く評価されてきました。

ところが今年3月の原子力発電所の事故による放射能汚染により、
ホウレンソウは3月20日から4月8日まで出荷停止となりました。
更に、再出荷後にも風評被害により市場価格が低迷しています。
「伊勢崎産」ということで、逆にマイナスのブランド評価を
受けてしまっているのです。
今後、伊勢崎産の野菜を売っていく上で大問題です。

伊勢崎地域に対する消費者と市場の信頼を回復するには、
まず、消費者が最も気にかけている放射能汚染に対して目をそらさず、
消費者が安心できるように地域全体で
しっかりと対応することが最重要であります。

検出された放射性物質のうち、放射性ヨウ素は、
放射線の半減期が8日程度のため、
長期的にはほとんど影響がなくなります。
しかし放射性セシウム137の半減期は30年のため
汚染の影響が長く残ります。

伊勢崎地域の放射能への真剣な取り組みを、
消費者や市場に、粘り強く伝えていくことが、
伊勢崎ブランドのイメージ回復につながり、
風評被害の根本的な解決になるものと考えます。

(1)風評被害
伊勢崎市内で出荷停止になった野菜の量と、
被害額はどれほどでしょうか。
また、風評被害による市場価格の低迷については、
どのように把握されているでしょうか。
そして、行政としてどのように安全性を市民や消費者に
伝えていくのかお尋ねします。
これは先の質問の答弁がありましたので簡潔で結構です。

(2)土壌汚染
次に、土壌汚染について伺います。
原子力事故の発生初期は、農地の表面の汚染でした。
しかし原子力事故はいまだ収束しません。
農地表面にあった放射性物質も、農地を耕したり、雨水が浸透することで、
地下にまで汚染が広がりつつあります。
農林水産省では、土中の放射能物質がどの程度野菜へ移行するか
吸収率を公表しました。市では野菜の安全性確保のために、
土壌の放射能汚染についてどのように考え、
取り組まれているのかお尋ねします。

(3)基準値を超えた野菜の処理
放射能が基準値以上に付着したため、出荷停止となっていた
ホウレンソウの処理についてお尋ねします。
農家の場合、農林水産省の通知により、出荷停止となった野菜は
畑の隅などに集積され、その後腐敗しました。
ホウレンソウの一枚一枚や、畑にひろく栽培されている状態では
放射能は低いのです。

しかし、一箇所に集められた場合、
10kg集めれば放射線量は1kg時の10倍と考えられます。
各農地においてどれほどの量が、どの場所に集積されていたのか
誰が把握・管理しているのでしょうか。
セシウムの半減期は30年ですので、伊勢崎の野菜が安全、安心であると
消費者に認識してもらうためには、高濃度の汚染土壌の範囲を
長期間にわたり、しっかりと区分・記録・管理していく必要があります。

農林水産省は質疑応答で、
出荷停止野菜を圃場の限定された一部に野積みする場合、
必ずしも1箇所に集めなくてもよいが、
保管場所の把握ができていればよいと解説しています。
「畑のどこが放射能が高いか低いか分かりません」
という状態で生産・出荷しても消費者の安心は得られません。
農地の放射能管理について市長のお考えを伺います。

次に、流通後回収された野菜の処分について伺います。
基準値を超えた野菜で流通済のものは、市場(いちば)で回収されました。
すでに販売後なので、農家の管理物ではありません。

伊勢崎市内のある市場(いちば)では、農協を通さず出荷され、
出荷停止指示を受け回収・保管されていたホウレンソウが11トンありました。
群馬県発表のデータをもとに、11トンのホウレンソウの
放射性セシウムの総量を試算してみますと、3百17万9千ベクレルです。  

 (伊勢崎市内の2サンプル 平成23年3月19日採取)
 (ホウレンソウのセシウム ①310ベクレル/kg、 ②268ベクレル/kg)
 (平均値)(310+268)÷2=289Bq/kg  
     @289Bq×11,000kg=3,179,000Bq

