続・本編とテレビ映画

京都へ出掛けたとき

知り合いの映画関係者に

今、どんな仕事をしているの？…

と聞いたことがありました。

…　…　…

「今は本編ではく､テレビ映画の仕事です」

と答えてくれました。

本編というのは劇場映画のことです。

この本編とテレビ映画という分け方は

どういうことなのでしょう。

…　…　…

劇場映画の制作はまず、

使用するフィルムが

３５ミリで撮影機は

ＮＣミッチェルが使われます

それに対してテレビ映画のフィルムは

３５ミリフィルムより巾の狭い１６㍉

フィルムで制作します。

映画人とカツドウヤ

映画制作に携わる仕事人のことを

一般に映画人と呼んでいます。

公開される映画のタイトルには

スタッフと記されています。

制作するスタッフに対して

映画に出演する俳優さんは

キャストと記されています。

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映画制作に携わるスタッフを

内輪では「カツドウヤ」と

呼んでいました。

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「カツドウヤ」の語源は

日本で初めて映画が公開された

ときは写真が動いているというので

「活動写真」と云われました。

その活動写真を制作する人というので

カツドウヤと呼ぶようになったのでしょう。

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その活動写真は最初、音声のない

サイレントでしたが、やがて

俳優さんの台詞が聞こえる

トーキーが誕生します

…　…　…

いつからかその、活動写真は

映画と云われるようになりました。

そして今、インターネットの時代になって

動画と呼ばれるようになりました。

映画を英語ではモーション・ピクチャーです。

この言葉を直訳して

動画と云うのでしょうか？

:劇場映画とテレビ映画

劇場映画とテレビ映画を

比べると劇場映画は

３５ミリフィルムカメラで

制作されます…

一方、テレビ映画は１６㍉フィルムカメラで

制作されます。

映画制作はカメラを中心に

スタッフは働きます

…　…　…

劇場映画のカメラは、日本では

アメリカ製のミッチェルＮＣが

標準です。それに対してテレビ映画

は１６㍉カメラで、やはり舶来の

アメリカ製かドイツ製が使われます

…　…　…

劇場映画の制作の３５ミリフィルムに対して

テレビ映画の１６㍉フィルムは

約半分の巾になります。

…　…　…

劇場映画を制作するカメラに

比べてテレビ映画を作るカメラは

ぐっと小さくなります…

本編とテレビ映画

テレビ映画を制作するのに

アメリカでは劇場映画に使用する

35ミリフィルム撮影機を使うようですが

日本でテレビ映画を制作する場合は

１６㍉フィルム撮影機を使いました。

…　…　…

テレビ局、テレシネ室の

放映用映写機は１６㍉フィルム用です。

そこで、アメリカのテレビ映画の場合は

３５ミリフィルムをテレビ用に

１６㍉フィルムに縮小プリントします。

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以上の理由で日本では

１６㍉撮影機でテレビ映画を

制作するようになりました。

…　…　…

映画撮影所のスタッフに

今、どんな仕事をしているの？と

聞いてみますと…

「いま、本編と違って

テレビ映画をやっています」

と返ってきました。

ここで云う本編！という言葉は

劇場映画制作を云います。

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劇場映画は大勢のスタッフと

３５ミリフィルム撮影機で制作して

いきます。それに反して

テレビ映画は予算の関係か

スタッフの人数も少なく

小型の１６㍉撮影機で制作

します…。

…　…　…

そこから、本編とテレビ映画と

いう言葉が発せられる

ようになったのでしょう…

テレビ映画「月光仮面」

日本のテレビ番組には

最初、アメリカからの

テレビ映画を放映していましたが

日本の映画撮影所でも

国産？のテレビ映画を

作るようになりました。

…　…　…

日本製テレビ映画で

大ヒットを飛ばしたのは

「月光仮面」でしょう。



制作は宣弘社、演出は船床定男、

主演は大瀬康一、

原作は川内康範でした。

この「月光仮面」は大ヒットした

国産、テレビ映画でした。

…　…　…

大阪のテレビ局の

「大阪テレビ」の第三スタジオに

ロケーションに来たことがありました。

小編成のスタッフで

撮影は１６㍉撮影機を

使っていました…

テレビ映画、放映始まる

テレビ番組にはニュース、スタジオドラマ、

音楽番組に混じって劇場用映画や

テレビ映画の番組がありました。

…　…　…

テレビ黎明期には、アメリカから

テレビ映画(ドラマ)が入ってきました

「サンセット７７」、「ローハイド」などで

声優さんの日本語台詞に吹き替えられて

放送されていました。

…　…　…

