ロシア漁業ニュースヘッドライン

北海道機船漁業協同組合連合会
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一般社団法人北洋開発協会

南クリールの先行発展特区ТОР投資への根拠は色丹島“アストロブノイ”

2017-07-07 12:48:32 | 日記

2017年07月07日
北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[南クリールの先行発展特区ТОРへの投資の根拠は色丹島“アストロブノイ”]
2017年7月5日設立が決定された南クリールの先行発展特区“ТОР”(Территории Опережающего Развития)の根拠は、色丹島の漁業コンビナート”アストロブノイ”(Островной)だとサハリン一般紙(WEB)が伝えた。
”アストロブノイ”への投資プロジェクト計画は約50億ルーブルとされている。
プロジェクトは、冷凍・冷蔵水産物、缶詰、食品の生産・物流のための複合体の建設で、製品は、ロシア国内市場ばかりでなく日本、中国、韓国等のアジア太平洋諸国へ向ける計画となっており、島内で1,000人の雇用創出を見込んでいる。
また、プロジェクトは3段階で展開され、第1段階は今年2017年、護岸工事、管理棟、寮の修復、第2段階は来年2018年、新たな缶詰工場の建設と加工プラント、ラインの設置、1万5,000トンの処理冷蔵庫、管理棟の建設となっている。
更に、最終段階となる2019年には、マダラ、太平洋サケマス等を対象とするロボット化された高次加工設備の導入を計画としている。
なお、ロシア極東発展省は、この“ТОР”は、“2016年から2025年までのクリール列島社会経済発展計画”の枠組みによるものだと指摘している。

2017年07月07日
北海道新聞【ユジノサハリンスク則定隆史】
[北方四島に税制優遇特区 日ロ共同経済活動に影響も]
ロシアのトルトネフ副首相は6日、南クリール(北方領土)にロシア政府の新型特区「先行発展区」を指定することを決定したと述べた。タス通信が伝えた。特区に指定する具体的な場所は明らかにしていないが、北方四島での共同経済活動の具体化に向けた今後の日ロ交渉に影響を与える可能性もある。
先行発展区は、極東開発の推進に向けたロシア政府の目玉政策の一つで、国内外からの進出企業に税制優遇などを認める制度。
タス通信によると、トルトネフ氏は特区設置に向け「1週間以内に連邦政府に書類を提出する用意がある」と述べ、ロシア企業が水産加工に5億ルーブル(約9億4千万円)を投資する計画があることを明らかにした。
トルトネフ氏は昨年12月、日ロ両政府が北方四島での共同経済活動の検討開始で合意したことを踏まえ、四島での特区指定を当面延期する考えを示していた。今回の発言は7日に予定されている日ロ首脳会談を前に、日本側に共同経済活動を巡る協議の進展を急がせ、ロシア側に有利な条件を引き出す狙いがあるとみられる。

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シェスタコフが国後島・色丹島を訪問

2017-07-07 11:15:57 | 日記

2017年07月06日
モスクワ発
[シェスタコフが国後島・色丹島を訪問]
ロシア農業副大臣(漁業庁長官)シェスタコフが、今年2017年7月上旬、南クリールへ出張し、国後島と色丹島の水産加工場等を訪問した。
シェスタコフは国後島では、”ユジノクリリスキー・ルイブコンビナート”(Южно-Курильский рыбокомбинат)を視察、同コンビナートの代表者とイワシ・サバ漁業についても協議した。
同コンビナートは、冷凍スケトウダラ、マダラ、コマイ、カレイ、オヒョウ、サバ、そして太平洋サケマス等、年間3万トンの水産物製品を生産している。
同コンビナートの代表者は、新工場建設のため*(1)“投資クオータ”の申請をする計画を明らかにした。
またシェスタコフは、色丹島の漁業コンビナート”アストロブノイ”(Островной)を訪問、同コンビナートの代表*(2)ザイツエフがこの対応にあたった。
同コンビナートは昨年2016年春、経営破綻し操業継続が危ぶまれていたが、同年9月、サンマ処理を再開、年間500万缶以上の缶詰を生産しているとザイツエフは説明した。
さらにザイツエフは、フィッシュミール・魚油工場と白身魚対象の加工場の建設、港湾インフラ整備等に加えて、コンブ生産のための施設整備にかかる計画を示し、シェスタコフは“投資クオータ”の許可申請等について助言した。
(報告担当者:原口聖二)
*(1)“投資クオータ”
今年2017年から申請受付が開始される2019年の漁獲割当の更新に向けた新たな仕組み。
TACの20%以内でロシア国内で漁船を建造する者(15%以内)と陸上水産加工場を建設する者(5%以内)に、一定の条件を満たすことで優先的に漁獲割当が配分されることになる。
*(2)ザイツエフ Михаил Зайцев(ミハイル・ザイツエフ)
インテルルイブフロート(Интеррыбфлот)代表で、ロシア延縄漁業者協会の会長も務める。

(関連過去情報)

2017年06月13日 モスクワ発
[インテルルイブフロートはスルメイカ漁業拡大を目指す]
今年2017年漁期、色丹島の漁業コンビナート”アストロブノイ“(Островной)の再建に関わる“インテルルイブフロート”(Интеррыбфлот)社は、イワシ・サバに加え、イカ漁業の拡大を計画している。
昨年2016年、“インテルルイブフロート”社は、2,700トンのサバと、2,000トンのスルメイカ(Тихоокеанский кальмар:チホーオケアンスキー・カリマル:太平洋イカTodarodes pacificus)を漁獲した。
これまでロシア市場では、ドスイカ(Командорский кальмар:コマンドルスキー・カリマル:コマンドル・イカ Berryteuthis magister)はロシア国内で良く知られていたが、スルメイカはほとんど知られていなかった。
同社は、スルメイカは、韓国、日本、中国で大きな需要があり、当該資源へのアクセスは極めて要望だとしている。
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シェスタコフが南クリールへ出張 イワシ・サバ会議を現地で開催

2017-07-07 09:49:08 | 日記

2017年07月05日
サハリン発
[シェスタコフが南クリールへ出張 イワシ・サバ会議を現地で開催]
ロシア農業副大臣(漁業庁長官)シェスタコフは、2017年7月4日、南クリールへ出張し、国後島の”Южно-Курильский рыбокомбинат”(ユジノクリリスキー・ルイバコンビナート)を訪問、所属巻き網トロール(巾着網)イワシ・サバ漁船“Асбьорн“(アスビオルン)による魚群探査を視察した。
その後、シェスタコフは本船で色丹島へ移動、現地で通信を利用し、イワシ・サバ漁業会議を開催した。
昨年2016年漁期、ロシア漁業者は、イワシ6,700トン、サバ9,000トンを生産している。
今後、漁期中、毎週火曜日、漁業庁副長官サフチュウクを議長としてイワシ・サバ漁業本部会議が行われることになる。
なお、今年2017年漁期、科学研究機関は、イワシ6万1,300トン、サバ13万トンの漁獲を勧告(TAC設定なし)している。
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