これは、どれほどの強さでしょうか。
国土交通省は下水処理場の脱水汚泥等について、
1kgあたり10万ベクレルを超えるものは、可能な限り、
焼却・溶融等の減容化処理を行い、焼却灰は飛散防止のため、
容器に封入する等の措置が必要であると通知しました。

11トンのホウレンソウを焼却処分した場合、焼却灰は1kgあたり、
どれほどのベクレルになるかわかりません。
しかし、総量は3百万ベクレルを超えると推定される廃棄物が
どこの処理場へ運ばれたのか。
その処理場の焼却灰や、煙などへの放射能の影響はどれほどなのか。市
はそのことをどのように調査・把握しているのかお尋ねします。

また、11トンのホウレンソウを廃棄物として受け入れた処理施設は、
私の調査によれば伊勢崎市外の施設でした。
その施設がある自治体へ、この件について伊勢崎市は
どのように連絡されたのかお尋ねします。

((2 給食調理場について))
次に、項目の2番、給食調理場についてお尋ねします。
4月に富山県で発生した焼肉店の食中毒では複数の死者が出ました。
教育現場において、給食の安全性確保は、最重要事項と考えます。

(1)老朽度
伊勢崎市の学校給食センターのうち、
昭和45年に設置された「第一学校給食調理場」は、
すでに40年以上が経過し県内最古と聞いております。
県内全市の給食センターを古い順に5つ挙げた場合、
どのような順位かお尋ねします。

(2)第一調理場における学校給食衛生管理基準と大量調理施設衛生管理マニュアル
40年以上前に建設された第一学校給食調理場は、
現在の文部科学省の基準である「学校給食衛生管理基準」及び、
厚生労働省の基準である「大量調理施設衛生管理マニュアル」に
適合しない部分があると考えます。
どのような点が適合していないのか、重要と考えられる順に5つご教示ください。

(3)今後の整備計画
第一学校給食調理場のほかにも古い施設はあります。
あずま学校給食調理場は昭和56年設置、
赤堀学校給食調理場は昭和57年設置です。
学校給食センターの整備には、多額の費用と時間を要するため
計画的な取り組みが必要であります。
どのような整備計画になっているのかお尋ねします。

次に(3 保育所(園)の暑さ対策について)お伺いします。
原子力発電所の事故により、今年の夏は節電が必要です。
クーラーの使用などできるだけ控えることが望まれますが、
病院など節電に不適当なケースもあります。

保育所では児童を長時間保育しています。
特に乳幼児は自律神経が未発達で体温調整がよくできません。
暑い日はお昼寝中でも脱水症の恐れもあります。
公的施設における節電対策は必要ですが、
保育所に対して市役所本館のような一律の節電基準を
強いることがないように希望するものであります。

そこで市長にお伺いします。
(1)節電計画における位置づけ
市の節電計画における保育所の扱いは
どのようになっているのでしょうか。

(2)計画停電時の対応
6月7日現在、東京電力によれば、この夏の計画停電は
「原則不実施」の方針ですが、もし計画停電となった場合、
保育所ではどのように暑さ対応されるのかお尋ねします。

以上質問を終わりますが、
答弁によりましては再質問をさせていただきます。

(はじめの質問ここまで)
--------------------------------------------------
以下、回答と再質問の概要です、

※わかりやすくするために、給食センターと
 保育所の関係を先に掲載します。

(回答)給食センター
第一学校給食調理場は、県内全市の中で2番目に古い。
学校給食衛生管理基準と大量調理施設衛生管理マニュアルは
可能な限り遵守している。
建替えについては、あり方検討委員会を立ち上げ議論している。

(回答)保育所
伊勢崎市では原則20%の節電計画だが、
保育所は、児童の健康管理を第一に考えて対応。
計画停電があった場合は、バッテリーつき扇風機で対応。
私立の保育所にも貸し出す。
保育所内の調理室は、停電時には食中毒防止のため
発電機で冷蔵庫を稼動させる。

