劇映画制作に使う銀塩フィルムは
撮影所資材部が扱っています
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映画会社によって変わるでしょうが
私の勤めていた撮影所では
一本の劇映画に使われる
ネガ・フィルムの割り当ては
仕上がり尺数の13割でした
フィルムの10割が仕上がり尺数ですから
NGは3割しか許されていません
現場ではNGに対して厳しいです
それに、劇映画には予告編が作られるようになって
予告編用ネガフィルムとして1000フィート(一巻)
ありました。
ネガ・フィルムは銀塩フィルムですから
乳剤番号がふられています。
最低、13割のネガ・フィルムは同一乳剤番号で
揃えられました。乳剤番号が変わると
微妙に色調が揃わなくなります
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劇映画の制作では、台本通りの順番でなく
前後を中抜きで撮影されるので、乳剤番号を
揃えておかないと、仕上がったとき色調が
ガタガタになってしまいます
劇映画の予告編はその組のチーフ助監督が
担当していました。予告編用に割り当てられた
1000フィートのフィルムは本編に繰り入れて
本編のNGカットを集めて、作られていたようです
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銀塩ネガ・フィルムで制作する映画と
ビデオ・テープで制作するテレビ・ドラマでは
NGに対する温度差がありました