碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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週刊アサヒ芸能「フジテレビのヤラセ告発」記事でコメント

2010年11月03日 | メディアでのコメント・論評

発売中の「アサヒ芸能」最新(11月11日)号。

『フジテレビ超人気番組「悪質ヤラセ」を告発する』という特集記事で、コメントしている。

問題にされたのは、08年11月11日に放送された「B.C.ビューティー・コロシアム」だ。

番組に出演してエステなどでダイエットに励み、減量に成功した女性が交際相手の男性に逆プロポーズした。

見事OKをもらって、メデタシ、メデタシ。

のはずだったが、実は、女性も男性も番組からの依頼で、いわば演じていたというのだ。

なぜなら、女性は、スタジオ収録の時点で、すでに逆プロポーズした男性とは別れており、別の男性と交際していた。

スタッフに「演出を拒否するなら、エステ代800万円を支払え」と言われ、仕方なくプロポーズしたんだって。

結局、女性は新たな彼氏とも別れるはめに・・・。

まあ、詳細は本誌をお読みいただくとして、「アサヒ芸能」から、この件で取材を受けた時、30分ほど話をさせていただいた。

ただし、例によって、記事では超コンパクトなコメントになっている(笑)。


テレビのヤラセ問題に詳しい、上智大学教授(メディア論)の碓井広義氏は言う。

「作り手はヤラセと思わず、あくまで演出の範囲内だと言うのでしょうが、現実問題として出演してくれた女性に迷惑がかかっているのであれば、ヤラセと指摘されてもしかたがないでしょう。

この番組に限らず、こうしたドキュメントバラエティ番組は演出の境目が曖昧になっている。

意識しないままの過剰演出はごく日常的なことですね」


テレビ界のルールを知らない素人を出演させる以上、より制作側に倫理が求められるのは当然である。

見た目がきれいになるだけでは許されないのだ。


(週刊アサヒ芸能 11月11日号)


・・・・というわけで、現実を無視して、自分たちの描いたストーリー通りに番組を仕上げようとして、無理や無茶が生じたケースだと思います。

演出という名目は、決して万能ではありません。

それにしても、2年前の話が、なぜ今、出てきたんだろうね(笑)。



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