天地わたるブログ

ほがらかに、おおらかに

とある書生のひこばえ句会メモ

2017-08-20 00:16:23 | 俳句


きのう月例のひこばえ句会を催し、小生のほか11名の参加があった。
莎草(ささめ)さんは6月からの参加者できのうで3回出席した。句歴は浅いがすごく熱心でぼくの話を漏らさず聴いている。
驚いたことに彼女は細大漏らさずメモを取っていたのである。
これは先月の当句会でぼくの喋ったことを箇条書きに記録した莎草さんのメモである。それを見せていただいた。

1、言葉を特定する場合、特定する意味を考える
2、俳句は“いま”を詠む詩
3、景の表現が報告になっていないか? 詩情ある表現であるように
4、省略によって景の表現が判りにくくなっていないかよみとること
5、あからさまな表現にならないような工夫を
6、助詞の使い方。絶対的に助詞を必要とする表現なのに省いていないか
7、日本語・和語で表現できるものに、外来語などの表記は避けることが望ましい
8、情緒過多な表現は避ける
9、形象表現を工夫できているか
10、報告調になっていないか
11、表現が俗っぽくなっていないか。詩情はあるか
12、描写が読み手に伝わる表現であるか意識する
13、上五中七・中七下五が近すぎていないか。文脈の工夫で解消できないか
14、平凡でありきたりな句は、描写を更に工夫する
15、景のよみが分かれすぎる句は表現の精度を上げること
16、実態のあるもの(景・ものなど)と実態のないもの(抽象・気持ち・考え)の組み合わせ
17、取り合わせたものが響きあっているか
18、季語が活きる措辞になっているか
19、比喩は比喩とはっきりわかるように
20、重複している表現は、どちらかをたて(活かし)削除した音数を描写の精度向上に使う
21、露骨すぎないように。品ある表現を。大胆さが必要なこともある。
22、表現が過多・抽象になっていないか。具体的な景で表現すること
23、動詞の選択は適切か
24、事実を具体的に描きすぎて詩情に欠けるのはよろしくない
25、季語には時間がある。昼をイメージさせる季語(白南風)と夜をイメージさせる言葉(寝台列車)がひとつの句に描かれることに違和感あり
26、強くイメージさせる言葉には、詩が感じられにくい
27、景は細やかに具体的に描く
28、わかりずらい音律になっていないか
29、表現したい景はその描写でおすのがよい
30、水・水面の景は、映っているものを描く
31、俳句は物語(抽象・観念)ではない。詩情ある明解な景の描写を通して余韻やよみの拡がるものがよい


驚いた。
具体的な句がないとわかりにくい面もあるが、メモを取りつつ聴くことの大切さを彼女から逆に教えられた。彼女は優秀な新聞記者になれるのではないか。
彼女は対面句会で得られる情報量の多さとその質の深さに感じ入ってるようである。
もはや死語となりつつある「書生」という言葉で莎草さんを呼びたくなった。また当句会に来て大いに発言してほしい。
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