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癈忘-「猫ぅ」と鳴いた男

2008-07-31 02:56:58 | Weblog

江戸時代初期の笑い噺集『醒睡笑』(安楽庵策伝著)。もともとは京都所司代であった板倉重宗への献上品。当時の「笑い」が今に通じるかは「?」ですが。おもしろい話がてんこ盛り。

資料探しにあちこち引っ掻き回しているときに、本棚の後ろから出てきました。文庫本は版型が小さいですから、本棚の隅っこに落ちてしまうことも。

今は何で読めるんでしょうか。私の所蔵しているのは「角川文庫版」(鈴木棠三校注)。これは品切れですから、古書店で探すしかないでしょうね。上下2冊組で1000円前後かな…。

その醒睡笑の一節「癈忘」。「はいまう」とルビふってありますが、「はいもう」と読みます。ど忘れすることらしい。

その一節。(現代語訳は加瀬)

亭主が留守であれば、いつも通ってくる男がいる。その男と女房とは、「屋根からこっそり来なさい、はしごをかけておくからね。もし亭主が帰って来て、『屋根を歩いてるのは猫だろう』と言ったら、猫の鳴くまねをしなさい」と前々から約束をしていた。

本当に亭主が帰って来て、屋根の上の音を聞いて「屋根を歩いているのは人のようだ」と言った。

その女房「いや、最近大きな猫が歩くことがあるんです」と答えたときに、その男はたいへんびっくりして「にゃん」と鳴くはずであったのをコロッと忘れて。

小さな声で「ネコぅ」。


この醒睡笑。江戸時代の作品ですから、文語体ですから読みなれていないと読みにくいですが。古書店で見つけたら読んでみてください。

他に、どうして子どもは「風の子」というのかとか、「娘一人に婿三人」という謂れなどが載っています。


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