(回答)農業関係の放射能被害
出荷停止になった野菜の量と被害額、風評被害は、
栽培面積で7,015アール、5億8千万円。
再出荷後も市場価格は低迷(確定していない)

安全のPRは、ホームページや、
即売会のイベントなどで行っている。
これからも七夕祭りや伊勢崎祭りなどでもPRする。

土壌汚染については、県が細かく調査を行う。
市内の田で13箇所、畑で18箇所の予定。

農地内で廃棄野菜を集積していた地点の扱いについては、
県やJAと対応を協議する。
対応についての国の基準を示すよう求める。

市場で流通後に回収され廃棄された11トンのホウレンソウについて、
県から産業廃棄物として処理するよう指示があった。
このホウレンソウは、3月18日に収穫されたものなので、
出荷停止措置の対象外(前)であり、処分方法等の制限を受けない。

このホウレンソウが運ばれた処理施設は深谷市の施設。
処理施設の焼却灰の指導は県が行うので、
伊勢崎市からは深谷市に連絡していない。

(多田再質問)
処理施設の関係は県なので、
深谷市には連絡していないということですが、
それでは県には連絡したのでしょうか?

(回答)
連絡していません。

以上、回答の「概要」でした。
--------------------------------------
以下、私の感想です。

県が土壌の調査を細かく行うことはよい事です。
しかし、たまたまサンプルを採取した場所が
廃棄したホウレンソウを積み上げてあった場所であれば、
それ以外の場所よりも、かなり高濃度の放射能が検出されるでしょう。

そして、その場所で栽培された野菜は、
他の場所で栽培された野菜よりも、
吸収される放射能が多くなると考えられます。

農地のどの部分に、廃棄野菜を積み上げておいたかを
しっかりと記録し、その区域で野菜を栽培しないように
しっかりと区域の管理をすることが大事だと思います。

もし、「畑のどこが放射能が高いか低いかわかりません」
という状態で野菜を生産したら、野菜の全量調査をしない限り
「どの野菜の放射能が高いか低いかわかりません」
という事態となり、伊勢崎ブランドの信頼回復にならないのです。

放射性セシウムの半減期は30年。
30年たったら消えるのではなく、半分になるだけ。
30年以上の長期にわたって、目に見えない放射能を相手に
農地をきちんと管理しなければなりません。

今ならまだ、それぞれの農家で、
どの場所にどれくらい廃棄野菜を積んでいたのかわかると思います。
しかし、時間の経過とともに記憶も薄れ、
耕作者が交代すれば、わからなくなってしまうと思います。

「伊勢崎産」の野菜は、安全だと
消費者や市場に認識してもらうには、
市内すべての農地で、きっちりと
この農地管理ができていなければなりません。

今しっかりと対応できなければ、
今後ずっと伊勢崎産の野菜に対する市場の評価は
低くなってしまうと思います。
対応できるのは今です。

原発事故はいまだに収束しません。
放射能はいまだに飛んできていると考えられます。
それぞれの農地で、一番放射線が高い場所が
はっきりと区分されていれば、
その高い場所の放射能検査を行い、
そこが安全なレベルであれば
その農地はどこでも安全と推定できます。

万一、基準より高ければ、
その場所はしっかり区分して、
野菜を生産しない区域にすれば良いのです。

逆に、一番低いと思われる地点だけからサンプルをとり、
放射能が低い結果が出たとしても、
それ以外の場所の放射能量は推定できません。

このように、土壌調査のサンプルをとる場合でも、
どこが高いか低いかを、耕作者自身がしっかりと
把握できていることが必要です。
できれば、最も高い場所と、その他の場所の
2箇所のサンプリングができれば良いと思います。

どれくらいの量の汚染ホウレンソウを積み上げた場合、
影響を考慮しなければならないのか、
後日ざっくりと計算したいと思います。


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