やがて日本でも映画撮影所や

プロダクションによつて、

テレビ映画が作られるように

なりました…

…　…　…

アメリカから入ってきたテレビ映画は

劇場映画と同じように

３５ミリフィルム撮影機で

撮られていたようですが…

日本のテレビ映画の制作には

１６㍉フィルム撮影機で撮られて

いたようでした…。

ラッシュプリントとプレビュー

映画制作とテレビドラマ制作で

違いはまず、映画は１台の

カメラで作っていきますが、

テレビドラマは３～４台の

テレビカメラで切り替えながら

録画していきます。

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映画の撮影はワンカットずつ

バラバラに撮っていきます

そして撮りだめが出来ると

編集をして録音テープの台詞を

かぶせて、ラッシュプリントを

作ります。

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撮影所の試写室に

出演した俳優さん、スタッフ

一同集まって見ます…

ここでＯＫが出れば、その場面の

本番は初めて？ＯＫとなります。

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テレビドラマの本番では

１～数シーンを複数のカメラを切り替えて

音声(台詞)も同時録音で録画します。

テレビドラマの数シーンを録画すれば

ビデオテープを巻き戻します。

そして、本番の録画スタジオの

テレビモニターですぐ、再生できます。

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テレビドラマに初めて出演された

ベテラン映画俳優さんは

スタジオＡＤさんの

「いまのシーンのプレビューを行います！」

の声に…

「いま録画した芝居がもう見れるの？」と

ビックリしていました。

生テレビドラマと録画ドラマ

映画とテレビドラマの違いについて

映画撮影の場合は連続したシーンの芝居を

バラバラにして１カットずつ撮影して

編集の段階で連続したドラマに仕上げて

いきます。

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テレビドラマの場合は

３～４台のカメラで１～数シーンを

連続して録画していきます。

…　…　…

映画撮影とテレビドラマの制作に

おいて、テレビドラマのほうが

芝居が連続しているので、より

自然に演技がやりやすいのでは

ないでしょうか。

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テレビドラマの制作で

テレビ黎明期にはビデオ録画がなく

生ドラマしかなかったので

生ドラマの放送になると出演される

俳優さんばかりでなく、制作に携わる

スタッフもプレッシャーがスゴく

はらはらの連続でした。

テレビドラマ初出演の映画俳優さん

映画のスタジオ撮影では

演技をばらばらに分解して

ワンカットずつ、撮影していきす

そしてそのワンカットの撮影の際

カチンコの「カチン！」の合図で

俳優さんの演技が始まりす。

…　…　…

テレビドラマのスタジオ撮りでは

録画するビデオテープに映像も

音声も同時に入りますから

映画スタジオのカチンコは

必要ありません

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映画出演から始まった

映画俳優さんには

演技の切っ掛けになる

カチンコは条件反射のような

ものでしょう

…　…　…

テレビドラマ初出演の

ベテラン映画俳優さんに

とって、ＡＤさんの

「５、４、３、２…！」

の声で始める演技の切っ掛けに

違和感を感じておられたのでしょう。

テレビドラマの録画本番

映画撮影のスタジオ撮りの本番は

カチンコを使って大変です…

次に、テレビドラマのスタジオ撮りの

風景を述べてみます…

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テレビドラマのスタジオ撮りは

テレビカメラを３～４台同時に使われます

日本映画の本番はカメラは１台です、そして

映画は１カットずつ撮っていきますが

テレビドラマでは１～２シーンまとめて

撮っていきます。

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テレビドラマのスタジオリハーサルが

済んで、いよいよ本番です。

スタジオサブのディレクターは

VTR室に「ビデオスタート！」と

声をかけます

VTR室から「ビデオスタートしました」と

返事が返ってきます…

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スタジオ内のＡＤさんはスタジオ内の

皆に「本番３０秒前！」と声をかけます

次にＡＤさんは

「本番１０秒前！」

そして「本番５秒前！」

１秒前…にＡＤさんは、

腕を振り下ろすと、それが

「演技スタート」の無言の合図に

なります。