きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

水のウソ・ホント 8回目 琵琶湖の生態系異常という「難病」

2008-09-03 21:56:37 | 赤旗記事特集
琵琶湖の生態系異常という「難病」

8回目は、近畿の水がめ「琵琶湖」の富栄養化、外来種の問題をとりあげます。

琵琶湖は、近畿で生活する1400万人の飲料水源として、また、数多くの鳥、魚、貝、その他の生物のすみかとして頼りにされています。しかし、1960年代以降、次々と特定の生物の大増殖という一病状」を訴えています。
 植物プランクトンの大増殖については、水道のろ過池の目詰まりやかび臭、生ぐさ臭、赤潮、アオコ、「黒潮」などを発生させています。低酸素の環境を好む硫黄酸化細菌の増殖、南部の浅い水域に水草の異常増殖も近年確認されました。外来種のオオカナダモ(水草)、ブラックバス(魚)、カワヒバリガイ(二枚貝)などが在来種より目立っています。
 特に、アオコの発生は、きわめて汚濁した湖沼に特徴的な現象で、アオコの中には青酸カリを上回る毒を持つ種類があります。この毒は、水道水では、浄水処理のミスがないかぎり除去されますが、湖水をそのまま飲む動物にとっては危険。2007年夏に集団死したアイガモの体内からアオコの毒物質が検出され、関連が疑われています。
 琵琶湖が訴える「病状」、生物の異常増殖は、植物の栄養となるリンや窒素などが水に多く含まれていることが原因です。これらの流入を防止する努力は、リンを含む洗剤を追放する市民運動に始まり、種々の法律や規制が実施され、対策が講じられてきましたが、湖水の水質改善はすすんでいません。

(近畿水問題合同研究会会員 中村寿子)
(つづく)
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水のウソ・ホント 7回目 生物による水質診断

2008-09-03 21:50:59 | 赤旗記事特集
生物による水質診断 週末の河川汚染?

7回目は、公的機関による水質検査の落とし穴です。


 平日の昼闇、公的機関が測定した河川の水質は悪くないのに、川底にすむ虫を調べると、汚水に出現する種類ぱかりという事例を、ずっと以前に聞きました。原因は、川沿の工場が監視の目が薄い夜間に濃い排水を流していたため。また、ある渓流の底石に付着している微小な藻類に、河口部の海水混じりの水域に出現する種類が多く見られ、調査すると、上流にある廃棄物処分地から高濃度の塩分が流れ込んでいたという事例もあります。
 河川の生物による水質診断は、生態系保全などの主張は相手にされなかった「コンクリート護岸万能時代」に、生態学者が現場で地道に検証し、ボランティアが河川環境を守る視点で続けていました。淀川では、研究者や住民の努力により、絶滅が懸念されていたイタセンパラとアユモドキの二種類の魚が確認され、天然記念物に指定されました。
 現在、河川の生物調査は環境省や国土交通省、各地方自治体が協力して実施する国民的な行事となっています。
 次のステップは、治水、水利用など河川の総合的な管理や自然回復の課題への、研究者や地域住民の参画ではないでしょうか。具体的には、ダム建設の是非、急な増水・渇水を緩和するための水田回復・遊水地の指定・森林育成など。淀川水系流域委員会の活動はその先鞭(せんべん)をうけたものと期待していました。委員会の結論を行政に生かし、制度を発展させてほしいと思います。

(近畿水問題合同研究会会員 中村寿子)
(つづく)

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