浄土宗 西山深草派 根本山
根本山真宗院の開山は円空立信上人である。上人の姓は清和源氏の一流、多田氏といい、大和十市郡(天理市の住人六絛蔵人源行綱の末孫として建保元年(1213)8月10日に誕生された。貞安元年(1227)15歳の時西山三鈷寺の西山国師事し、修学すること20余年、深く諸宗の深旨に精通された。西山国師減后の宝治2年(1248)ある日 上人は紀伊郡深草の里に遊蕩し ここが閑寂であることで愛で、左右の者に云われた。「この山は永く思うに適したるところある。西を望むと恩師●空上人の往生院(三鈷寺)を遥拝し、日想観を修業いるに適している。」「建長3年(1251)深草山の麓に一宇を建立し、盛りに宗義を唱えられたので後深草天皇から「真宗院」の勅号を賜った。上人の下に如円上人、顕意上人をはじめ道俗の帰依者が群集し昼夜浄上の法門を精勤されたので、後嵯峨上皇もその徳を嘉したまい また後深草天皇も上人に帰依し賜い正元元年(1259)詔して佛閣、坊舎、厨庫、三門、経蔵、鏡楼、般舟堂をかまえて念仏三昧を修せしめられ、采石三百石を賜った。ここにおいて講筵大いに開け徒衆百をもって数えた。やがて弘安7年(1284)円空上人が遷化されると、真宗院は真空如円上人に受けつがれ顕意上人は洛西嵯峨の釈迦院竹林寺に移 れて多くの門下雲集し顕意上人著作の黄金時代が訪れた。弘安10年(1287)真宗院2世真空如円上人は真宗院境内に地福寺を建立し隠居され、真宗院は弟子の道光上人に譲られたが、不幸にして永仁元年(1293)6月雷火により真宗院の諸堂宇悉く焼失する事態となった。時に竹林寺の顕意上人は本尊阿弥陀仏及び祖影を円空上人の生地大和十市郡に遷し一宇を建立永仁4年(1296)伏見天皇から真宗院の寺号を賜った。正安4年(1302)秋真宗院はまたもや火災にあい、道意上人は阿弥陀佛を奉じて竹林寺に帰られた。道意上人真宗寺の復興の志止みがたく仏前に誓い夢に紫雲髣髴たるを見、その地猪熊綾小路に徳治元年(1306)道俗力を合せ一宇を建立し、伝来の仏像、祖影を置き真宗寺を再興された。
延慶元年(1308)二条内府道平公壇越となり、正和5年(1316)花園天皇寺号を円福寺と改め勅願所の綸綍、斉邑を賜った。后深草派の末寺の綸旨や法制は円福寺の統轄するところとなり、水上薬師(蛸薬師)永福寺も兼務することとなった
深草真宗院は3世道光上人によって再建され、その弟子4世光空生智上人に受けつがれたが、後顕意上人真宗院に入
寺された。以来真宗院は15世融譽聖人に到るまで法灯明らかに念仏読経の法筵に相続したが、16世洞空上人の時代に至って応仁元年(1467)に戦乱勃発し真宗院、龍護殿、円福寺、誓願寺以下の寺院を焼失した 龍護殿を復興真宗院より開創は古く、嵯峨天皇が西山国師に喜捨された。荘田で、龍護殿と称白河のほとりにあったここに西山国師は歓喜院龍護殿という寺を建立された。嵯峨天皇は西山国師の戒徳に深く帰依されて、寛永2年(1244)龍護殿を官寺として長く鎮護国家の道場とされた。
時下って真宗院34世中興龍空瑞山上人寛永年中真宗院の荒廃を再興し、龍護殿を修復されたその弟子専意一向、慈空通西等、寺門を修飾し、規律を正粛し、祖風を興隆、道譽を輝かされた。大阪の壇越雑賀氏厚く帰依し幾百の資財を施入し、また黄檗の獨流 仏国寺の高泉の両禅師●を来往して道交を温め西方の要路を問うた。裏山の墓地に山脇東洋先生の一族の墓がある。東洋は宝暦4年(1754)日本最初の人体解剖
行い、その成果を「蔵志」としてあらわした。
龍空編蓮門課誦一巻」慈空通西筆受し一向専意墨譜通西著「蓮門小清規」二巻、仝通西著臨終節要」 の二部を●にして草山法彙という。
大正4年(1915)龍空上人が再建された二重屋根の壮大な本堂が焼失 昭和6年(1931)現在の本堂が再建された。「方丈」、鐘楼、三門は往昔のものであるが、特に「方丈」の損傷は危険を伴うので昭和63年春全面修復し新しい瓦に葺替えられた。
仏像 阿弥陀如来坐像 伝 恵信僧都作
円空堂 阿弥陀如来 平安期作
毘沙門天像 室町期作
仏画・美術工芸品
大福曼荼羅絵図 察空観仏代 文政5年～12年
大福大涅槃像絵図 察空代
不空絹索神変真言経第17巻 重要文化財
史料・文献
西山国師 真弟外多数
その他
西山国師霊場第11番
詠歌 くもりなき ひとのよねがう
ふかくさの おかよりのぞむ 西山の空
墓碑 山脇東洋の墓及一族 １２基
真宗院の大壇越雑賀氏一族の墓１０基
本堂背後の丘陵上には開山 円空上人の廟がある
山脇東洋 関連記事 ➡ 墓がある 寺院中0067 誓願寺 浄土宗西山深草派
日本近代医学発祥の地 かつ 平野國臣外数十名終焉の地(六角獄舎跡)
寺院 前回の記事 ➡ 寺院伏0237 浄蓮華院 天台宗 勤王志士 飯田忠彦
川柳
おんなってわかんねえよと中2言う /BBまや
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